小説:閉店時間


閉店時間 (扶桑社ミステリー ケ 6-9)
扶桑社
ジャック・ケッチャム
ユーザレビュー:
ケッチャム文学の入門 ...
中編集(4作) 現時 ...
ツワモノにオススメ。 ...
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閉店時間を読みました。
ケッチャムの短編(中編?)4本が収録されています。面白いというと語弊がある作家さんですが、なぜか読み始めると引き込まれるものがある不思議な作家さんです。
1本目は、本のタイトルにもなっている閉店時間。閉店時間間際を狙ってくる強盗のお話(こちらがメインではないですが)。あとがきによるとアメリカで起きた911のテロの影響を受けたもののようなのですが、最後は虚無感に襲われるというか、これがオチなの?って感想を受けました。
2本目は、ヒッチハイク。主人公の弁護士がひどい目にあうけど、一応一方的に痛めつけられるわけでもなくて逆襲もする感じのお話です。ケッチャムの物語によくでてくる理非のないタイプの悪党がでてきます。
3本目は、雑草。これがこの本の中では一番後味が悪いというか、なんとも言えない読後感を感じさせる物語です。レイプや殺人を繰り返した夫婦の話で、はじめは夫の側が主体的なだけなのかなぁと思いきや、妻の方もかなり異常な感じで、特に出所後の展開が予想のかなり斜め上をいきます。スティーブンキングの作品なんかでもたまに同じ印象を受けるものがありますが、終わり方はかなり唐突な感じです。なんか向こうのホラーものとかはこういうの多い気がします。
4本目は、川を渡って。アメリカの時代劇みたいな感じなんでしょうか。ほんの少しだけ、前記の3作とは趣が違う感じです。老人と犬とかが方向性が近いのかも。
ケッチャムの作品を読むと、平和に日常生活を送るれるのは奇跡みたいなもんだって感じがしちゃいますね。例えばアメリカあたりでも、この手のお話は異常性を持って見られるものなんですかね。それとも、結構身近なお話なんでしょうか。

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