小説:天涯無限 アルスラーン戦記 16

天涯無限 アルスラーン戦記 16 を読みました。田中芳樹さんの新刊になります。とうとう最終巻です。

Amazonで酷評されてたので覚悟して読みましたが、それほどひどくはなかったです。なんというか中国の歴史小説とかでよくある最後はシオシオな展開だと思えばこういう展開になるのかなぁという感じ。物語の面白さはさておき。

ナルサス(とアルフリード)を失い最大の危機を迎えたアルスラーン陣営にアンドラゴラスに乗り移ったザッハークの陣営が迫るという展開。
戦記ものにありがちな終盤どんどん主要キャラがなくなって…という感じで最終決戦となるのですが…というところ。
ラストはちょっと意外なオチでした。アルスラーンという言葉に無理矢理意味付けして閉じた感はあるかも。もはやアルスラーン戦記じゃないよねというか。

クローズする方向にもっていくので仕方なかった部分もあるのかと思いますが、伏線なのかと思われた部分がなんというかばっさりねじ伏せられてくので、なんのための伏線だったのかみたいなところは多々あったかも。最初からこんな展開で終わらせるための伏線だったのか。
物語の枝葉的にはルクナバードの選択基準はなんだったのかとかザッハークが意外に小物だったり(前巻までほどの絶望感はなかった)、もうちょっとなんとかならなかったのかなぁといところはあったかも。

惜しむらくは角川文庫版までにあった物語としての面白さが新書版になってから巻を追うごとに減っていったことでしょうか。あのときの勢いのまま(とは言え間あいての刊行ではありましたが)、最後まで突っ走ってたら同じ結末でももう少し楽しめたのではないかなぁというところ。それとも当初予定通りの展開だったのか。唯一面白かったヒルメスのエピソードも最後はなんだかなぁというものになってしまったし。

とりあえずは走り続けていたわけではないでしょうけどお疲れさまですね。
銀英伝もアニメ化されるみたいだし読み直してみるかなぁ。最後読んだの何年くらい前だろうか。



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