小説:サッカー審判員 フェルティヒ氏の嘆き

サッカー審判員 フェルティヒ氏の嘆き を読みました。エルゴラで宣伝が載ってたので読んでみました。てっきり実在する審判のフィクションなのかと思ってたんですが、小説でした。
主人公の審判員の独白形式の短編で、ちょっと短いので小説としては高めかなぁという感じです。あと、独白がひっきりなしに進むので、途中で中断しようかなぁというときに切れ目がなくて一気に読んでしまいました。面白くはあったのですが。

サッカーの審判員が主人公ということもあって、サッカーが取り上げられてはいるのですが、どちらかと言うとお話の主題はそちらではなくて、普通の小説なのかなぁという感想です。審判員が書いてる本というわけではないみたいなので、どこまで本当の話なのかもわからないですし。
サッカー関連で、そうなのかな?ってなった話では、スタジアムの騒音が原因で聴覚障害で引退する選手が時々いるという話とオフサイドのルールに関して、ベルギーが果たした役割的な話。あんまり聞いたことのない話だったので、そうなのかなぁってあたりでしょうか。
冒頭は裁判所からでてくる主人公のぼやきから審判の話とか日常の不満らしきものの話が取り留めもなく続いていきます。ラストに裁判所の話(途中にもあったのですが、本筋に繋がる話だとは思いませんでした)につながる話になるのですが、これミスリードを誘ってたのか、私が鈍感なだけだったのかいまいちわかりませんでした。個人的にはそういうオチだったのかと少し意表をつかれました。

審判っていうのもなんだか報われない仕事で、サッカー選手みたいにミスは許してもらえなし、基本的に周りの選手は審判を騙そうとして躍起になってるし、サポーターは私も含めてやいのやいの文句つけるし、いいジャッジでも賞賛されるわけでもないし、ミスジャッジをしようものなら鬼の首をとったみたいに批判されるし。
まあ、頭では審判もミスするとはわかってても、実際スタジアムで観戦してるときは(特に贔屓チームの応援のときは)そんな余裕ないし、文句を浴びせちゃいますしね。そこら辺のお話もぼやきとして書かれています。

日本の審判はあんまりレベル高くないみたいな話はよく見かけるけど、実際のところどうなんですかね。海外のリーグとかほとんどみないのでわからないけど。日本に研修にくる外国の審判の人は最近小うるさいジャッジの人が多い印象ですが。日本が新しい基準を示すんだみたいな審判の人の記事を見た覚えがあるけど、そういうのはいいから普通に吹いてよって感じはします。
技術を向上させる取り組みはしていて、日々進歩してるとかならいいけど、実際のところどうなんですかね。

サッカー関連の本の感想は、こちら。
実況席のサッカー論
J2白書 2010
続・実況席のサッカー論
ネルシーニョ すべては勝利のために
人を束ねる
争うは本意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール
センターバック専門講座


サッカー審判員 フェルティヒ氏の嘆き
三修社
トーマス ブルスィヒ
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by サッカー審判員 フェルティヒ氏の嘆き の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック