小説:猫の手、貸します 猫の手屋繁盛記

猫の手、貸します 猫の手屋繁盛記 を読みました。かたやま和華さんの新刊になります。新刊案内を見てたらかたやまさんの名前があったので読んでみました。
今回も江戸の町のお話になります。不思議絵師の話と直接つながりはないけど、国芳がでてきますね。
お話は、酒に酔っている時に変な黒猫に、人間の形のまま猫に代えられてしまった武士の宗太郎の物語になります。百の善行を積めば元の人の姿に戻れると言うことで、困っている人々に「猫の手」を貸す、よろず何でも屋をすることになります。
独特の雰囲気の作品で、同じ長屋に住む面々の宗太郎に対する対応が結構面白いです。かなり突飛な設定だけど江戸の町ってだけでなんとなくこんな感じなのかなぁと納得できてしまう辺りも面白いかも。

お話は、同じ長屋の女の子がいなくなってしまう話、別宅に亡くなった奥さんの幽霊がでる?という話、宗太郎が猫に代えられてしまった経緯ととある捨て猫母子にまつわるお話の3話が収録されています。
初めの1話はそうでもないけど、あとの話はなんでもかんでも解決するという感じでもなくて少し傍観者で終わってしまって、深く踏み込まない感じのお話になっています。ちょっと雰囲気が独特かも。
ちょっと頭が固くなってたのか、伏線に気づけなくてこの話どこに向かってんだろうって結構なってしまいました。残りページ数が少なくなってってきて、どうなるんだろうなぁと思ってたら前半のアレ(もしくは前の話の人物紹介とか)が伏線で結構あっさり終わってしまったり。英国茶屋(だったかな?紫陽花茶房へようこそでした)の話もそうだけど、かたやまさんのお話は終わりはあっさりというのが多いかもしれません。

個人的には面白かったです。不思議絵師が2冊でて、また江戸の町のお話の本が出せたということは結構需要があるものなんですかね。こういう話は好きなので不思議絵師でもいいけどまた続きが読めるといいのですが。

かたやま和華さんの小説の感想は、こちら。
楓の剣!
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不思議絵師 蓮十―江戸異聞譚
不思議絵師蓮十―江戸異聞譚〈2〉
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紫陽花茶房へようこそ~夜の茶会は英国式で~

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