小説:伏 贋作・里見八犬伝

伏 贋作・里見八犬伝 を読みました。桜庭一樹さんのハードカーバーの小説です。週刊文春に掲載されていた物みたいで、アニメ映画化が予定されているらしいです。桜庭さんの小説は、GOSICKと短編をいくつか読んでいます。GOSICKは最近アニメ化されて放映開始しましたね。ヴィクトリカと久城が分かれるかもみたいなところあたりまでは読んでたんですが。
ちょうど、現代語訳南総里見八犬伝を読んでる途中で発売されると知って、読み終わったら読もうかと思ってたのですが、少し時間がたってしまいました。
アマゾンで売ってるハードカバー用のブックカバーですが、ハードカバーの表紙を外して付ければ、きついですがなんとか使える感じです。前回読んだ図書館戦争も同じ方法で入りました。
贋作・里見八犬伝と副題がついているので、一応元ネタというか八犬伝に無関係なお話ってわけではありませんでしたが、正直八犬伝を知ってたらより物語が楽しめるかというと微妙な感じでした。
登場人物の名前とか八犬伝に出てくるものとキーワードの物もいくつもありますが、八犬伝の方で果たしていた役割とリンクしてるかというとそうでもないし。

物語は、伏と呼ばれる犬人間が跋扈してる江戸の街に、狩人の女の子が兄を訪ねてきて一緒に伏を狩るみたいなお話です。大体3つくらいお話が分かれていて、狩人の女の子が江戸に出てきて伏を退治するお話、馬琴の息子が書いている贋作・里見八犬伝のお話、また江戸のお話に戻って終わりです。
お話のベースになるのが馬琴の書いている八犬伝ではなくて、作中で馬琴の息子が書いている(作中で現実にあったことを調べて書いていることになっている)贋作・八犬伝の方になっています。この贋作・八犬伝が八犬伝でいうところの里見家の伏姫のお話ところのエピソードしかないので、いわゆる八犬伝の八犬士のエピソードがなく、本編の方でも八犬士がらみのお話はほとんどないです。辛うじて、八犬士と同じ名前の登場人物はでてきますが、ほとんど八犬伝との関連がないですね。関連性があるのって主人公の女の子の名前がが浜路で、お兄さんの名前が道節って兄妹の関係くらいかもしれないです。
伏姫の部分のお話も、八犬伝のお話とは異なっているので(少し信乃の子供の頃のエピソードを連想させたりはしますが)、結局ほとんど八犬伝とは関係ないお話なっちゃってます。着想は得てるけど、八犬伝ありきのお話でもない感じでしょうか。逆に違いの部分とかが知ってる人は気になるかも。雛衣の相手とか村雨丸の出自とか、犬人間が八人で旅してるけど、メンバーが八犬士の八人の名前と違うとか。どうせなら合わせても良さそうな気もするけど、表面的にだけあわせるのがやだったのかなぁ。変えてる事自体には何にも意味はなさそうなので、なんか中途半端な印象です。
おはなしの方は、一応綺麗にまとまってはいるのかな?謎というか物語の鍵というか裏設定見たいのはちゃんと消化して終わっています。映画化して面白いかなぁというのは少し疑問な感じもしますが、見せ方次第なのかな?あんまり八犬伝と絡めてお話ししないほうが逆にいいような気もします。


伏 贋作・里見八犬伝
文藝春秋
桜庭 一樹
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 伏 贋作・里見八犬伝 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



伏 贋作・里見八犬伝 (文春文庫)Kindle版
Kindle版です。文庫版と同じ値段みたいですね。販売が文藝春秋になってて、値段も文藝春秋の設定ってなってるので、Amazon販売分がAmazonの仕切りで値段がついてるものってことでしょうか。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック