小説:世界堂書店
世界堂書店を読みました。米澤穂信さんの新刊というと少しちがいますが新刊になります。米澤さんが選んだ世界各地の小説をまとめて掲載した文庫本になります。
米澤さんの本ってだけで注文しちゃったのでちょっとだまされた感がありますね。きちんと調べなかったのが悪いのですが。
短めの15編の小説が収録されています。
・源氏の君の最後の恋
ベルギー生まれのフランスの作家さんの小説だそうです。源氏物語の同人誌的な小説なのかな?源氏物語をフランス語訳したものではなさそうだけど。光の君の晩年の花散里とのお話になっています。注釈をみると所々原作と食い違う記載があるみたいです。ヒカルが地球にいたころ…という源氏物語を題材にした小説を最近読んでたので結構楽しめました。花散里は不憫な感じですね。
・破滅の種子
イギリス生まれの人らしいけどアメリカの作家さんなのかな?口八丁で骨董品を売る店主の物語になります。二束三文の指輪が話が転がってすごい価値となるけど…ってな感じ。ちょっとオチは予想できました。
・ロンジュモーの囚人達
フランスの作家さんの小説。とある夫婦が新婚生活を始めた村からなぜか出ることができないという物語。出れないことにオチがつくのかとおもったけど、そこの説明はなかったです。ちょっと拍子抜けしてしまいました。
・シャングリラ
台湾の作家さんの小説。SF小説になるのかな?宇宙へ進出した時代の話でとある宇宙飛行士が訪れた先の変てこな石の話。宇宙飛行士の話が信じられない同級生だったけど…な展開に。ちょっとオチがわかりづらいかも。
・東洋趣味
アメリカの作家さんの小説になります。清の時代辺りの中国のお話。とある婦人が失踪してしまって…というお話。てっきりホラーなのかなぁと思って読んでたのでオチは予想外だったというかすごく現実的なところに着地してしまったのであれ?って感じでした。
・昔の借りを返す話
オーストリアの作家さんの小説になります。これは面白かったです。お医者さんの奥さんが訪れた療養先で昔好きだった役者さんに会って…というお話。同じ役者さんを好きだった友達に宛てた手紙を書くという体でお話が進んでいきます。なんというか素敵なオチのお話です。昔の借りというのが友達と役者さんに掛かっています。
・バイオリンの声の少女
ウルグアイの作家の小説です。かなり短い小説になっています。声からバイオリンの音が漏れてくる女の子のお話。オチはわかったけど、そういうことなの?ってな感じのお話。女性声優さんのネタになったりする感じの話なんでしょうか。
・私はあなたと暮らしているけれど、あなたはそれを知らない
アメリカの作家さんの小説です。SF作家さんらしいのですが、この小説もSFなのかな?ちょっと設定が飲み込めませんでした。存在感が希薄な女の人がいて、その人に似た人が隠れて同居している(本人は誰か居ると気づいてるけど怖くて確かめられない?)というお話。似たような境遇の男の人を見つけて、女の人の部屋に引き込むのですが…みたいなお話ですが、今一オチがあるんだかないんだかよくわかりませんでした。
・いっぷう変わった人々
フィンランドの作家さんのお話。なんだか不思議な話が続きますね。楽しくなると宙に浮かんでしまう子、影がささない子、鏡に姿が映らない子が集まって秘密結社(?)を作るお話。児童文学とか書かれてる作家さんらしいので、ちょっと不思議なお話といった感じなんでしょうか。大きくなるとともにその特徴はなくなるのですが…。最後のオチに意味があるのかちょっとわからないお話ですね。世にも奇妙な物語みたいな。
・連瑣
中国の作家の小説。聊斎志異の作者さんで、連瑣も聊斎志異に収録されている小説だそうです。聞いたことあるので歴史の授業か何かでタイトルだけ覚えたのだと思いますが、怪談話を集めたものらしいです。これも怪談話で、若くして亡くなった女の幽霊とある男のお話。失敗しなかったオルフェウスの話って感じでしょうか。てっきりダメになる話かと思って読んでました。
・トーランド家の長老
イギリスの作家の小説。すごくひねた感じのお話になっています。おしゃべり好きのおばさんと、とある一族を牛耳っている声の出せないお婆さんの話。どこまでも噛み合ってない二人の話で、最後の最後までおしゃべり好きのおばさんが自己完結しています。
・十五人の殺人者たち
アメリカの作家さんの小説。Xクラブという医学の大家ばかりが参加する会合で、どんな医学的殺人が行われたかを告白して、原因を当てるというちょっと露悪的な集会が行われていて、初参加の医師が自分の過失を告白するのですが…というお話。なんか胸くその悪い話だなぁと思ってたら予想外の展開に。結構よかったです。
・石の葬式
ギリシャの作家さんの小説。ケッチャムの書く小説みたいだなぁと思いました。大地震が起きて墓場から棺が出てきたのですが、中身を確認すると石が入っていて…という物語。なんで石が入っていたのかを探る神父さんの話と、その原因になる話とその後の話の大きく2つに分かれています。復讐が果たされて終わりなのかなぁと思ったらあれ?っというオチが待っていました。お互い勘違いしてわかってないし、それほど悲劇的ではない感じなのかなぁ。
・墓を愛した少年
アメリカの作家さんの小説。すごく短い短編です。使われなくなった墓地に少し変わった墓石があって、とある少年の心の支えになっていたのですが…というお話。あんまり救いのない物語ですかね。
・黄泉から
最後は日本の作家さんになります。黄泉返りみたいなのを想像したけど、ちょっと違いました。短いのもあるけど、ちょっと物足りない感じはあったかも。最後出てくるのかなぁと思って。戦後、仲買人として成功した男が、自分のことを好きだった親族の子の供養をしようとするのですが…というお話。
最後にあとがきにかえてということで、米澤さんが書く作品の解説を書いています。なんというかラインナップだけみるとすごい手広く読んでいる感じですよね。乱読とかではないのでしょうけど。本好きな人ってこれくらい色々読んでるもんなんでしょうか。私なんかは決まった作家さんの本しか読まない方ですね。
そういえば、アルスラーン戦記の新刊でましたね。昨日までに届いてたら甲府の行き帰りで読もうかと思ったのですが。よもや続きが出るとは思いませんでしたね。まだ続いたりするのでしょうか。
米澤穂信さんの小説の感想は、こちら。
・春期限定いちごタルト事件
・夏季限定トロピカルパフェ事件
・秋期限定栗きんとん事件〈上〉
・秋期限定栗きんとん事件 下
・儚い羊たちの祝宴
・さよなら妖精
・氷菓
・愚者のエンドロール
・クドリャフカの順番
・遠まわりする雛
・ふたりの距離の概算
・折れた竜骨 上
・折れた竜骨 下
米澤さんの本ってだけで注文しちゃったのでちょっとだまされた感がありますね。きちんと調べなかったのが悪いのですが。
短めの15編の小説が収録されています。
・源氏の君の最後の恋
ベルギー生まれのフランスの作家さんの小説だそうです。源氏物語の同人誌的な小説なのかな?源氏物語をフランス語訳したものではなさそうだけど。光の君の晩年の花散里とのお話になっています。注釈をみると所々原作と食い違う記載があるみたいです。ヒカルが地球にいたころ…という源氏物語を題材にした小説を最近読んでたので結構楽しめました。花散里は不憫な感じですね。
・破滅の種子
イギリス生まれの人らしいけどアメリカの作家さんなのかな?口八丁で骨董品を売る店主の物語になります。二束三文の指輪が話が転がってすごい価値となるけど…ってな感じ。ちょっとオチは予想できました。
・ロンジュモーの囚人達
フランスの作家さんの小説。とある夫婦が新婚生活を始めた村からなぜか出ることができないという物語。出れないことにオチがつくのかとおもったけど、そこの説明はなかったです。ちょっと拍子抜けしてしまいました。
・シャングリラ
台湾の作家さんの小説。SF小説になるのかな?宇宙へ進出した時代の話でとある宇宙飛行士が訪れた先の変てこな石の話。宇宙飛行士の話が信じられない同級生だったけど…な展開に。ちょっとオチがわかりづらいかも。
・東洋趣味
アメリカの作家さんの小説になります。清の時代辺りの中国のお話。とある婦人が失踪してしまって…というお話。てっきりホラーなのかなぁと思って読んでたのでオチは予想外だったというかすごく現実的なところに着地してしまったのであれ?って感じでした。
・昔の借りを返す話
オーストリアの作家さんの小説になります。これは面白かったです。お医者さんの奥さんが訪れた療養先で昔好きだった役者さんに会って…というお話。同じ役者さんを好きだった友達に宛てた手紙を書くという体でお話が進んでいきます。なんというか素敵なオチのお話です。昔の借りというのが友達と役者さんに掛かっています。
・バイオリンの声の少女
ウルグアイの作家の小説です。かなり短い小説になっています。声からバイオリンの音が漏れてくる女の子のお話。オチはわかったけど、そういうことなの?ってな感じのお話。女性声優さんのネタになったりする感じの話なんでしょうか。
・私はあなたと暮らしているけれど、あなたはそれを知らない
アメリカの作家さんの小説です。SF作家さんらしいのですが、この小説もSFなのかな?ちょっと設定が飲み込めませんでした。存在感が希薄な女の人がいて、その人に似た人が隠れて同居している(本人は誰か居ると気づいてるけど怖くて確かめられない?)というお話。似たような境遇の男の人を見つけて、女の人の部屋に引き込むのですが…みたいなお話ですが、今一オチがあるんだかないんだかよくわかりませんでした。
・いっぷう変わった人々
フィンランドの作家さんのお話。なんだか不思議な話が続きますね。楽しくなると宙に浮かんでしまう子、影がささない子、鏡に姿が映らない子が集まって秘密結社(?)を作るお話。児童文学とか書かれてる作家さんらしいので、ちょっと不思議なお話といった感じなんでしょうか。大きくなるとともにその特徴はなくなるのですが…。最後のオチに意味があるのかちょっとわからないお話ですね。世にも奇妙な物語みたいな。
・連瑣
中国の作家の小説。聊斎志異の作者さんで、連瑣も聊斎志異に収録されている小説だそうです。聞いたことあるので歴史の授業か何かでタイトルだけ覚えたのだと思いますが、怪談話を集めたものらしいです。これも怪談話で、若くして亡くなった女の幽霊とある男のお話。失敗しなかったオルフェウスの話って感じでしょうか。てっきりダメになる話かと思って読んでました。
・トーランド家の長老
イギリスの作家の小説。すごくひねた感じのお話になっています。おしゃべり好きのおばさんと、とある一族を牛耳っている声の出せないお婆さんの話。どこまでも噛み合ってない二人の話で、最後の最後までおしゃべり好きのおばさんが自己完結しています。
・十五人の殺人者たち
アメリカの作家さんの小説。Xクラブという医学の大家ばかりが参加する会合で、どんな医学的殺人が行われたかを告白して、原因を当てるというちょっと露悪的な集会が行われていて、初参加の医師が自分の過失を告白するのですが…というお話。なんか胸くその悪い話だなぁと思ってたら予想外の展開に。結構よかったです。
・石の葬式
ギリシャの作家さんの小説。ケッチャムの書く小説みたいだなぁと思いました。大地震が起きて墓場から棺が出てきたのですが、中身を確認すると石が入っていて…という物語。なんで石が入っていたのかを探る神父さんの話と、その原因になる話とその後の話の大きく2つに分かれています。復讐が果たされて終わりなのかなぁと思ったらあれ?っというオチが待っていました。お互い勘違いしてわかってないし、それほど悲劇的ではない感じなのかなぁ。
・墓を愛した少年
アメリカの作家さんの小説。すごく短い短編です。使われなくなった墓地に少し変わった墓石があって、とある少年の心の支えになっていたのですが…というお話。あんまり救いのない物語ですかね。
・黄泉から
最後は日本の作家さんになります。黄泉返りみたいなのを想像したけど、ちょっと違いました。短いのもあるけど、ちょっと物足りない感じはあったかも。最後出てくるのかなぁと思って。戦後、仲買人として成功した男が、自分のことを好きだった親族の子の供養をしようとするのですが…というお話。
最後にあとがきにかえてということで、米澤さんが書く作品の解説を書いています。なんというかラインナップだけみるとすごい手広く読んでいる感じですよね。乱読とかではないのでしょうけど。本好きな人ってこれくらい色々読んでるもんなんでしょうか。私なんかは決まった作家さんの本しか読まない方ですね。
そういえば、アルスラーン戦記の新刊でましたね。昨日までに届いてたら甲府の行き帰りで読もうかと思ったのですが。よもや続きが出るとは思いませんでしたね。まだ続いたりするのでしょうか。
米澤穂信さんの小説の感想は、こちら。
・春期限定いちごタルト事件
・夏季限定トロピカルパフェ事件
・秋期限定栗きんとん事件〈上〉
・秋期限定栗きんとん事件 下
・儚い羊たちの祝宴
・さよなら妖精
・氷菓
・愚者のエンドロール
・クドリャフカの順番
・遠まわりする雛
・ふたりの距離の概算
・折れた竜骨 上
・折れた竜骨 下
この記事へのコメント
難しいのもありましたが面白いアンソロジーでした。
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