銀河英雄伝説 第1期 第3話「第十三艦隊誕生」
銀河英雄伝説 第1期 第3話「第十三艦隊誕生」を観ました。旧OVA版になります。
アスターテ会戦で相手の2倍の戦力を集めるもラインハルトにタコ殴りにあって、辛くもヤンが率いた第2艦隊だけ生き延びて…というところからの続きになります。
アスターテ会戦の戦死者の慰霊祭が執り行われる朝、ユリアンに起こされるヤン。
ユリアン「准将、そろそろお目覚めの時間ですよ。」
ヤン「う～ん、もうちょっと寝かせてくれ、ユリアン。」
ユリアン「でも、急がないと慰霊祭に間に合いませんよ。」
ヤン「いいんだ、私は行かないつもりだから。」
ユリアン「だけど、准将はアスターテ会戦の功労者じゃありませんか。出席しないわけにはいかないと思いますが？いわば主役ですから。」
ヤン「本来なら慰霊祭の主役は戦没者だよ。生き残った我々じゃない。もっとも、この慰霊祭の主役はどちらでもないからね。国防委員長のトリューニヒト閣下だ。奴のための政治ショーに出ていくなんてゴメンだね。」
トリューニヒト「何！？ヤン・ウェンリー准将が欠席？どういうことかね本部長？」
シトレ「アスターテ会戦で受けた傷と疲労がまだ回復していないとのことです。」
トリューニヒト「ほぉー、そんなに重症とは知らなかった…。それはいけないね、十分に養生するようにトリューニヒトが言っていたと伝えて置いてくれたまえ。」
シトレとキャゼルヌが退室後、
トリューニヒト「ヤン准将が怪我などとは聞いておらんぞ！」
秘書「はい、かすり傷程度と聞いておりましたので…。」
トリューニヒト「とにかく、アスターテの英雄の下りは変更だ！すぐ書き直したまえ！」
シトレ「少将、委員長閣下のありがたい仰せだ。早速ヤンに伝えてやってくれんかね。」
キャゼルヌ「は？私がですか？」
シトレ「うむ。ついでに私からの伝言だ。仮病を使っとらんで早めに本部に顔を出せとな。士官学校の頃から手口に進歩がない男だな。英雄のこんなスキャンダルは人には話せんな。」
仮病がバレています。士官学校時代の校長だったんでしたっけ？
早速、電話で伝えるキャゼルヌ。
ヤン「参りましたね。お見通しとは。」
キャゼルヌ「まあ、シトレ本部長はともかく、トリューニヒト閣下は不愉快かもしれんな。アスターテの英雄にすっぽかされては。」
ヤン「誰が英雄ですか？」
キャゼルヌ「今私と話してる人物だ。なんだニュースも見てないのか？ジャーナリズムはこぞってそう言ってるがね。」
ヤン「敗軍の将ですよ、私は。あの戦いでいったい何人死んだと思います？」
キャゼルヌ「だからこそ、英雄が必要なんだ。民衆の視線を逸らすためのな。そんな英雄にされるのが嫌なら欠席もいいだろう。もっともあの男の下品なアジ演説を長々と聞かされてはこっちまで病気になりそうだがね。それじゃ。」
ユリアン「キャゼルヌ少将も国防委員長があまりお好きではないようですね。」
ヤン「まともな神経ならトリューニヒトが好きなんて悪趣味はいないさ。」
慰霊祭ではトリューニヒトのアジ演説が盛り上がっていました。そこにジェシカが現れます。アスターテで婚約者が死んだと言われて狼狽するトリューニヒト。
ジェシカ「労って頂く必要はありません。私の婚約者は、祖国を守ってあなたが仰る崇高な死を遂げたのですから。」
トリューニヒト「…そうですか。いや、あなたは銃後の婦女子の鏡ともいうべき方だ。」
ジェシカ「ありがとうございます。私はただ委員長に一つ質問を聞いて頂きたくて参ったのです。」
トリューニヒト「ほお、それはどんな質問でしょう。私が答えられるような質問だといいのですが…。」
ジェシカ「あなたは今どこにいます？」
トリューニヒト「はぁ？なんですと？」
ジェシカ「私の婚約者は祖国を守るために戦場に行き、現在はこの世のどこにもいません。委員長！あなたはどこにいます？戦死を賛美するあなたはどこにいます！？」
トリューニヒト「お嬢さん…」
ジェシカ「あなたのご家族はどこにいます？私は婚約者を犠牲に捧げました。それなのに国民の犠牲を説くあなたのご家族はどこにいるの！？あなたの演説はそれらしく聞こえるけど、ご自分はそれを実行しているのですか！？」
トリューニヒト「警備兵！このお嬢さんは取り乱しておられる！別室へお連れしろ！」
トリューニヒト「…気の毒に。悲しみは狂気を呼ぶ…。しかし、我ら自由惑星同盟の市民諸君は悲しみに負けてはならない！狂気に身をゆだねてはならない！自由に勝利を！軍楽隊！国家を！国家の吹奏だ！」
なんとかその場をごまかすトリューニヒト。
ここまでで半分。
会場を後にしたジェシカでしたが、トリューニヒト配下の憂国騎士団に取り囲まれてしまいます。
憂国騎士団「あたなの境遇には同情を禁じえない。しかし先刻の態度は、国家に対する自己中心的な反逆であり、我々憂国騎士団にとって制裁、粛清にあたる行為である。」
そこに、同じく慰霊祭をサボっていたアッテンボローが運転する車でヤンが助けに入ります。原作ではそもそもヤンはさぼってなかったですかね。
ジェシカ「ヤン…。」
ヤン「うん？」
ジェシカ「私のこと、嫌な女だと思ったでしょうね。」
ヤン「どうして？」
ジェシカ「悲しみを黙って耐えている遺族が大部分なのに、大勢の前であんなことを叫んだりして不快に思って当然だわ。」
ヤン「いや、そんなことはないよ。誰かが言わなきゃいけなかったことだな。それは確かだよ…。」
ジェシカのホテルも先回りされていたので、とりあえずヤンの官舎へ。軍の官舎に狼藉は働かないだろうという判断でしたが憂国騎士団に取り囲まれてしまいました。実力行使されたので庭の散水機（スクリンプラー？）で反撃します。これで消防も動き出して、大事になり、憂国騎士団も撤退します。
今後も危ないのでトリューニヒトの元へなしを付けにいくヤン。ここら辺はオリジナルですね。
トリューニヒト「思ったより元気そうで何よりだね、准将。」
ヤン「個人の自由がかかっていますので、元気にならざるを得ないでしょう。」
トリューニヒト「個人の自由ね…。それは大変だ。（酒を）どうかね？」
ヤン「いえ。」
トリューニヒト「で？私に何をしろというのかね？アスターテの英雄は？」
ヤン「ジェシカ・エドワーズの安全の保証です。」
トリューニヒト「ジェシカ・エドワーズ？ああ、あの不幸なお嬢さんか。彼女がどうかしたのかね？」
ヤン「憂国騎士団に付け狙われています。」
トリューニヒト「ああ…。だが私がいくら国防委員長だといっても、そんな連中にやめろと命令できるわけではない。」
ヤン「そうでしょうね…。」
トリューニヒト「…よかろう。他ならぬアスターテの英雄の頼みだ、なんとかしよう。」
ヤン「ありがとうございます。ではこれで失礼します。マスコミを待たせていますので。」
トリューニヒト「マスコミ！？」
ヤン「閣下の美談になるでしょう、今回のことは。それでは。」
トリューニヒト「ヤン・ウェンリー准将！君には期待しているよ。」
とりあえず、この件はお開きです。
シトレの本部に呼び出されるヤン。
グリーンヒル「まあ、かけたまえ。」
シトレ「ところでだね、ヤン少将…。」
ヤン「…昇進ですか？」
シトレ「そうだ。そして新たに編成される第13艦隊の司令官に就任してもらう。」
ヤン「艦隊司令は中将を充てるのでは？」
グリーンヒル「アスターテで生き残った兵力に新兵を補充した艦隊だ。艦艇6千4百隻、人員およそ70万人、通常の約半数なのでね。」
シトレ「その最初の任務はイゼルローン要塞の攻略だ。」
ヤン「寄せ集めの半個艦隊で、あのイゼルローン要塞を落とせと？」
グリーンヒル「そうだ。」
ヤン「可能だとお考えですか？」
シトレ「君にできねば誰にもできんだろう。」
グリーンヒル「勝算はないかね？」
シトレ「これに成功すれば国防委員長の君に対する感情はどうあれ才能を認めざるをえんだろう。」
ヤン「微力を尽くします。」
ここら辺アニメだとよく事情がわからんですよね。どちらかといえばシトレにとって必要な作戦というか戦果なのですが。
ジェシカを見送りにきたヤン。ここ原作だと少し皮肉が聞いたエピソードなのですが、その後のお話もあるのかちょっと薄めですね。所詮軍人だよってところに集約してる感じなのかなぁ。その後の婦人と孫の話と。
帝都オーディンに帰還したラインハルトは、帝国元帥の称号を得た。
報告のために、姉アンネローゼを尋ねるラインハルトとキルヒアイス。
その脳裏をよぎるのは…。
次回、銀河英雄伝説 第4話 「帝国の残照」
銀河の歴史がまた1ページ…。
銀河英雄伝説 Blu-ray BOX スタンダードエディション 1 - 堀川亮, 広中雅志, 勝生真沙子, 潘恵子, 森功至, 若本規夫, 塩沢兼人, 富山敬, 郷田ほづみ, 石黒昇
今更DVDのやつのっけてもアレなのでBlu-rayのです。
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮1 第1話「エル・ファシルの英雄」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮1 第2話「英雄の新しい仕事」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮1 第3話「英雄たちの横顔」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮1 第4話「過去へのささやかな旅」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮2 第5話「時の女神に愛された男 〜第二次ティアマト会戦記I〜」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮2 第6話「英雄の死 〜第二次ティアマト会戦記II〜」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮2 第7話「喪服と軍服の間」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮2 第8話「収容所惑星」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮3 第9話「捕虜と人質」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮3 第10話「顕微鏡サイズの反乱」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮3 第11話「エコニアの英雄」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮3 第12話「過去からの糸」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮4 第13話「ひとつの旅の終わり」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮4 第14話「出口をさがす旅」
・銀河英雄伝説外伝 白銀の谷 Kap.I
・銀河英雄伝説外伝 白銀の谷 Kap.II
・銀河英雄伝説外伝 白銀の谷 Kap.III
・銀河英雄伝説外伝 白銀の谷 Kap.IV
・銀河英雄伝説外伝 叛逆者 Kap.I
・銀河英雄伝説外伝 叛逆者 Kap.II
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・銀河英雄伝説外伝 叛逆者 Kap.IV
・銀河英雄伝説外伝 決闘者 Kap.I
・銀河英雄伝説外伝 決闘者 Kap.II
・銀河英雄伝説外伝 決闘者 Kap.III
・銀河英雄伝説外伝 決闘者 Kap.IV
・銀河英雄伝説外伝 黄金の翼
・銀河英雄伝説外伝 奪還者 Kap.I
・銀河英雄伝説外伝 奪還者 Kap.II
・銀河英雄伝説外伝 奪還者 Kap.III
・銀河英雄伝説外伝 奪還者 Kap.IV
・銀河英雄伝説外伝 朝の夢、夜の歌 Kap.I
・銀河英雄伝説外伝 朝の夢、夜の歌 Kap.II
・銀河英雄伝説外伝 朝の夢、夜の歌 Kap.III
・銀河英雄伝説外伝 朝の夢、夜の歌 Kap.IV
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光1 第1話「ヴァンフリート星域の会戦」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光1 第2話「三つの赤」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光1 第3話「亡命者たち」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光1 第4話「流血の四月」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光2 第5話「危険な男」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光2 第6話「混戦始末記」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光2 第7話「初夏、風強し」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光2 第8話「伯爵家後継候補」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光3 第9話「パーティーの夜」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光3 第10話「真実は時の娘」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光3 第11話「第六次イゼルローン攻防戦」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光3 第12話「千億の星、ひとつの野心」
・銀河英雄伝説外伝 第三次ティアマト会戦 前編
・銀河英雄伝説外伝 第三次ティアマト会戦 後編
・銀河英雄伝説外伝 汚名 Kap.I
・銀河英雄伝説外伝 汚名 Kap.II
・銀河英雄伝説外伝 汚名 Kap.III
・銀河英雄伝説外伝 汚名 Kap.IV
・銀河英雄伝説外伝 わが征くは星の大海
・銀河英雄伝説外伝 新たなる戦いの序曲
・銀河英雄伝説 第1期 第1話「永遠の夜の中で」
・銀河英雄伝説 第1期 第2話「アスターテ会戦」
・銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第一章
・銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第二章
・銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第三章
・ラインの虜囚
・月蝕島の魔物 (Victorian Horror Adventures)
・髑髏城の花嫁 (Victorian Horror Adventures 2)
・水晶宮の死神 (Victorian Horror Adventures 3)
・蘭陵王
・アルスラーン戦記〈1〉王都炎上
・アルスラーン戦記〈2〉王子二人
・アルスラーン戦記〈3〉落日悲歌
・アルスラーン戦記〈4〉汗血公路
・アルスラーン戦記〈5〉征馬孤影
・アルスラーン戦記〈6〉風塵乱舞
・アルスラーン戦記〈7〉王都奪還
・アルスラーン戦記〈8〉仮面兵団
・アルスラーン戦記〈9〉旌旗流転
・アルスラーン戦記〈10〉妖雲群行
・アルスラーン戦記読本
・アルスラーン戦記〈11〉魔軍襲来
・アルスラーン戦記〈12〉暗黒神殿
・アルスラーン戦記〈13〉蛇王再臨
・アルスラーン戦記〈14〉天鳴地動
・アルスラーン戦記〈15〉戦旗不倒
・アルスラーン戦記〈16〉天涯無限
・魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿
・薬師寺涼子の怪奇事件簿 海から何かがやってくる
・薬師寺涼子の怪奇事件簿 白魔のクリスマス
・タイタニア〈1〉疾風篇
・タイタニア〈2〉暴風篇
・タイタニア〈3〉 旋風篇
・タイタニア4<烈風篇>
・タイタニア5 <凄風篇>
・新・水滸後伝 上巻
・新・水滸後伝 下巻
・創竜伝１超能力四兄弟
・創竜伝２摩天楼の四兄弟
・創竜伝３逆襲の四兄弟
・創竜伝４四兄弟脱出行
・創竜伝５蜃気楼都市
・創竜伝６染血の夢
・創竜伝７黄土のドラゴン
・創竜伝８仙境のドラゴン
・創竜伝９妖世紀のドラゴン
・創竜伝１０大英帝国最後の日
・創竜伝１１銀月王伝奇
・創竜伝１２竜王風雲録
・創竜伝１３噴火列島
・創竜伝１４<月への門>
・創竜伝15 <旅立つ日まで>
アスターテ会戦で相手の2倍の戦力を集めるもラインハルトにタコ殴りにあって、辛くもヤンが率いた第2艦隊だけ生き延びて…というところからの続きになります。
アスターテ会戦の戦死者の慰霊祭が執り行われる朝、ユリアンに起こされるヤン。
ユリアン「准将、そろそろお目覚めの時間ですよ。」
ヤン「う～ん、もうちょっと寝かせてくれ、ユリアン。」
ユリアン「でも、急がないと慰霊祭に間に合いませんよ。」
ヤン「いいんだ、私は行かないつもりだから。」
ユリアン「だけど、准将はアスターテ会戦の功労者じゃありませんか。出席しないわけにはいかないと思いますが？いわば主役ですから。」
ヤン「本来なら慰霊祭の主役は戦没者だよ。生き残った我々じゃない。もっとも、この慰霊祭の主役はどちらでもないからね。国防委員長のトリューニヒト閣下だ。奴のための政治ショーに出ていくなんてゴメンだね。」
トリューニヒト「何！？ヤン・ウェンリー准将が欠席？どういうことかね本部長？」
シトレ「アスターテ会戦で受けた傷と疲労がまだ回復していないとのことです。」
トリューニヒト「ほぉー、そんなに重症とは知らなかった…。それはいけないね、十分に養生するようにトリューニヒトが言っていたと伝えて置いてくれたまえ。」
シトレとキャゼルヌが退室後、
トリューニヒト「ヤン准将が怪我などとは聞いておらんぞ！」
秘書「はい、かすり傷程度と聞いておりましたので…。」
トリューニヒト「とにかく、アスターテの英雄の下りは変更だ！すぐ書き直したまえ！」
シトレ「少将、委員長閣下のありがたい仰せだ。早速ヤンに伝えてやってくれんかね。」
キャゼルヌ「は？私がですか？」
シトレ「うむ。ついでに私からの伝言だ。仮病を使っとらんで早めに本部に顔を出せとな。士官学校の頃から手口に進歩がない男だな。英雄のこんなスキャンダルは人には話せんな。」
仮病がバレています。士官学校時代の校長だったんでしたっけ？
早速、電話で伝えるキャゼルヌ。
ヤン「参りましたね。お見通しとは。」
キャゼルヌ「まあ、シトレ本部長はともかく、トリューニヒト閣下は不愉快かもしれんな。アスターテの英雄にすっぽかされては。」
ヤン「誰が英雄ですか？」
キャゼルヌ「今私と話してる人物だ。なんだニュースも見てないのか？ジャーナリズムはこぞってそう言ってるがね。」
ヤン「敗軍の将ですよ、私は。あの戦いでいったい何人死んだと思います？」
キャゼルヌ「だからこそ、英雄が必要なんだ。民衆の視線を逸らすためのな。そんな英雄にされるのが嫌なら欠席もいいだろう。もっともあの男の下品なアジ演説を長々と聞かされてはこっちまで病気になりそうだがね。それじゃ。」
ユリアン「キャゼルヌ少将も国防委員長があまりお好きではないようですね。」
ヤン「まともな神経ならトリューニヒトが好きなんて悪趣味はいないさ。」
慰霊祭ではトリューニヒトのアジ演説が盛り上がっていました。そこにジェシカが現れます。アスターテで婚約者が死んだと言われて狼狽するトリューニヒト。
ジェシカ「労って頂く必要はありません。私の婚約者は、祖国を守ってあなたが仰る崇高な死を遂げたのですから。」
トリューニヒト「…そうですか。いや、あなたは銃後の婦女子の鏡ともいうべき方だ。」
ジェシカ「ありがとうございます。私はただ委員長に一つ質問を聞いて頂きたくて参ったのです。」
トリューニヒト「ほお、それはどんな質問でしょう。私が答えられるような質問だといいのですが…。」
ジェシカ「あなたは今どこにいます？」
トリューニヒト「はぁ？なんですと？」
ジェシカ「私の婚約者は祖国を守るために戦場に行き、現在はこの世のどこにもいません。委員長！あなたはどこにいます？戦死を賛美するあなたはどこにいます！？」
トリューニヒト「お嬢さん…」
ジェシカ「あなたのご家族はどこにいます？私は婚約者を犠牲に捧げました。それなのに国民の犠牲を説くあなたのご家族はどこにいるの！？あなたの演説はそれらしく聞こえるけど、ご自分はそれを実行しているのですか！？」
トリューニヒト「警備兵！このお嬢さんは取り乱しておられる！別室へお連れしろ！」
トリューニヒト「…気の毒に。悲しみは狂気を呼ぶ…。しかし、我ら自由惑星同盟の市民諸君は悲しみに負けてはならない！狂気に身をゆだねてはならない！自由に勝利を！軍楽隊！国家を！国家の吹奏だ！」
なんとかその場をごまかすトリューニヒト。
ここまでで半分。
会場を後にしたジェシカでしたが、トリューニヒト配下の憂国騎士団に取り囲まれてしまいます。
憂国騎士団「あたなの境遇には同情を禁じえない。しかし先刻の態度は、国家に対する自己中心的な反逆であり、我々憂国騎士団にとって制裁、粛清にあたる行為である。」
そこに、同じく慰霊祭をサボっていたアッテンボローが運転する車でヤンが助けに入ります。原作ではそもそもヤンはさぼってなかったですかね。
ジェシカ「ヤン…。」
ヤン「うん？」
ジェシカ「私のこと、嫌な女だと思ったでしょうね。」
ヤン「どうして？」
ジェシカ「悲しみを黙って耐えている遺族が大部分なのに、大勢の前であんなことを叫んだりして不快に思って当然だわ。」
ヤン「いや、そんなことはないよ。誰かが言わなきゃいけなかったことだな。それは確かだよ…。」
ジェシカのホテルも先回りされていたので、とりあえずヤンの官舎へ。軍の官舎に狼藉は働かないだろうという判断でしたが憂国騎士団に取り囲まれてしまいました。実力行使されたので庭の散水機（スクリンプラー？）で反撃します。これで消防も動き出して、大事になり、憂国騎士団も撤退します。
今後も危ないのでトリューニヒトの元へなしを付けにいくヤン。ここら辺はオリジナルですね。
トリューニヒト「思ったより元気そうで何よりだね、准将。」
ヤン「個人の自由がかかっていますので、元気にならざるを得ないでしょう。」
トリューニヒト「個人の自由ね…。それは大変だ。（酒を）どうかね？」
ヤン「いえ。」
トリューニヒト「で？私に何をしろというのかね？アスターテの英雄は？」
ヤン「ジェシカ・エドワーズの安全の保証です。」
トリューニヒト「ジェシカ・エドワーズ？ああ、あの不幸なお嬢さんか。彼女がどうかしたのかね？」
ヤン「憂国騎士団に付け狙われています。」
トリューニヒト「ああ…。だが私がいくら国防委員長だといっても、そんな連中にやめろと命令できるわけではない。」
ヤン「そうでしょうね…。」
トリューニヒト「…よかろう。他ならぬアスターテの英雄の頼みだ、なんとかしよう。」
ヤン「ありがとうございます。ではこれで失礼します。マスコミを待たせていますので。」
トリューニヒト「マスコミ！？」
ヤン「閣下の美談になるでしょう、今回のことは。それでは。」
トリューニヒト「ヤン・ウェンリー准将！君には期待しているよ。」
とりあえず、この件はお開きです。
シトレの本部に呼び出されるヤン。
グリーンヒル「まあ、かけたまえ。」
シトレ「ところでだね、ヤン少将…。」
ヤン「…昇進ですか？」
シトレ「そうだ。そして新たに編成される第13艦隊の司令官に就任してもらう。」
ヤン「艦隊司令は中将を充てるのでは？」
グリーンヒル「アスターテで生き残った兵力に新兵を補充した艦隊だ。艦艇6千4百隻、人員およそ70万人、通常の約半数なのでね。」
シトレ「その最初の任務はイゼルローン要塞の攻略だ。」
ヤン「寄せ集めの半個艦隊で、あのイゼルローン要塞を落とせと？」
グリーンヒル「そうだ。」
ヤン「可能だとお考えですか？」
シトレ「君にできねば誰にもできんだろう。」
グリーンヒル「勝算はないかね？」
シトレ「これに成功すれば国防委員長の君に対する感情はどうあれ才能を認めざるをえんだろう。」
ヤン「微力を尽くします。」
ここら辺アニメだとよく事情がわからんですよね。どちらかといえばシトレにとって必要な作戦というか戦果なのですが。
ジェシカを見送りにきたヤン。ここ原作だと少し皮肉が聞いたエピソードなのですが、その後のお話もあるのかちょっと薄めですね。所詮軍人だよってところに集約してる感じなのかなぁ。その後の婦人と孫の話と。
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報告のために、姉アンネローゼを尋ねるラインハルトとキルヒアイス。
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・薬師寺涼子の怪奇事件簿 海から何かがやってくる
・薬師寺涼子の怪奇事件簿 白魔のクリスマス
・タイタニア〈1〉疾風篇
・タイタニア〈2〉暴風篇
・タイタニア〈3〉 旋風篇
・タイタニア4<烈風篇>
・タイタニア5 <凄風篇>
・新・水滸後伝 上巻
・新・水滸後伝 下巻
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・創竜伝２摩天楼の四兄弟
・創竜伝３逆襲の四兄弟
・創竜伝４四兄弟脱出行
・創竜伝５蜃気楼都市
・創竜伝６染血の夢
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・創竜伝８仙境のドラゴン
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・創竜伝１０大英帝国最後の日
・創竜伝１１銀月王伝奇
・創竜伝１２竜王風雲録
・創竜伝１３噴火列島
・創竜伝１４<月への門>
・創竜伝15 <旅立つ日まで>
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