小説:アルジャン・カレール -革命の英雄、或いは女王の菓子職人-〈上〉

アルジャン・カレール -革命の英雄、或いは女王の菓子職人-〈上〉  を読みました。野村美月さんの今月の新刊で、上下巻同時発売になっています。

まだ上巻しか読んでないですがキャラも立ってて面白かったです。革命戦争の英雄(というか有名な戦士?)が戦争のあと菓子職人になっていて…というのを劇作家の主人公視点で書いてる感じの小説になっています。
上巻では短編含めて4話構成ですね。
あとがきにも少し書かれてるけど、昔に何稿もチャレンジされたお話だったらしいですが、タイトルの菓子職人は無口なキャラで魅力的で感情移入できる主人公にならず、頓挫したとのこと。今回は、同時代の劇作家(ドレスな僕が~のシャールみたいなキャラ)の視点でお話が進んで行って足らない部分がスムーズに進んでく感じになっているのかもしれません。
1話が紹介回、2話が菓子職人の同居人の話、3話が劇作家が修道女に恋をしていいところを見せようとする話、4話が菓子職人の昔のお話みたいな感じになっています。ちょっと劇作家の主人公がピエロ的な役回りで、菓子職人がいいところをかっさらってく感じのパターンになってるかもしれないですね。
どの話もよかったけど、4話目の昔の話が特によかったでしょうか。作家として自信をなくした劇作家に、菓子職人が少し昔の話をするという体で、回想になるのですが、そこでの女王(になる少女)と兵士(菓子職人)のコンビがなかなかいい感じになっています。一旦革命によって国を追われた(逃げ出した)少女のもう一度王宮に戻るための動機とそれを正当化する方法論みたいなのが想像のちょっと上で素敵でよかったです。無駄に関するエピソードなんか特に。
あと、菓子職人からさわりの話聞いた劇作家の想像より現実のほうが劇的なのがちょっと笑いのツボに入りました。

巻末に下巻のおしながきが載っていて、あんまり大きなストーリーみたいなのがあるわけでもなくて、上巻と同じようにあんまり関連のないエピソードが続く形みたいな感じのようですね。

あとがきによると、菓子職人のアルジャン・カレールにはモデルになった人物がいるそうです。その人は兵士さんではなかったそうですが。バルトレオンはナポレオンなんですかね。自分で皇帝になっちゃうから違うのかな?

下巻も同時に購入したので続けて読みたいと思います。


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アルジャン・カレール -革命の英雄、或いは女王の菓子職人-〈上〉 (ファミ通文庫)


野村美月さんの小説の感想は、こちら。
アルジャン・カレール -革命の英雄、或いは女王の菓子職人-〈上〉
アルジャン・カレール -革命の英雄、或いは女王の菓子職人-〈下〉
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