小説:アルスラーン戦記〈12〉暗黒神殿

アルスラーン戦記〈12〉暗黒神殿 を読みました。とりあえず、既刊分は次の巻でラストですね。髑髏城の花嫁の感想書いたときは別にアルスラーン戦記の続きは気にならないとか書いたけど、読んでみるとやっぱり先が気になりますね。前の巻くらいまでは、しばらく間の開いた後の再開で、ちょっと文体かわったかな?って思ったけど、この巻はあんまりそういう印象は感じませんでした。
お話は、ペシャワール城にイルテリシュ率いる魔軍が侵攻してくるところから始まります。てっきりこの巻を通じて魔軍との戦闘が続くのかと思ったけど、そんなこともありませんでした。個人的には完全に忘れてたタハミーネがまた出てきたり、長期化するのかなぁと思ったヒルメスの成り上がり物語が意外な急展開を見せたり、忘れた頃にエステルのお話が来たり、面白かったです。
ただ、なんかタハミーネとかシャガード(こっちも作中の人物たちと同じで完全に忘れてました)とかの行動が少し脈絡がないと言うかこれまでのイメージと急に変わった感じがあって少し違和感がなくはなかったかも。
2部に入ってから、ザンデとかボダンとか結構あっさり逝ってしまう登場人物が多いので、個々のエピソードを読んでる時にもしかして死んじゃうの?ってな感じの緊張感が少しあります。今回だとキシュワードのあたりとかエステルのあたりとか。エステル辺りはここらで無駄に怪我して治るってことはないでしょうから、あんまり明るい未来は待ってない感じなのかなぁ。
ヒルメスの辺りは前巻でしばらく時間がかかりそうだなぁって展開だったので、完全に意表をつかれました。やっぱり作家さんの考える事は一味ちがいますね。
あと気になるのは急にしおらしくなった(?)ナルサスとアルスラーン(とエラム)の会話の辺りでしょうか?どんな予感がしたのか。アルスラーンが国民のためならザッハークと刺し違えるのも躊躇しないとかそんな感じなんですかね?もっと奥が深そうな感じなんでしょうか。
こうなってくると最後の一巻読んでしまうのがなんだかもったいないというか、先が気になってしかたなくなりそうで嫌な感じですね。その一巻が完結の一巻でないだけなおさら。続きを出す予定とかって全然ないのかなぁ。

田中芳樹さんの本の感想はこちら。
ラインの虜囚
月蝕島の魔物 (Victorian Horror Adventures)
髑髏城の花嫁 (Victorian Horror Adventures 2)
蘭陵王
アルスラーン戦記〈1〉王都炎上
アルスラーン戦記〈2〉王子二人
アルスラーン戦記〈3〉落日悲歌
アルスラーン戦記〈4〉汗血公路
アルスラーン戦記〈5〉征馬孤影
アルスラーン戦記〈6〉風塵乱舞
アルスラーン戦記〈7〉王都奪還
アルスラーン戦記〈8〉仮面兵団
アルスラーン戦記〈9〉旌旗流転
アルスラーン戦記〈10〉妖雲群行
アルスラーン戦記読本
アルスラーン戦記〈11〉魔軍襲来


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