銀河英雄伝説外伝 新たなる戦いの序曲
銀河英雄伝説外伝 新たなる戦いの序曲 を見ました。これで、私が買ったDVD BOXの外伝分はラストになります。出たときに買ったので何年かかかりましたかね。52話+劇場版3本。
これは劇場に見に行きました。今はなきテアトル池袋だったはずです。0083とか獣兵衛忍風帖とかうしおととらとか、あと創竜伝(未完成)とか銀英伝2期の1話とかも見に行ったかも。まだ駅の向かいのビルにあったころです。
お話としては、アスターテ会戦の前日譚、帝国はラインハルトが出兵されるまでの事情(ここら辺は原作でも、アニメでも描かれてなかったはず)、同盟ではティアマト会戦のあと、ヤンとラップ、ジェシカのエピソードが入ります。で、後半はアスターテ会戦ですね。
映像的な部分では1期より後発なのもあるし、劇場版でもあるのでクオリティは高いです。ノイエ版ほどではないですが。
皇帝がラインハルトにローエングラム家を継がせることについて話し合うブラウンシュバイクとリヒテンラーデ。
ブラウンシュバイクとは違い、まだリヒテンラーデはラインハルトの実力を認めいているようですが。
ティアマト会戦に勝利してオーディンに戻ったラインハルト。帝国の戦艦には大気圏に突入する能力があるのでブリュンヒルトは直接地上へ。
大敗となった同盟軍。こちらはシャトルで帰還します。
ヤンの出迎えに、ラップとジェシカが訪れていました。
二人きりで話したいというラップ。ジェシカにプロポーズすることをヤンに話します。ヤンは幸せにしろと応じます。
ちょっとやり取り(映画は無音だけど)ありつつ、プロポーズは成功。お祝いとなります。ここでもいろいろ残された想いはありつつですね。
アンネローゼの元で一時の休暇を楽しむラインハルトたちでしたが、その裏では上級大将へ昇進し、ローエングラム家を継ぐことに対する門閥貴族の不満を黙らせるため、ラインハルトの出兵命令が決められることに。
一方、同盟ではトリューニヒトの有り難い訓示に、ヤンたちがつきあわされることに。
トリューニヒト「なるほど、君があのエル・ファシルの英雄か。君にとっての必勝の戦略とはどいういうものかね?後の参考のために是非きかせてくれないか?」
ヤン「まず、敵に対して少なくとも6倍の兵力を揃え、補給と整備を完全に行い、司令官の意思を過たずに伝達することです。勝敗などというものは戦場の外で決まるものです。戦術はしょせん、戦略の完成を技術的に補佐するものでしかありません。」
トリューニヒト「なかなかに卓見だが、すると君たち軍人の戦場における能力は問題にならないのかね?」
ヤン「戦略的条件が互角であれば、無論、軍人の能力は重要です。ですが、多少の能力差はまず数量によって補いがついてしまいます。」
トリューニヒト「戦いは数でするものではない、とは考えないのかね?」
ヤン「そんな考えは数を揃えることができなかったものの自己正当化に過ぎません。少数が多数に勝つのは異常なことです。そのような奇跡を最初から当てにされて戦争を始められたら前線に立つものはたまったものではありません。」
アッテンボロー「トリューニヒトの巧言令色は聞き飽きましたよ。口でいうほど愛国心があるんだったら自分で前線に出てみればいいんですよ。知ってます?あいつ、兵役のときも後方勤務を志願してこの惑星を一歩もでなかったそうですよ。」
ヤン「ありそうな話だね。戦場から離れるほど、人は好戦的になる。さっさと退役して、あんなやつに敬礼しなくて済むようになりたいなぁ。」
アッテンボロー「先輩の十八番がまた始まりましたな。嫌なことがあるとすぐ退役するとおっしゃる。」
ヤン「別に嫌なことがなくても退役したがっているさ。」
アッテンボロー「陰日向なくですか?」
ヤン「まあ、常識的に考えてしばらく大規模な侵攻はないだろう。この平和な時を利用して年金がつくまでの時間をたっぷりと稼がせてもらうことにするさ。」
しかし、ヤンの期待を裏切り、前述のとおり、帝国には帝国の事情があり、ラインハルトに出陣の命令が届きます。
勝利して、元帥号を獲得することを確信するラインハルト。
ブラウンシュバイクの暗躍、軍部の事情があって、艦隊の両翼たるロイエンタール、ミッターマイヤー、参謀のメックリンガー、艦長のシュタインメッツまで麾下から外されてしまいます。
ラインハルト「どうした?負けることは考えないのか、と言いたそうだな。」
キルヒアイス「ラインハルト様もお人が悪い……。ラインハルト様!これは!…艦長まで異動するのですか!この人事はいったい…!」
ラインハルト「ようするに俺の手足をもぎ取ったつもりなのさ。誰の差し金かな?」
キルヒアイス「お怒りにならないのですか?」
ラインハルト「怒っているさ、だがそれ以上に安心している。キルヒアイスが異動させられなかったからな。お前さえ居てくれれば何も恐れるものはない。」
キルヒアイス「ラインハルト様…!」
ラインハルト「負けなどするものか。俺とお前が共に戦う限り!この宇宙を手に入れるまではな!」
異動させられた面々。今度のラインハルトの下にはロクなのがいないとぼやきます。
メックリンガー「もう一人のファーレンハイト少将は、問題児だと評判ですな。下級貴族の出身ですが、食うために軍人になったと常々公言しているような御仁です。能力はあるようですが、その分自らの力のみを頼む傾向にあると聞いております。」
ミッターマイヤー「これでは手足を折られた上で重りのついた鎖で縛られたようなものではないか。」
ロイエンタール「そうは言っても、今回は我々にはどうすることもできん。あの方を信じるだけだ。」
さらにフレーゲルの入れ知恵で、今回の出兵計画をフェザーン経由で同盟に流すことに。
どうでもいいけど、ラインハルト以外のメルカッツやシュターデンとかも捨て駒なんでしょうか。
最近帝国が勝ちすぎてるということで、ルビンスキーもそのまま情報を同盟に流させます。
トリューニヒト「敵の総数は2万隻だということだ。6倍は無理だが倍の4万隻、3個艦隊も出せば十分だろう。」
シトレ「6倍?なんのことだ?」
キャゼルヌ「余計なことをいったものがいるようで…」
キャゼルヌ「…それで国防委員長閣下に余計なことを吹き込んだ張本人に責任を取らせようということになってな。」
ヤン「まさか…。本当にそれで第2艦隊に出動命令が?」
実際はパエッタが無駄に名誉回復の機会を強く求めたからということのようです。
今回は楽勝だろうということで、国防委員長が手柄をたてさせたい司令官が選ばれたとのこと。
侵攻命令を受けるラインハルト。皇帝から無駄に圧力を受けます。
フリードリヒ「この上の華やかな武勲があれば、口うるさい宮廷の老臣どももそなたがローエングラム伯爵家を継いだことに不満を申したりもすまい。爵位や地位は功績の結果というのが彼らの主張でな。ふっふっふっ、伯爵家など誰が継ぎ、誰が絶やそうと大したことではないのだが。大したことだと思いこんでいる輩のなんと多いことよ。どうかな?余はこうも思うのだ。そなたはいっそ、公爵にしてやろうかと。」
ラインハルト「公爵、でございますか?はっ(思わず皇帝を見上げてしまう)、ありがたき仰せながら臣にとっては伯爵でさえ身に余る地位でございます。公爵など言わば雲の上の身分、臣の手の届くところではございません。」
フリードリヒ「そうか、そう思うか。公爵どころか伯爵でさえ身に余ると?」
ラインハルト「御意でございます陛下。」
フリードリヒ「雲の上の身分に思えるか。皇帝は公爵より偉いのだ、ということに世の中ではなっている。卿もそう思うか?」
ラインハルト「はい。」
フリードリヒ「はっはっはっ、卿もそう思うか。では差し当たり精錬して伯爵の地位位を固めるが良い。そして、そのあとはまた別のものを目指すのだな。」
同盟も出兵です。
ユリアン「准将、前線でも食事に気をつけてくださいよ。いくら忙しくてもきちんととらないとダメですからね。」
ヤン「大丈夫だよ!そんなに仕事しないから!」
ラップはジェシカに帰ってきたら新居を探そうと死亡フラグをたてます。さらにお守り代わりにハンカチをもらう二段構え。
2倍の兵力をそろえても運用を間違うとと心配のヤンにラップは少し能天気に返します。
前段はここまで。アスターテ会戦のスタートです。
同盟はダゴン殲滅戦をなぞろうと3方向からの包囲戦を試みます。
一方、帝国軍の提督たちは不利(に見える)状況に、ラインハルトの元に陳情へ。
ラインハルト「撤退など思いもよらぬことだ。」
シュターデン「なぜです!?理由をお聞かせ願いたい!「
ラインハルト「我々が敵より圧倒的に有利な体制にあるからだ。」
包囲網は完成していなのだとラインハルト。ファーレンハイトはこの作戦に興味を示しますが他の提督は理解できません。
メルカッツが少し理解を示しているくらいでしょうか。
シュターデン「あのような机上の空論が戦場で通用するものか!」
お前が言うな!と突っ込みたいところでファーレンハイトがしっかり突っ込みます。
ファーレンハイト「ふっふっ、理屈倒れのシュターデンが机上の空論呼ばわりとはな。」
ザンデルス「では、やはり?」
ファーレンハイト「マイナスのマイナスはプラスかもしれんぞ。
ザンデルス「はっ!」
ファーレンハイト「発想の転換、結構!面白いじゃないか。」
ファーレンハイトがこの作戦に好意的なことに気付いたキルヒアイスは彼を先鋒につけることを進言。ラインハルトもそれを受け入れます。
パエッタ「君の提出した作戦案を見た。」
ヤン「はぁ。」
パエッタ「なかなか興味深い案だった。しかし、慎重に過ぎていささか消極的ではないかな?」
ヤン「そうでしょうか?」
パエッタ「君自身が記している通り確かに負けがたい作戦案ではある。しかし、負けないだけでは意味がない。我軍は敵を3方から包囲している。しかも2倍の兵力でだ。この上なぜ負けない算段をしなければならないのだね。」
ヤン「ですが、まだ包囲網が完成しているわけではありません。」
パエッタ「とにかく!この作戦案は却下する。言っておくが君に含むところがあるわけではないぞ。」
そのお言葉だけで十分ですはないですね。
残念ながら帝国軍はパエッタの予想通りには動きません。仕方なく次善の策を用意し始めるヤン。
まずは、中央の第4艦隊が狙われます。
ここは単純に数が多く、機先を制した帝国軍が一方的に勝利をおさめます。
ファーレンハイト「誰の手柄になるにせよ、まずは勝つことだ!」
味方の射線に入り込んでしまいもろとも打たれて誘爆してしまう同盟の艦艇。
パストーレ「な、なにをやっておるのだ!」
ファーレンハイト「なにをやっていやがる。」
パエッタ「ヤン准将!貴官はこの事態をどう見る?意見を言ってみたまえ!」
ヤン「やはり敵は各個撃破にでてきたということでしょう。まず、正面の第4艦隊を狙ったのは当然の選択です。第4艦隊はもっとも数が少なく、残る第6艦隊と我が艦隊はもっとも遠いので、敵とすれば第4艦隊を打ち破った後でも、我々が合流するより早くどちらかの艦隊と対することができますから。」
パエッタ「だが、第4艦隊もそう簡単には…。」
ヤン「両軍は正面から衝突したと推測されます。敵の2万隻に対して第4艦隊は1万2千隻。勝敗は自ずから明らかです。」
パエッタ「ならば、なおのこと戦場に急行して第4艦隊を救援しなければならん!うまく行けば帝国軍の後背も突くことができる。」
ヤン「恐らく無理でしょう。」
パエッタ「どういう意味だ!」
ヤン「我々が到着する前に戦闘は終わっているでしょう。敵はいち早く戦場を離脱して我々と第6艦隊が合流する前にいずれかの背後に回って攻撃をかけてくるはずです。」
パエッタ「では、どうしろというのだ!」
ヤン「第2、第6艦隊は最短距離を通って合流し、その宙域に新戦場を設定するのです。両艦隊を合わせれば2万3千隻。2万の敵と互角以上の戦いができます。」
パエッタ「では君は第4艦隊を見殺しにしろというのか!」
ヤン「今からではどうせ間に合いません。」
パエッタ「しかし、友軍の危機を放置してはおけん!」
ヤン「では、結局3艦隊いずれもが敵の各個撃破先鋒の餌食になってしまいます。」
パエッタ「そうとは限らん!第4艦隊とてむざむざ破れはすまい。彼らが持ちこたえてくれれば…。」
ヤン「無理だと、先刻も申し上げましたが。」
パエッタ「ヤン准将!現実は貴官の言うような机上の計算だけでは成立せん!敵の指揮官ローエングラム伯は若く、経験も少ない!それに比べてパストーレ中将は百戦錬磨だ!」
ヤン「ですがローエングラム伯は先の戦いの白い船の司令官です。その指揮ぶりは…」
パエッタ「もういい准将!」
第4艦隊との戦闘は勝利。掃討戦に移るか訪ねるメルカッツに、戦いはまだ1/3が終わったばかりだと告げるラインハルト。
メルカッツはラインハルトの実力を認めることに。
次は数の少ない第6艦隊へ。キルヒアイスの提案で休息の指示も。
アッテンボロー「だめですか?第4艦隊は。」
ヤン「戦う以上、犠牲が出るのは仕方がない。だが、だからこそ最小の犠牲で最大の効果を得ることに用兵というものの存在意義があるはずだ。冷酷ないいかたをすれば、用兵とは如何に効率よく味方を死なせるかということになる。うちの司令官はそのへんのことがわかっているんだろうか。」
アッテンボロー「無駄死にが一番嫌ですからね。でも、このままじゃ第6艦隊も…」
ヤン『ジャンロベール…』
そのころ第6艦隊ではラップがムーア提督に分散攻撃の愚を説いていましたが、物笑いのたねにされます。
しかし、予想外の方向から敵襲が襲いかかります。
ラップ「敵は戦場を移動したのではありませんか?どうもそう思われます。」
ムーア「第4艦隊を放置してか!?」
ラップ「申し上げにくいことですが、第4艦隊は既に敗退したと小官は予測します。」
ムーア「ん~、大胆でしかも不愉快な予想だな。少佐、油で口がなめらかになったと見える。」
後背を突かれ出遅れた同盟軍。ラップの忠告も無視したムーアは反転迎撃を命じますが、敵前で反転など自殺行為でしかなく一方的になこ殴りに会います。
キルヒアイスの提案で降伏勧告がなされますが、
ムーア「降伏だと…!バカにしおって!生きて虜囚の辱めを受けろというのか…!」
ラップ「しかし閣下!一時の汚辱にまみれても、生きてさえれば再戦の機会も得られます。ここは…!」
ムーア「貴様!命を惜しむか!かくなる上は玉砕あるのみだ!死して武人の魂を敵に見せつけてくれるわ!」
ラップ「それは無駄死にです!」
ムーア「黙れ!卑怯者め!」
ラップ「あなたは自己満足のためだけに多くの将兵を道連れにしようとしている!どちらが卑怯か!」
ムーア「反抗するか!ラップ少佐を拘束しろ!上官反抗罪だ!」
ラップ「よせ!皆!無駄死にしたいのか!つまらぬ軍事ロマンチシズムに毒されるんじゃない!」
ムーア「全艦、全速!」
これで第6艦隊もアウトです。
残りは第2艦隊のみ。準備はしてあるというヤンに、
アッテンボロー「どうするんですか?」
ヤン「手は打ってある。ただ、それを活かす機会が与えられるか…。」
アッテンボロー「じれったいなぁ。ヤン先輩にもっと権限があればいらぬ犠牲をださなくても済むだろうに。」
ヤン「軍人は命令に従う義務がある。それを越えて恣意的に行動することは許されない。そんなことをしたら少なくとも民主主義国家の軍隊ではなくなってしまう。」
後手を踏む第2艦隊。そうそうに旗艦が被弾してパエッタは負傷。ヤンが指揮を引き継ぐことに。
ヤン「全艦隊に告げる。私はパエッタ司令官の次席幕僚ヤン・ウェンリーだ。旗艦パトロクロスが被弾し、司令官は重症を負われた。司令官の命により、私が全艦隊の指揮を引継ぐ。心配するな、私の命令に従えば助かる。生還したいものは落ち着いて私の指示に従ってほしい。我々は現在のところ負けているが、要は最後の瞬間に勝っていればいいのだ。負けはしない!新たな指示を伝えるまで、各艦は当面の敵を撃破することに専念せよ。」
ラインハルト「やはりでてきたな。負けはしない、か。この期に及んでどう劣勢を挽回するつもりだ。まあいい。お手並み拝見と行こうか。」
紡錘陣形を取って中央突破を図る準備にかかります。
しかし、これはヤンが事前に予想した展開の範疇でした。対策は予めコンピュータにインプット済みのため、コンピュータに登録済みの決められた対策の指示に従うようにだけ各艦に通達をだします。
ヤン『これでうまく行かないときは。頭をかいてごまかすさ。』
ラインハルト「どうやら勝ったな。」
ヤン「どうやらうまく行きそうだ。」
ヤンのほうが一枚上手でした。同盟軍な左右に分かれて、帝国軍の後ろを取りました。ラップがやりたかったことですね。
しかし、ムーアのように無能ではなかったのでラインハルトは更に同盟軍の後ろをとるように指示を出します。
エルラッハがTV版同様、ラインハルトの指示を無視して反転迎撃を命じますが、第6艦隊同様の運命をたどります。
戦場は、お互いの後背を追い続ける円状態になりました。消耗戦になるためお互い引くしかありません。
アスターテ会戦はここで終了となります。
ラインハルトから電文が届きます。
ヤン「電文?」
アッテンボロー「『貴官の勇戦に敬意を表す。再戦の日まで壮健なれ。帝国軍上級大将フォン・ローエングラム。』以上です。」
ヤン「やれやれ、今度あったら叩き潰してやるぞ!っていうことだな。」
返信は返さず。残兵の収容を急ぎます。
帰還する帝国軍と比べて同盟は多くのやるべき仕事が残っています。
予想通りに行ったもの、行かなかったもの悲喜こもごもですが、帝国ではラインハルトが元帥号を授与。
元帥府には麾下の提督たちが揃い踏みです。
そしてヤンには第13艦隊を率いて、イゼルローン要塞の攻略の命が下ります。
というところで新たなる戦いの序曲は終了となります。
銀河英雄伝説 Blu-ray BOX スタンダードエディション 1 - 堀川亮, 広中雅志, 勝生真沙子, 潘恵子, 森功至, 若本規夫, 塩沢兼人, 富山敬, 郷田ほづみ, 石黒昇
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映像的な部分では1期より後発なのもあるし、劇場版でもあるのでクオリティは高いです。ノイエ版ほどではないですが。
皇帝がラインハルトにローエングラム家を継がせることについて話し合うブラウンシュバイクとリヒテンラーデ。
ブラウンシュバイクとは違い、まだリヒテンラーデはラインハルトの実力を認めいているようですが。
ティアマト会戦に勝利してオーディンに戻ったラインハルト。帝国の戦艦には大気圏に突入する能力があるのでブリュンヒルトは直接地上へ。
大敗となった同盟軍。こちらはシャトルで帰還します。
ヤンの出迎えに、ラップとジェシカが訪れていました。
二人きりで話したいというラップ。ジェシカにプロポーズすることをヤンに話します。ヤンは幸せにしろと応じます。
ちょっとやり取り(映画は無音だけど)ありつつ、プロポーズは成功。お祝いとなります。ここでもいろいろ残された想いはありつつですね。
アンネローゼの元で一時の休暇を楽しむラインハルトたちでしたが、その裏では上級大将へ昇進し、ローエングラム家を継ぐことに対する門閥貴族の不満を黙らせるため、ラインハルトの出兵命令が決められることに。
一方、同盟ではトリューニヒトの有り難い訓示に、ヤンたちがつきあわされることに。
トリューニヒト「なるほど、君があのエル・ファシルの英雄か。君にとっての必勝の戦略とはどいういうものかね?後の参考のために是非きかせてくれないか?」
ヤン「まず、敵に対して少なくとも6倍の兵力を揃え、補給と整備を完全に行い、司令官の意思を過たずに伝達することです。勝敗などというものは戦場の外で決まるものです。戦術はしょせん、戦略の完成を技術的に補佐するものでしかありません。」
トリューニヒト「なかなかに卓見だが、すると君たち軍人の戦場における能力は問題にならないのかね?」
ヤン「戦略的条件が互角であれば、無論、軍人の能力は重要です。ですが、多少の能力差はまず数量によって補いがついてしまいます。」
トリューニヒト「戦いは数でするものではない、とは考えないのかね?」
ヤン「そんな考えは数を揃えることができなかったものの自己正当化に過ぎません。少数が多数に勝つのは異常なことです。そのような奇跡を最初から当てにされて戦争を始められたら前線に立つものはたまったものではありません。」
アッテンボロー「トリューニヒトの巧言令色は聞き飽きましたよ。口でいうほど愛国心があるんだったら自分で前線に出てみればいいんですよ。知ってます?あいつ、兵役のときも後方勤務を志願してこの惑星を一歩もでなかったそうですよ。」
ヤン「ありそうな話だね。戦場から離れるほど、人は好戦的になる。さっさと退役して、あんなやつに敬礼しなくて済むようになりたいなぁ。」
アッテンボロー「先輩の十八番がまた始まりましたな。嫌なことがあるとすぐ退役するとおっしゃる。」
ヤン「別に嫌なことがなくても退役したがっているさ。」
アッテンボロー「陰日向なくですか?」
ヤン「まあ、常識的に考えてしばらく大規模な侵攻はないだろう。この平和な時を利用して年金がつくまでの時間をたっぷりと稼がせてもらうことにするさ。」
しかし、ヤンの期待を裏切り、前述のとおり、帝国には帝国の事情があり、ラインハルトに出陣の命令が届きます。
勝利して、元帥号を獲得することを確信するラインハルト。
ブラウンシュバイクの暗躍、軍部の事情があって、艦隊の両翼たるロイエンタール、ミッターマイヤー、参謀のメックリンガー、艦長のシュタインメッツまで麾下から外されてしまいます。
ラインハルト「どうした?負けることは考えないのか、と言いたそうだな。」
キルヒアイス「ラインハルト様もお人が悪い……。ラインハルト様!これは!…艦長まで異動するのですか!この人事はいったい…!」
ラインハルト「ようするに俺の手足をもぎ取ったつもりなのさ。誰の差し金かな?」
キルヒアイス「お怒りにならないのですか?」
ラインハルト「怒っているさ、だがそれ以上に安心している。キルヒアイスが異動させられなかったからな。お前さえ居てくれれば何も恐れるものはない。」
キルヒアイス「ラインハルト様…!」
ラインハルト「負けなどするものか。俺とお前が共に戦う限り!この宇宙を手に入れるまではな!」
異動させられた面々。今度のラインハルトの下にはロクなのがいないとぼやきます。
メックリンガー「もう一人のファーレンハイト少将は、問題児だと評判ですな。下級貴族の出身ですが、食うために軍人になったと常々公言しているような御仁です。能力はあるようですが、その分自らの力のみを頼む傾向にあると聞いております。」
ミッターマイヤー「これでは手足を折られた上で重りのついた鎖で縛られたようなものではないか。」
ロイエンタール「そうは言っても、今回は我々にはどうすることもできん。あの方を信じるだけだ。」
さらにフレーゲルの入れ知恵で、今回の出兵計画をフェザーン経由で同盟に流すことに。
どうでもいいけど、ラインハルト以外のメルカッツやシュターデンとかも捨て駒なんでしょうか。
最近帝国が勝ちすぎてるということで、ルビンスキーもそのまま情報を同盟に流させます。
トリューニヒト「敵の総数は2万隻だということだ。6倍は無理だが倍の4万隻、3個艦隊も出せば十分だろう。」
シトレ「6倍?なんのことだ?」
キャゼルヌ「余計なことをいったものがいるようで…」
キャゼルヌ「…それで国防委員長閣下に余計なことを吹き込んだ張本人に責任を取らせようということになってな。」
ヤン「まさか…。本当にそれで第2艦隊に出動命令が?」
実際はパエッタが無駄に名誉回復の機会を強く求めたからということのようです。
今回は楽勝だろうということで、国防委員長が手柄をたてさせたい司令官が選ばれたとのこと。
侵攻命令を受けるラインハルト。皇帝から無駄に圧力を受けます。
フリードリヒ「この上の華やかな武勲があれば、口うるさい宮廷の老臣どももそなたがローエングラム伯爵家を継いだことに不満を申したりもすまい。爵位や地位は功績の結果というのが彼らの主張でな。ふっふっふっ、伯爵家など誰が継ぎ、誰が絶やそうと大したことではないのだが。大したことだと思いこんでいる輩のなんと多いことよ。どうかな?余はこうも思うのだ。そなたはいっそ、公爵にしてやろうかと。」
ラインハルト「公爵、でございますか?はっ(思わず皇帝を見上げてしまう)、ありがたき仰せながら臣にとっては伯爵でさえ身に余る地位でございます。公爵など言わば雲の上の身分、臣の手の届くところではございません。」
フリードリヒ「そうか、そう思うか。公爵どころか伯爵でさえ身に余ると?」
ラインハルト「御意でございます陛下。」
フリードリヒ「雲の上の身分に思えるか。皇帝は公爵より偉いのだ、ということに世の中ではなっている。卿もそう思うか?」
ラインハルト「はい。」
フリードリヒ「はっはっはっ、卿もそう思うか。では差し当たり精錬して伯爵の地位位を固めるが良い。そして、そのあとはまた別のものを目指すのだな。」
同盟も出兵です。
ユリアン「准将、前線でも食事に気をつけてくださいよ。いくら忙しくてもきちんととらないとダメですからね。」
ヤン「大丈夫だよ!そんなに仕事しないから!」
ラップはジェシカに帰ってきたら新居を探そうと死亡フラグをたてます。さらにお守り代わりにハンカチをもらう二段構え。
2倍の兵力をそろえても運用を間違うとと心配のヤンにラップは少し能天気に返します。
前段はここまで。アスターテ会戦のスタートです。
同盟はダゴン殲滅戦をなぞろうと3方向からの包囲戦を試みます。
一方、帝国軍の提督たちは不利(に見える)状況に、ラインハルトの元に陳情へ。
ラインハルト「撤退など思いもよらぬことだ。」
シュターデン「なぜです!?理由をお聞かせ願いたい!「
ラインハルト「我々が敵より圧倒的に有利な体制にあるからだ。」
包囲網は完成していなのだとラインハルト。ファーレンハイトはこの作戦に興味を示しますが他の提督は理解できません。
メルカッツが少し理解を示しているくらいでしょうか。
シュターデン「あのような机上の空論が戦場で通用するものか!」
お前が言うな!と突っ込みたいところでファーレンハイトがしっかり突っ込みます。
ファーレンハイト「ふっふっ、理屈倒れのシュターデンが机上の空論呼ばわりとはな。」
ザンデルス「では、やはり?」
ファーレンハイト「マイナスのマイナスはプラスかもしれんぞ。
ザンデルス「はっ!」
ファーレンハイト「発想の転換、結構!面白いじゃないか。」
ファーレンハイトがこの作戦に好意的なことに気付いたキルヒアイスは彼を先鋒につけることを進言。ラインハルトもそれを受け入れます。
パエッタ「君の提出した作戦案を見た。」
ヤン「はぁ。」
パエッタ「なかなか興味深い案だった。しかし、慎重に過ぎていささか消極的ではないかな?」
ヤン「そうでしょうか?」
パエッタ「君自身が記している通り確かに負けがたい作戦案ではある。しかし、負けないだけでは意味がない。我軍は敵を3方から包囲している。しかも2倍の兵力でだ。この上なぜ負けない算段をしなければならないのだね。」
ヤン「ですが、まだ包囲網が完成しているわけではありません。」
パエッタ「とにかく!この作戦案は却下する。言っておくが君に含むところがあるわけではないぞ。」
そのお言葉だけで十分ですはないですね。
残念ながら帝国軍はパエッタの予想通りには動きません。仕方なく次善の策を用意し始めるヤン。
まずは、中央の第4艦隊が狙われます。
ここは単純に数が多く、機先を制した帝国軍が一方的に勝利をおさめます。
ファーレンハイト「誰の手柄になるにせよ、まずは勝つことだ!」
味方の射線に入り込んでしまいもろとも打たれて誘爆してしまう同盟の艦艇。
パストーレ「な、なにをやっておるのだ!」
ファーレンハイト「なにをやっていやがる。」
パエッタ「ヤン准将!貴官はこの事態をどう見る?意見を言ってみたまえ!」
ヤン「やはり敵は各個撃破にでてきたということでしょう。まず、正面の第4艦隊を狙ったのは当然の選択です。第4艦隊はもっとも数が少なく、残る第6艦隊と我が艦隊はもっとも遠いので、敵とすれば第4艦隊を打ち破った後でも、我々が合流するより早くどちらかの艦隊と対することができますから。」
パエッタ「だが、第4艦隊もそう簡単には…。」
ヤン「両軍は正面から衝突したと推測されます。敵の2万隻に対して第4艦隊は1万2千隻。勝敗は自ずから明らかです。」
パエッタ「ならば、なおのこと戦場に急行して第4艦隊を救援しなければならん!うまく行けば帝国軍の後背も突くことができる。」
ヤン「恐らく無理でしょう。」
パエッタ「どういう意味だ!」
ヤン「我々が到着する前に戦闘は終わっているでしょう。敵はいち早く戦場を離脱して我々と第6艦隊が合流する前にいずれかの背後に回って攻撃をかけてくるはずです。」
パエッタ「では、どうしろというのだ!」
ヤン「第2、第6艦隊は最短距離を通って合流し、その宙域に新戦場を設定するのです。両艦隊を合わせれば2万3千隻。2万の敵と互角以上の戦いができます。」
パエッタ「では君は第4艦隊を見殺しにしろというのか!」
ヤン「今からではどうせ間に合いません。」
パエッタ「しかし、友軍の危機を放置してはおけん!」
ヤン「では、結局3艦隊いずれもが敵の各個撃破先鋒の餌食になってしまいます。」
パエッタ「そうとは限らん!第4艦隊とてむざむざ破れはすまい。彼らが持ちこたえてくれれば…。」
ヤン「無理だと、先刻も申し上げましたが。」
パエッタ「ヤン准将!現実は貴官の言うような机上の計算だけでは成立せん!敵の指揮官ローエングラム伯は若く、経験も少ない!それに比べてパストーレ中将は百戦錬磨だ!」
ヤン「ですがローエングラム伯は先の戦いの白い船の司令官です。その指揮ぶりは…」
パエッタ「もういい准将!」
第4艦隊との戦闘は勝利。掃討戦に移るか訪ねるメルカッツに、戦いはまだ1/3が終わったばかりだと告げるラインハルト。
メルカッツはラインハルトの実力を認めることに。
次は数の少ない第6艦隊へ。キルヒアイスの提案で休息の指示も。
アッテンボロー「だめですか?第4艦隊は。」
ヤン「戦う以上、犠牲が出るのは仕方がない。だが、だからこそ最小の犠牲で最大の効果を得ることに用兵というものの存在意義があるはずだ。冷酷ないいかたをすれば、用兵とは如何に効率よく味方を死なせるかということになる。うちの司令官はそのへんのことがわかっているんだろうか。」
アッテンボロー「無駄死にが一番嫌ですからね。でも、このままじゃ第6艦隊も…」
ヤン『ジャンロベール…』
そのころ第6艦隊ではラップがムーア提督に分散攻撃の愚を説いていましたが、物笑いのたねにされます。
しかし、予想外の方向から敵襲が襲いかかります。
ラップ「敵は戦場を移動したのではありませんか?どうもそう思われます。」
ムーア「第4艦隊を放置してか!?」
ラップ「申し上げにくいことですが、第4艦隊は既に敗退したと小官は予測します。」
ムーア「ん~、大胆でしかも不愉快な予想だな。少佐、油で口がなめらかになったと見える。」
後背を突かれ出遅れた同盟軍。ラップの忠告も無視したムーアは反転迎撃を命じますが、敵前で反転など自殺行為でしかなく一方的になこ殴りに会います。
キルヒアイスの提案で降伏勧告がなされますが、
ムーア「降伏だと…!バカにしおって!生きて虜囚の辱めを受けろというのか…!」
ラップ「しかし閣下!一時の汚辱にまみれても、生きてさえれば再戦の機会も得られます。ここは…!」
ムーア「貴様!命を惜しむか!かくなる上は玉砕あるのみだ!死して武人の魂を敵に見せつけてくれるわ!」
ラップ「それは無駄死にです!」
ムーア「黙れ!卑怯者め!」
ラップ「あなたは自己満足のためだけに多くの将兵を道連れにしようとしている!どちらが卑怯か!」
ムーア「反抗するか!ラップ少佐を拘束しろ!上官反抗罪だ!」
ラップ「よせ!皆!無駄死にしたいのか!つまらぬ軍事ロマンチシズムに毒されるんじゃない!」
ムーア「全艦、全速!」
これで第6艦隊もアウトです。
残りは第2艦隊のみ。準備はしてあるというヤンに、
アッテンボロー「どうするんですか?」
ヤン「手は打ってある。ただ、それを活かす機会が与えられるか…。」
アッテンボロー「じれったいなぁ。ヤン先輩にもっと権限があればいらぬ犠牲をださなくても済むだろうに。」
ヤン「軍人は命令に従う義務がある。それを越えて恣意的に行動することは許されない。そんなことをしたら少なくとも民主主義国家の軍隊ではなくなってしまう。」
後手を踏む第2艦隊。そうそうに旗艦が被弾してパエッタは負傷。ヤンが指揮を引き継ぐことに。
ヤン「全艦隊に告げる。私はパエッタ司令官の次席幕僚ヤン・ウェンリーだ。旗艦パトロクロスが被弾し、司令官は重症を負われた。司令官の命により、私が全艦隊の指揮を引継ぐ。心配するな、私の命令に従えば助かる。生還したいものは落ち着いて私の指示に従ってほしい。我々は現在のところ負けているが、要は最後の瞬間に勝っていればいいのだ。負けはしない!新たな指示を伝えるまで、各艦は当面の敵を撃破することに専念せよ。」
ラインハルト「やはりでてきたな。負けはしない、か。この期に及んでどう劣勢を挽回するつもりだ。まあいい。お手並み拝見と行こうか。」
紡錘陣形を取って中央突破を図る準備にかかります。
しかし、これはヤンが事前に予想した展開の範疇でした。対策は予めコンピュータにインプット済みのため、コンピュータに登録済みの決められた対策の指示に従うようにだけ各艦に通達をだします。
ヤン『これでうまく行かないときは。頭をかいてごまかすさ。』
ラインハルト「どうやら勝ったな。」
ヤン「どうやらうまく行きそうだ。」
ヤンのほうが一枚上手でした。同盟軍な左右に分かれて、帝国軍の後ろを取りました。ラップがやりたかったことですね。
しかし、ムーアのように無能ではなかったのでラインハルトは更に同盟軍の後ろをとるように指示を出します。
エルラッハがTV版同様、ラインハルトの指示を無視して反転迎撃を命じますが、第6艦隊同様の運命をたどります。
戦場は、お互いの後背を追い続ける円状態になりました。消耗戦になるためお互い引くしかありません。
アスターテ会戦はここで終了となります。
ラインハルトから電文が届きます。
ヤン「電文?」
アッテンボロー「『貴官の勇戦に敬意を表す。再戦の日まで壮健なれ。帝国軍上級大将フォン・ローエングラム。』以上です。」
ヤン「やれやれ、今度あったら叩き潰してやるぞ!っていうことだな。」
返信は返さず。残兵の収容を急ぎます。
帰還する帝国軍と比べて同盟は多くのやるべき仕事が残っています。
予想通りに行ったもの、行かなかったもの悲喜こもごもですが、帝国ではラインハルトが元帥号を授与。
元帥府には麾下の提督たちが揃い踏みです。
そしてヤンには第13艦隊を率いて、イゼルローン要塞の攻略の命が下ります。
というところで新たなる戦いの序曲は終了となります。
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