小説:最良の嘘の最後のひと言

最良の嘘の最後のひと言 を読みました。河野裕さんの新刊になります。

面白かったです。続き物以外では去年読んだ(去年だったかな?)竹宮ゆゆこさんの砕け散るところを…以来の面白い小説でした。

グーグルっぽい成功を収めた企業が高額の報酬を出して、社員を募集。その条件は超能力者であること。大量の応募者なの中から最後に残った7人が18時から日付が変わるまで採用通知を奪い合う試験を行うみたいな内容にになっています。

採用されたい人やただお金を稼ぎたい人、別な目的をもって試験に臨む人など、爽快な化かし合い展開されます。

河野さん小説はどこか静かでゆったり進む作品が多いけど、この小説は動でテンポよく進む感じでした。
普段朝の通勤は北千住から(始発なので)寝て行くのですが、読み始めたら先が気になって終点まで読んでしみました。

タイトルも今風の長いだけのタイトルなのかなぁと思ったけど最後はしっくりはまる感じです。
物語の中でも登場人物、読者が2重3重にだまされるお話になっていますが、最良の嘘のところは2重に勘違いしてました。仲秋が気づく前にはああそういうことだったのかと気づいたけど。

終盤も物語が2転3転して、予想をひっくり返されてなかなか面白かったです。
一応、最後に正解編ではないですが、物語の流れを整理するみたいなお話があって綺麗にまとまっています。

巻末には大森望さんによる作品の解説半分、河野さんの紹介半分が収録されています。海外の小説(の翻訳)読むとこういう解説つくこと多いかなぁという感じの解説だったかも。

ここ半年くらい読んだ小説ではピカイチだったかも。解説の方によるとコンゲームものというジャンルになるそうですが、そういうのが好きな方は楽しめると思います。私はたぶん未見ですがスティングっていう映画はそのジャンルの作品の代表作らしいです。

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最良の嘘の最後のひと言 (創元推理文庫)
東京創元社
河野 裕

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