小説:破蕾

破蕾 を読みました。冲方丁さんの新刊になりますが結構時間がたってしまいました。

官能小説とかの部類になるのですかね?短編集なのかと思ったら、3編の繋がりのあるお話が収録されていました。

・咲乱れ引廻しの花道
 奉行の与力の妻であるお咲のお話。夫を殺そうとして捕まった妻がいたのですが、さる筋の娘で死刑は免れぬものの市中引廻しは免除しろということで、身代わり立てることに。
お使いで屋敷楼を訪れたお咲でしたが(多分この話の段階では勘違いだった?)、罪人の身代わりになることに…というお話。
市中引廻しの身代わりだけなら、あんまり必然性ないのでは?という展開になりますが、もともとそういう文化があったんでしょうか、詳しくないのでよくわかりませんが。一応、あとに続くお話の伏線というかつながりにはなっている感じなのかもしれません。

・香華灯明、地獄の道連れ
 夫を殺そうして捕まった妻の話。ということで、なんか前の話とかぶってるじゃんと思ったら(短編集だと思ってたので)、前の話の捕まった妻のお話でした。名前は芳乃。
 前の話のお咲の叔父が取調べを行うことになるのですが(ということで繋がりがあったことになる)、事件の真相の前に語られる芳乃の生い立ちは…というお話。
 母の生き方に憧れて「あがり」をめざす芳乃は、意図せぬ事態に巻き込まれるも飲み込まれず逆に支配する側に回って、望んだ「あがり」に手をかけるのですが…。
 最後のオチは少し予想外というかもともとの状況とは逆だったのでちょっと意表を付かれました。

・別式女、追腹始末
 これは描き下ろしとのこと。芳乃の奉公先にいた男装の女剣士、景のお話。前の話だと後追い自殺したんじゃなかったけ?と思ったら前日譚でした。
 末の子だったので女の子としてより剣術を仕込まれた景。父の計らいで結婚することになったのですが、景には父も知らない秘密を共有する兄弟子たちがいて…というお話。
 ちょっと特殊な関係を持っていた3人でしたが、もともと世に未練のなかった二人に将軍に殉死する名目で先立たれてしまい、芳乃との出会いで再び喜びを見出して、その終わりに今度こそ殉じるみたいなお話になっています。


冲方丁さんの小説の感想は、こちら。
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