小説:マルドゥック・フラグメンツ

マルドゥック・フラグメンツ を読みました。冲方のマルドゥックシリーズの短篇集です。
マルドゥック・スクランブルの映画が上映されてた頃はあんまり新しい展開とかなかった印象ですが(改訂版とかでてたのかな?)、近々Blu-rayの方もでるし、今回は結構いろんな展開があるのでしょうか。

フラグメントは、短篇集ということで、スクランブルやヴェロシティのお話、今後展開される予定のアノニマスの短編なんかが掲載されています。

・マルドゥック・スクランブル“104”
スクランブルのプレストーリーとなっていますが、お話的にはウフコックとボイルドのコンビのお話なので、時期的にはヴェロシティの頃になるのでしょうか。ちょっと風刺が効いたというか、実力行使だけではない面白い戦いが展開されます。104というのはお話の中にでてくるメインの登場人物が参加してる団体の名称になります。

・マルドゥック・スクランブル“-200”
こちらもウフコックとボイルドのコンビのお話です。104よりは少しシビアなお話で、ちょっと意外な展開で幕がおります。-200は、冷凍遺体保存するときの温度から来てるのかな。

・Preface of マルドゥック・スクランブル
こちらは、スクランブルの前日談で、バロットとウフコックの出会い(ウフコックの側しか意識はしてないけど)の物語になります。私は、スクランブルの旧版しか読んでないけど、そんなに矛盾とかはないのかな?

・マルドゥック・ヴェロシティ Prologue & Epilogue
こちらは、バロット・ウフコックのコンビと戦っているボイルドが、戦闘中に昔を懐古するという感じで進む短編になっています。時期的にはスクランブルのお話ですが、タイトル通りヴェロシティの内容が多めな感じです。前の3編は、普通の文体で読みやすいのですが、こちらは独特な文体と、スクランブル、ヴェロシティを読んでないとさっぱりな内容なので、シリーズを読んでない人には訳の分からない感じかもしれないです。

・マルドゥック・アノニマス“ウォーバード”
こちらは、書き下ろしでスクランブルよりもあとのお話です。バロット、ウフコックのコンビも登場しますが、メインはとある刑事さんの活躍?になります。このお話もどんでん返し的なラストになっています。

・Preface of マルドゥック・アノニマス
ウフコックの回想の形で、ちょっぴりショッキングな展開になりそうなお話になっています。このアノニマスがこれから展開される物語とのことです。次のインタビューの方にどんなお話になるかは書かれているのですが、どちらかというとヴェロシティに近いお話になるのでしょうか。

・古典化を阻止するための試み
冲方さんへのインタビュー形式で、マルドゥックのシリーズ全般に関してのお話が載っています。マルドゥック・スクランブルは完全版っていうのが出てるらしいのですが、こちらは完全に一から書きなおしたものになってるとのことです。冲方のこういう所はすごいですよね。この巻の帯に「スクランブル、ヴェロシティ、そしてアノニマス-」という紹介文句があって、アノニマスってなんなのかなぁと思ってたんですが、これから始まる第3シリーズのことでした。インタビューを読んだ感じでだと、ヴェロシティにおけるウフコックとボイルドの関係が、アノニマスにおけるバロットとウフコックの関係みたいな位置づけになるのかなぁという感じみたいです。ヴェロシティを読むとスクランブルの時点でのボイルドの印象がかなりかわるのですが、完全版とかだとそこら辺も少し変わっていたりするのかなぁ。

・事件屋稼業
こちらは、マルドゥック・スクランブルの初期原稿の冒頭部分が掲載されています。オマケ的なものなのでしょうか。だいたい、バロットが殺されかけて、意識を取り戻すまでのあたりまで掲載されています。骨格的な部分はほとんど変わらない感じです。

一応、マルドゥック・アノニマス“ウォーバード”以外は公開済みのお話なのかな?事件屋稼業は置いておいて。新しいマルドゥックシリーズが出るとか思ってなかったので、結構楽しみです。

既刊分の感想はこちら。
マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉
マルドゥック・ヴェロシティ 2
マルドゥック・ヴェロシティ 3


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映画の感想はこちら。
マルドゥック・スクランブル 圧縮


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