小説:薬師寺涼子の怪奇事件簿 白魔のクリスマス

薬師寺涼子の怪奇事件簿 白魔のクリスマス を読みました。田中芳樹さんの新刊になります。

もともとストーリーがどうこういうようなシリーズではなかったですが、ちょっとなぁという感じの出来だったかも。
水晶宮の死神のあたりでも思ったけど、なんかもう面白い物語をゼロから作るの難しくなったのかなぁという残念なできだったかも。
そういう意味では銀河英雄伝説とかは作者に勢いがある内に完結できた幸せな作品だったのかもしれません。アルスラーンも続きがトントン出せてるうちに完結してればなぁ。

首相の肝いりで雪山の中にカジノが作られて、それの公開記念の式典のさなか、地震が発生して雪崩で会場に取り残されたしまった1万5千人の運命はいかにみたいな物語に一応なっています。涼子に連れられて泉田くんも当然現地にいて…という展開。
登場人物の行動にも特に意味や理由はなくて、なんというか思いつきを書きなぐったみたいな展開が続きます。
怪奇現象には特に理由もなく(一応取って付けたようなオチはつきますが)、なんでこいつが関わっているのかってあたりも適当に投げっぱなしな感じでオチがつき、なんとういうか物語の体を保ってない感じ。

なんというかもう原作付きの作品だけ書かれたほうがいいんじゃないですかね。中国の歴史物とか。
こちらの感性が変わった部分もあるのだとは思うけど、アルスラーン戦記なんかも中断前の部分とかは普通に今でも面白く読めるしなぁ。

なんというか昔の幻想か期待値が高い分、落胆も大きいというところでしょうか。ここ最近の新刊はそんなのばかりですが。
完結してないシリーズとかいくらぐらいあるんですかね。他の作家さんに任せたのとかもあると思うけど。
銀英伝とかも気がつくと違う出版社から新装で出版されてるみたいだし、もう新しい本書かなくても食べていけるならそれで食ってくのでもいいのかもしれないなぁという出来でした。

田中芳樹さんの小説の感想は、こちら。
魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿
薬師寺涼子の怪奇事件簿 海から何かがやってくる
ラインの虜囚
月蝕島の魔物 (Victorian Horror Adventures)
髑髏城の花嫁 (Victorian Horror Adventures 2)
水晶宮の死神 (Victorian Horror Adventures 3)
蘭陵王
アルスラーン戦記〈1〉王都炎上
アルスラーン戦記〈2〉王子二人
アルスラーン戦記〈3〉落日悲歌
アルスラーン戦記〈4〉汗血公路
アルスラーン戦記〈5〉征馬孤影
アルスラーン戦記〈6〉風塵乱舞
アルスラーン戦記〈7〉王都奪還
アルスラーン戦記〈8〉仮面兵団
アルスラーン戦記〈9〉旌旗流転
アルスラーン戦記〈10〉妖雲群行
アルスラーン戦記読本
アルスラーン戦記〈11〉魔軍襲来
アルスラーン戦記〈12〉暗黒神殿
アルスラーン戦記〈13〉蛇王再臨
アルスラーン戦記〈14〉天鳴地動
アルスラーン戦記〈15〉戦旗不倒
アルスラーン戦記〈16〉天涯無限
タイタニア〈1〉疾風篇
タイタニア〈2〉暴風篇
タイタニア〈3〉 旋風篇
タイタニア4<烈風篇>
タイタニア5 <凄風篇>
新・水滸後伝 上巻
新・水滸後伝 下巻

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