小説:クイックセーブ&ロード 2
クイックセーブ&ロード 2を読みました。
タイムトラベルもの?の2巻目です。前巻のあとがきでは続きが出せそうとのことでしたが、無事続きがでたということはそれなりに読まれたってことなんでしょうか。
主人公は、死ぬと以前にセーブしておいた時点から人生をやり直せるという能力を持っていて、この能力を生かして物語が進行しています。
今回は、タイムトラベル的な要素では、前巻に比べると単調的だったかなぁという感じがしました。前回は主人公のぽかで醍醐味っぽい流れになりましたが、今回はそういう点では単純に能力を使っただけって感じです。お話的には先輩の家族関係のお話に焦点が当たっています。主人公が能力を持っているって点以外ではあんまり個性がない感じなので、キャラクター的には先輩の方が立ってるかなぁという感じでした。本来主人公の能力は、セーブ地点を間違えなければ無敵に近い能力なのですが、根性がないせいなのか今回は簡単に挫折しがちな感じがしました。前回みたいな手詰まり感はあまり感じなかったので、何度でも試行錯誤を繰り返せばいいのになぁって思わなくもなかったです。
今回は、前巻でお話だけ出てきていた主人公と同じ能力をもつ先輩のお兄さんが黒幕的な役割ででてきます。最終的な死に関するお話は結構興味深かったですが、それでやることが家族の内輪もめを利用して、主人公を試すみたいな部分があってなんかお話のスケールがちぐはぐな印象を受けました。
お互いの死に対してお互いの人生が影響をうけるような感じでしたが、そうしたら今までお互いにリセット掛けまくってる状況でなんか気付いたりしなかったのかって辺りがよくわかりませんでした。早く生まれた方が~の件も、結局最終的な死(リセット)が起きるたびに因果関係の解消をしつづけないと成立しない話で、あんまり意味ないような気がしますが何か読み取れてない部分があったのかなぁ。
最後のエピソードは少し予想外というか、初めのシーンはこういう展開への布石だったんだなぁというのが少し盲点を疲れた感じでいた。主人公の能力の説明のための小話くらいに思っていたので。主人公にあまり個性がないと書きましたが、最後のエピソードの鈍さ加減がある意味個性といえなくもないです。あんまりといえば、あんまりな鈍さですが。
一応、物語的には先輩のお兄さんがらみで続きがだせそうですが、もう少し主人公ががんばってくれるといいかなという感じがします。今回も先輩がらみで少し言い台詞なんかも言ったりはしてますが。
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