小説:神曲プロデューサー

神曲プロデューサー を読みました。杉井さんの新刊になります。単行本ですね。帯に読者の感想が載っているのですが、作品自体はどこかで掲載されていたものだったりするのかな?
賞賛の声、続々!と書かれていますが、確かに面白かったです。杉井さんの作品の中ではさよならピアノソナタなんかと同じ系統の作品になるのでしょうか。音楽がメインのお話になっています。

音楽業界で便利屋的に働いている主人公と売れているシンガーソングライターを軸に進むお話になっています。5話掲載されていて、一応1話完結にはなっている感じでしょうか。
音楽は完全に門外漢で、杉井さんの小説でくらいしか知らないので、どのくらいリアリティがある話なのかとかはよくわからないけど、面白かったです。さよならピアノソナタが好きだった人にはおすすめな感じです。

・超越数トッカータ
一話目は、主人公のはじめてリリースした曲が、PVの出来もよくて評判になりかけるのですが、大御所のプロデューサーが昔作った曲に似ていて…というお話。ここに、売れてるシンガーソングライターが一時的にランキングで主人公の曲に上へ行かれたこともあってお話に絡んできます。

・両極端クオドリベット
二話目は、シンガーソングライターがセルフプロデュースするのに、最近音信不通なベーシストに参加してもらおうとするのですが、事情があって…というお話。曲が聞きたいこともあって主人公がベーシストの参加に手を貸すことになります。

・恋愛論パッサカリア
少し名前の売れてきた主人公が、アイドルグループの曲をプロデュースすることになります。ちょっとシンガーソングライターと意見のスレ違いみたいなのがあったり、シンガーソングライターの元夫がPVの監督だったり、昔の彼女が出てきたり、一番ラブコメ分が高いお話になっているかも。

・形而上モヴィメント
主人公がちょっと尖ったタレントのデビュー曲をプロデュースすることになりますが、お互いに譲れずに衝突して…というお話。単にわがままなのかと思ったら、認めるところは認め合っていて、でもうまくいかなくてという少しもどかしい感じのお話でした。これが一番よかったかも。

・不可分カノン
上の話の続きで、ちょっと落ち込んでしまった主人公とすれ違うシンガーソングライターのお話。このお話が本巻のまとめということもあって、ちょっと無理やり落ちを付けたのかなぁって部分もあって、尺が足らないというか消化不良な感じもあるかも。

帯に「音楽お仕事小説にして、ラブコメ」とありますが、これが一番言い得て妙という感じなのかも。面白かったし、続きも書けそうな感じではありますが、こういうのはネタを見つけるのが難しいそうですね。出たら是非読みたいとは思いますが。

杉井さんの小説の感想は、こちら。
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神様のメモ帳5
神様のメモ帳6
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