銀河英雄伝説 第1期 第8話「冷徹なる義眼」

銀河英雄伝説 第1期 第8話「冷徹なる義眼」を観ました。旧OVA版になります。

銀河英雄伝説_1期_2イゼルローン攻略!.jpg

簡単に要約すると、前回のイゼルローン陥落を受けて、高級士官の生き残りとなったオーベルシュタインは責任とって詰め腹を切らせることに。
しかし、これを好機として自分をラインハルトに売り込みに行くオーベルシュタイン。軍略だけなら自分とキルヒアイスで事足りるけど、これから政略や宮廷工作、謀略なども必要だということでオーベルシュタインを引き受けることに決めるラインハルト。
結果的にですが、これがヴェスターラントの虐殺と友との別れに繋がっていってしまう感じですね。ちょっと先の話だけど。

PDVD_1239.JPGPDVD_1240.JPG

まずは歴史の復習から。宇宙に乗り出した人類でしたが、その後海賊退治とかで勇名を馳せたルドルフに権力を与えてしまい、銀河帝国が樹立。ルドルフは神聖不可侵の皇帝に。
その圧政の元、帝国を逃げだしたハイネセンにより共和主義者の国、自由惑星同盟が建国されて、イゼルローン回廊を挟んで戦争を続けることに。
そして、前回のイゼルローン攻略で、同盟側が回廊を抑えたというところからスタート。

PDVD_1241.JPG

ゼークト提督から疎まれて事前に脱出していたオーベルシュタイン。

兵士「イゼルローンが、イゼルローン要塞が落ちるなんて…そんな!」
オーベルシュタイン「うろたえるな。イゼルローンなど、いつでも取り戻せる。問題はそれを実行するのに誰を選ぶかだが…。」

PDVD_1243.JPGPDVD_1244.JPG

帝国領が外敵に侵されたという報告をしたということに、同盟は外敵ではなく帝国辺境の叛乱勢力ではなかったのか?と皮肉を飛ばすラインハルト。結局、同盟が帝国に正式に認められるのはハイネセンが落ちた後ということになりますね。
麾下の提督たちにイゼルローン陥落後の準備を命じるラインハルト。勇敢な戦闘指揮官は揃ったけど、参謀役がいないとお悩み中。

ラインハルト「勇敢で戦術能力に富んだ前線指揮官は揃えた。しかし…。」
キルヒアイス「…参謀役がいない。」
ラインハルト「ふっ、わかっていたのか。」
キルヒアイス「私にできることでしたら、何なりと…。」
ラインハルト「いや、キルヒアイスには全軍の副将として数個艦隊を統率してもらう。とても参謀役などしている余裕はない。それに…、いや、なんでもない。」

ラインハルトもキルヒアイスに腹黒い策略を巡らせることまでは考えていないということですかね。能力はともかくその精神性として無理だと。

PDVD_1242.JPG

とりあえず、生き残ったオーベルシュタインに責任をとらせる腹積もりの3長官。ただ、自分たちも無傷というわけにはいかず、辞表を提出するということに。そういえば、シュトックハウゼンってこの後の捕虜交換式で入れ替わるのですかね。帰ってもいいことはなさそうですが。そうでなくても近い将来、同盟は…ですし。

ミュッケンベルガー「当事者といえば、ゼークトの次席幕僚のオーベルシュタインがおめおめと戻っておる。とりあえずはやつに詰め腹を切らせるということで…。」
エーレンベルク「それはよいとしても…、我らも辞表を提出する必要がありそうだな。」

PDVD_1245.JPG

そんなこんなでラインハルトに助命を乞いにきたオーベルシュタイン。キルヒアイスに席を外すように要求します。AにはAの、BにはBの果たす役割があると。ここが一つこの先のターニングポイントとなってしまいました。

ラインハルト「あえてキルヒアイス中将に聞かせたくない話があるというのだな。だが私が後で話せば結局は同じことだぞ?」
オーベルシュタイン「それは無論、閣下のご自由ですが、閣下の覇業を成就させるには様々な異なるタイプの人材が必要でしょう。AにはAに向いた話、BにはBに相応しい任務というものがあると思いますが…。」
キルヒアイス「元帥閣下、私は隣室に控えておいたほうがよろしいかと…。」

とキルヒアイスは席を外します。

PDVD_1246.JPGPDVD_1247.JPG

助命を乞うオーベルシュタインを素気なくあしらうラインハルト。
オーベルシュタインは義眼を外して、本心を打ち明けます。

オーベルシュタイン「…この通り、私の両目は義眼です。弱者に生きる資格なしとした、あのルドルフ大帝の治世であればとうに抹殺されていたでしょう。おわかりですか?私は憎んでいるのです。ルドルフ大帝と彼の子孫と彼の生み出したすべてのものを。」
ラインハルト「大胆な発言だな。」
オーベルシュタイン「銀河帝国、いや、ゴールデンバウム王朝は滅びるべきです。可能であれば私自信の手で滅ぼしてやりたい。ですが、私にはその力量がありません。私にできることは、新たな覇者の登場に協力すること、ただそれだけです。帝国元帥、ローエングラム伯ラインハルト閣下。」
ラインハルト「卿は自分が何を言っているのかわかっているのか?」
オーベルシュタイン「無論です。何度でもいいましょう、ゴールデンバウム王朝は滅びるべきなのです。そして、その後新しい帝国を作る方は閣下をおいて他にいません。」
ラインハルト「キルヒアイス!オーベルシュタイン大佐を逮捕しろ!帝国に対して反逆の言質があった。帝国軍人として看過できぬ。」

PDVD_1248.JPG

隣室から飛び出したキルヒアイスに銃を向けられるオーベルシュタイン。

オーベルシュタイン「…所詮、あなたもこの程度の人か。…結構!キルヒアイス中将一人を腹心と頼んであなたの狭い道をお行きなさい。キルヒアイス中将、私を打てるか?私はこの通り丸腰だ。それでも打てるか?打てんだろう。貴官はそういう男だ。尊敬に値するがそれだけでは閣下の覇業の助けにはならん。光には必ず影が従う。しかし、お若いローエングラム伯にはまだご理解いただけぬか…。」

PDVD_1251.JPGPDVD_1252.JPG

賭けに勝ったオーベルシュタイン。キルヒアイスは、ラインハルトの命で銃を下げます。

ラインハルト「キルヒアイス。…ふん、言いたいことを言う男だな。」
オーベルシュタイン「恐縮です。」
ラインハルト「ゼークト提督からも、さぞ嫌われたことだろう。」
オーベルシュタイン「あの提督は部下の忠誠心を刺激する人ではありませんでした。」
ラインハルト「よかろう、卿を貴族共から買おう。」

この後、ラインハルト自身も決してオーベルシュタインを好いた訳ではないですが。ゼークトと違って受け入れるべき言は受け入れましたが。

PDVD_1254.JPGPDVD_1255.JPG

辞表を提出する3長官。皇帝は空いた席をラインハルトに選ばせようとしますが、ラインハルトはこれを辞退。ゼークトが死んで責任をとっているので、3長官の責任は問わぬように申し出ます。
3長官に恩を売った形のラインハルト。これを利用してオーベルシュタインの身柄を引き受けます。

PDVD_1256.JPGPDVD_1257.JPG

その後の二人の会話。

ラインハルト「どうした?キルヒアイス。何か言いたいことがありそうだな。」
キルヒアイス「おわかりでしょうに…。お人が悪い。」
ラインハルト「怒るな、オーベルシュタインを参謀にするという件だろう?」
キルヒアイス「オーベルシュタインは危険な男です。」
ラインハルト「わかっている。頭は切れるだろうが、癖がありすぎる。ゼークトごときの手におえる男ではなかったのだ。」
キルヒアイス「ラインハルト様のお手にはおえるのですか?」
ラインハルト「そうだな…。私はあの男に友情や忠誠心を期待してはいない。あの男は私を利用しようとしているだけだ。自分自身の目的を果たすためにな。だから、私もオーベルシュタインの頭脳を利用する。オーベルシュタイン一人を御し得ないで宇宙の覇権を望むなど不可能だと思わないか?」

PDVD_1258.JPG

残務があるので退出するキルヒアイス。入れ替わりに入出するオーベルシュタイン。
ラインハルト『我々の目的のためにオーベルシュタインを利用するだけだ。』
キルヒアイス『我々の目的、か…。』

PDVD_1259.JPGPDVD_1260.JPG

十八番の回想シーンへ。貴族が狼藉を働こうとするところを(ラインハルトが)殴り倒して逃げる二人。恐らくアンネローゼの件と重なったのでしょう。

ラインハルト「あんなやつら…。あいつらは人を何だと思ってるんだ!支配するのが当たり前だという顔をしてやがる!人から奪うことを、人を踏みつけることも自分たちには許された特権だとでも言うのか!あいつら腐りきっている!この帝国は腐りきっている…。」
キルヒアイス「ラインハルト様っ!」
ラインハルト「俺があのルドルフを許せなく思うのは皇帝になって何をしたかだ。自分に媚びへつらうものを貴族に据えた、その結果があの体たらくだ。こう考えたことはないか?キルヒアイス。ゴールデンバウム王朝は人類の発生と共に存在したわけじゃない。あのルドルフが作ってからたかだか500年だ。」
キルヒアイス「ええ。」
ラインハルト「その前は皇帝などおらず、ゴールデンバウム家もただの一市民に過ぎなかったということだ。元々ルドルフは成り上がりの野心家に過ぎなかった。それが時流に乗って神聖不可侵の皇帝などになりおおせたのだ。」
キルヒアイス「ラインハルト様!」
ラインハルト「キルヒアイス。」
キルヒアイス「…はい。」

PDVD_1261.JPGPDVD_1263.JPG

そして誓いの言葉が交わされます。

ラインハルト「あのルドルフに可能だったことが、俺に不可能だと思うか?」
キルヒアイス「はっ」
ラインハルト「大丈夫、誰もいない。」
キルヒアイス「ラインハルト様、そのようなことを口にされては…。」
ラインハルト「大丈夫だ、キルヒアイス。お前だけだ。どうだ、不可能だと思うか?」
キルヒアイス『やるかもしれない。この人なら…。』
ラインハルト「一緒に来い!キルヒアイス。二人で宇宙を手に入れるんだ!」
キルヒアイス「宇宙を手にお入れ下さい、ラインハルト様。そして…。」

PDVD_1264.JPG

そして最後に皇帝とリヒテンラーデ。ラインハルトを厚遇しすぎると遠回しに注進にきます。

フリードリヒ「どうせ滅びるなら、せいぜい華麗に滅びるがよいのだ…。」

というわけで今回はここまで。次回も帝国のターンですね。

PDVD_1265.JPG

銀河帝国の歴史は血で血を洗う政治抗争の歴史であった。
今、ラインハルトとキルヒアイスはその一つの争いに巻き込まれる。

次回、銀河英雄伝説 第9話 「クロプシュトック事件」
銀河の歴史がまた1ページ…。

銀河英雄伝説 Blu-ray BOX スタンダードエディション 1 - 堀川亮, 広中雅志, 勝生真沙子, 潘恵子, 森功至, 若本規夫, 塩沢兼人, 富山敬, 郷田ほづみ, 石黒昇
銀河英雄伝説 Blu-ray BOX スタンダードエディション 1 - 堀川亮, 広中雅志, 勝生真沙子, 潘恵子, 森功至, 若本規夫, 塩沢兼人, 富山敬, 郷田ほづみ, 石黒昇
今更DVDのやつのっけてもアレなのでBlu-rayのです。

銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮1 第1話「エル・ファシルの英雄」
銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮1 第2話「英雄の新しい仕事」
銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮1 第3話「英雄たちの横顔」
銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮1 第4話「過去へのささやかな旅」
銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮2 第5話「時の女神に愛された男 〜第二次ティアマト会戦記I〜」
銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮2 第6話「英雄の死 〜第二次ティアマト会戦記II〜」
銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮2 第7話「喪服と軍服の間」
銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮2 第8話「収容所惑星」
銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮3 第9話「捕虜と人質」
銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮3 第10話「顕微鏡サイズの反乱」
銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮3 第11話「エコニアの英雄」
銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮3 第12話「過去からの糸」
銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮4 第13話「ひとつの旅の終わり」
銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮4 第14話「出口をさがす旅」
銀河英雄伝説外伝 白銀の谷 Kap.I
銀河英雄伝説外伝 白銀の谷 Kap.II
銀河英雄伝説外伝 白銀の谷 Kap.III
銀河英雄伝説外伝 白銀の谷 Kap.IV
銀河英雄伝説外伝 叛逆者 Kap.I
銀河英雄伝説外伝 叛逆者 Kap.II
銀河英雄伝説外伝 叛逆者 Kap.III
銀河英雄伝説外伝 叛逆者 Kap.IV
銀河英雄伝説外伝 決闘者 Kap.I
銀河英雄伝説外伝 決闘者 Kap.II
銀河英雄伝説外伝 決闘者 Kap.III
銀河英雄伝説外伝 決闘者 Kap.IV
銀河英雄伝説外伝 黄金の翼
銀河英雄伝説外伝 奪還者 Kap.I
銀河英雄伝説外伝 奪還者 Kap.II
銀河英雄伝説外伝 奪還者 Kap.III
銀河英雄伝説外伝 奪還者 Kap.IV
銀河英雄伝説外伝 朝の夢、夜の歌 Kap.I
銀河英雄伝説外伝 朝の夢、夜の歌 Kap.II
銀河英雄伝説外伝 朝の夢、夜の歌 Kap.III
銀河英雄伝説外伝 朝の夢、夜の歌 Kap.IV
銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光1 第1話「ヴァンフリート星域の会戦」
銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光1 第2話「三つの赤」
銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光1 第3話「亡命者たち」
銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光1 第4話「流血の四月」
銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光2 第5話「危険な男」
銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光2 第6話「混戦始末記」
銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光2 第7話「初夏、風強し」
銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光2 第8話「伯爵家後継候補」
銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光3 第9話「パーティーの夜」
銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光3 第10話「真実は時の娘」
銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光3 第11話「第六次イゼルローン攻防戦」
銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光3 第12話「千億の星、ひとつの野心」
銀河英雄伝説外伝 第三次ティアマト会戦 前編
銀河英雄伝説外伝 第三次ティアマト会戦 後編
銀河英雄伝説外伝 汚名 Kap.I
銀河英雄伝説外伝 汚名 Kap.II
銀河英雄伝説外伝 汚名 Kap.III
銀河英雄伝説外伝 汚名 Kap.IV
銀河英雄伝説外伝 わが征くは星の大海
銀河英雄伝説外伝 新たなる戦いの序曲

銀河英雄伝説 第1期 第1話「永遠の夜の中で」
銀河英雄伝説 第1期 第2話「アスターテ会戦」
銀河英雄伝説 第1期 第3話「第十三艦隊誕生」
銀河英雄伝説 第1期 第4話「帝国の残照」
銀河英雄伝説 第1期 第5話「カストロプ動乱」
銀河英雄伝説 第1期 第6話「薔薇の騎士」
銀河英雄伝説 第1期 第7話「イゼルローン攻略!」

銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第一章
銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第二章
銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第三章

ラインの虜囚
月蝕島の魔物 (Victorian Horror Adventures)
髑髏城の花嫁 (Victorian Horror Adventures 2)
水晶宮の死神 (Victorian Horror Adventures 3)
蘭陵王
アルスラーン戦記〈1〉王都炎上
アルスラーン戦記〈2〉王子二人
アルスラーン戦記〈3〉落日悲歌
アルスラーン戦記〈4〉汗血公路
アルスラーン戦記〈5〉征馬孤影
アルスラーン戦記〈6〉風塵乱舞
アルスラーン戦記〈7〉王都奪還
アルスラーン戦記〈8〉仮面兵団
アルスラーン戦記〈9〉旌旗流転
アルスラーン戦記〈10〉妖雲群行
アルスラーン戦記読本
アルスラーン戦記〈11〉魔軍襲来
アルスラーン戦記〈12〉暗黒神殿
アルスラーン戦記〈13〉蛇王再臨
アルスラーン戦記〈14〉天鳴地動
アルスラーン戦記〈15〉戦旗不倒
アルスラーン戦記〈16〉天涯無限
魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿
薬師寺涼子の怪奇事件簿 海から何かがやってくる
薬師寺涼子の怪奇事件簿 白魔のクリスマス
タイタニア〈1〉疾風篇
タイタニア〈2〉暴風篇
タイタニア〈3〉 旋風篇
タイタニア4<烈風篇>
タイタニア5 <凄風篇>
新・水滸後伝 上巻
新・水滸後伝 下巻
創竜伝1超能力四兄弟
創竜伝2摩天楼の四兄弟
創竜伝3逆襲の四兄弟
創竜伝4四兄弟脱出行
創竜伝5蜃気楼都市
創竜伝6染血の夢
創竜伝7黄土のドラゴン
創竜伝8仙境のドラゴン
創竜伝9妖世紀のドラゴン
創竜伝10大英帝国最後の日
創竜伝11銀月王伝奇
創竜伝12竜王風雲録
創竜伝13噴火列島
創竜伝14<月への門>
創竜伝15 <旅立つ日まで>

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック