銀河英雄伝説 第1期 第18話「リップシュタットの密約」

銀河英雄伝説 第1期 第18話「リップシュタットの密約」を観ました。旧OVA版になります。

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帝国回になります。幼帝を擁立したローエングラム・リヒテンラーデ連合と門閥貴族のブラウンシュヴァイク・リッテンハイム連合の対立が深まり、とうとう内戦に突入するというお話。密約というにはバレバレだけど、門閥貴族側が反抗を開始しようとしますが、とっくに準備を終えていたローエングラム陣営に取り押さえられて、ガイエスブルグ要塞に逃げ込んだところで戦火が開かれるというところまで。

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皇帝派ローエングラム・リヒテンラーデ陣営と反皇帝派ブラウンシュヴァイク・リッテンハイム連合との対立が深まる帝国。
カストロプ動乱で出てきたマリーンドルフ家もどちらにつくか選択を迫られる自体に。

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マリーンドルフ伯は聡明な娘に家の命運を任せることにします。

フランツ「私は中立を望んでいるが、それが叶わぬときはブラウンシュヴァイク公につく。帝国貴族としてはそれが筋と……。」
ヒルダ「お父さま!人類の文明が地球に発生して以来、滅びなかった国家は一つとしてありません。銀河帝国だけがどうして例外でありうるでしょう。」
フランツ「ヒルダ!何を言い出すんだ。」
ヒルダ「ゴールデンバウム王朝はもう500年も続いてきました。それも一部の貴族が大部分の平民を支配するという歪んだ形で。」
フランツ「ヒルダ!おい、ヒルダ!」
ヒルダ「これだけやりたい放題やってきたのですもの。そろそろ幕が降りて当然ですわ。」
フランツ「……つまり、ローエングラム候に手を貸すと?」
ヒルダ「そうです。」
フランツ「しかし……。」
ヒルダ「それに、ローエングラム候には大義名分もあります。皇帝を擁する立場ですもの。それに比べてブラウンシュヴァイク公たちは野心むき出しの私事の戦をしようとしているに過ぎません。それに、ブラウンシュヴァイク公らはやがて大部分の貴族を結集するでしょう。その中にマリーンドルフ家が参加したところで、何ほどのこともないでしょう?
 しかし、ローエングラム候にとっては政治的効果もあることなので厚遇されるに違いないと思うのです。」
フランツ「まあ、それはそうかもしれんが……。」
ヒルダ「そしてなりより、この戦いはローエングラム候が勝ちますわ。」
フランツ「う~ん、わかった。そうまで言うならお前に任せよう。この家はお前が継ぐのだし、なによりお前の人生だ。お前が思うようにやりなさい。どんな結果になろうと私は後悔しないよ。」

ヒルダ『ありがとう、お父さま。マリーンドルフ家の命運を私に委ねてくださって。そして、面白い時代に私を生んでくださって。』

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ラインハルトに会談を求めるヒルダ。忠誠を誓うのでマリーンドルフ家の立場を守ることを公文書でラインハルトに約束させます。
貴族たちに口利きもするけど、自分たちから言い出さない限り保証書は不要だと、貴族同士横でつながるつもりは無いと暗にラインハルトに伝えます。

ヒルダ「閣下はお勝ちになります。」
ラインハルト「ほぉ。」
ヒルダ「ブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム候は一時的に手を結んだだけのことで、お互いに協力しようという意思に欠けます。何より軍の指揮系統が一本化されていないのが致命的です。全体の兵力が閣下を上回ったとしても、統一された閣下の軍の敵ではありませんでしょう。
 それに、貴族の士官だけで戦争はできません。実際に戦闘をするのは兵士たちです。平民や下級貴族の兵士たちは、閣下とブラウンシュヴァイク公のどちらを支持するか。火を見るより明らかではありませんか。」
ラインハルト「見事な見識をお持ちだ。結構!そういうことなら私も味方が欲しい。マリーンドルフ家はもちろん、その口添えがあった家は厚く遇することを約束しよう。」
ヒルダ「閣下の寛大なお言葉を頂き、私どもも知人、縁者を説得しやすくなります。」
ラインハルト「何、せっかく味方してくださるのだ。粗略なこともできまい。もし私で役に立つことがあったら何なりと言ってもらいたい。遠慮はいらぬ。」
ヒルダ「では、お言葉に甘えてお願いがございます。」
ラインハルト「どうぞ。」
ヒルダ「マリーンドルフ家に対し、家紋と領地を安堵する、そう保証する公文書を頂きとうございます。」
ラインハルト「ほぉ~、公文書を……。よかろう、今日中に文書にしてお渡ししよう。」

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一方、門閥貴族たちはブラウンシュヴァイク公の領地で反皇帝の勢力を立ち上げます。地名をとってリップシュタット同盟の誕生です。公文書ではまた違った名前が付きますが。
一応、密約ってタイトルになってるけど、その瞬間に内幕はバレて、連合軍の総司令官にメルカッツが選ばれたことが告げられます。ラインハルトの能力は認めている人なのでラインハルト陣営でも驚きを持って迎えられす。

ミッターマイヤー「厄介なことになりましたな。メルカッツ提督とは……。」
ワーレン「実績、人望ともに豊かな老練の名将ですか……。」
ロイエンタール「ほほぉ~、さすがにブラウンシュヴァイク公自ら指揮するのでは誰もついてこないというわけですな。」

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実情は半ば脅迫されての総司令官就任でした。

メルカッツ「なんと申されましても。」
ブラウンシュヴァイク「このわしの頼みでもか!」
メルカッツ「……。」
ブラウンシュヴァイク「……提督。いや、どうも若い貴族たちは血の気が多くてな。協力を拒むような輩は貴族の風上にも置けぬから天誅を加えるべきだと言ってな。……わしは止めているのだが、どうもな。もとより流血もじさぬ覚悟だと申してな。そうした者を血祭りにあげれば大神オーディンへの生贄にもちょうどよいとな。神への生贄にというと若い娘と相場が決まってるそうな。
 ……そういえば、卿にも娘がおったな?さて、改めて返答を聞こうか?帝室の温故に報いる覚悟のほどを!」
メルカッツ「……では!、非才の身ながらお引き受けします。」
ブラウンシュヴァイク「うむ。」
メルカッツ「しかしながら、次のことを諸侯に承知置き願いたい。こと実戦に関するかぎり私に全権が委ねられること。もう一つ、命令に背けば、いかにやんごとなき身分の方でも軍規にしたがって処断されるということ。この二点です。」

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帰りの車内で、既にメルカッツは未来が見えていました。家族に別れを告げにいきます。

シュナイダー「どうなさいました?ブラウンシュヴァイク公にその条件を承知させたのでしょう。ならば大群を率いて強敵と戦うは武人の本懐と私などは思いますが……。」
メルカッツ「シュナイダー少佐。卿はまだ若いな。ブラウンシュヴァイク公は確かにこの条件を飲んだ。だが、すぐに作戦に介入してくるだろうし、軍規にも従いはすまい。そのうちローエングラム候より、このわしの方を憎むようになるさ。」
シュナイダー「まさか!」
メルカッツ「特権は人の精神を腐敗させる。自分を正当化し、他人を責めることは彼らの本能のようなものだ。かく言うわしも軍隊で下級兵士に接するまでは、そのことに気づかなかったが……。」

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ブラウンシュヴァイク公の部下にも有能なものはいて、直接対決をするよりローエングラム候を暗殺するべきだと進言する者がいました。
しかし、ブラウンシュヴァイクの怒りを勝って退けられます。

フェルナー「ローエングラム候は破壊のあとに再生を目指す立場ですから構わないにしても、閣下には体制を維持する義務がお有りのはず。ただ、勝てばいいというものではないでしょう。」
ブラウンシュヴァイク「小賢しい口をきくな!」
シュトライト「閣下、申し上げにくいことですが、ローエングラム候は用兵の天才です。フェルナー大佐が申す通り、勝ったとしても犠牲は大きく、民衆にもかなりの害を与えるでしょう。ご再考を。」
ブラウンシュヴァイク「勝てたとしてもとは何か!必勝の信念のないものに用はない!」

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忠誠心があるからというわけでもないのでしょうが、フェルナーが先走って暗殺計画を実行に移します。

シュトライト「アンスバッハ!卿からも閣下にもう一度具申してはもらえぬか?」
アンスバッハ「シュトライト准将、閣下は正面からローエングラム候の軍を打ち破ってこそ意味があるとお考えなのだ。それこそリッテンハイム侯爵や他の諸侯に対して実力を示すことになる。そして、それこそがこの戦いの次にくるであろう、もう一つの戦いに勝つことにつながるのだと。」
シュトライト「暗殺では卑劣だと言われるだけだと?」
アンスバッハ「うむ。」

フェルナー「次の戦いねぇ~。それどころではないと思うがな。こうなったら我々だけでやるしかない!兵を集めろ!」

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アンネローゼを人質に取ろうとか計画しますが、そんなことはキルヒアイスたちの想定内でした。
これを機にラインハルトは一気に貴族たちや軍部を取り締りに行きます。

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エーレンベルク「無礼な!何を求めてのことか知らんが、成り上がりの青二才は礼儀も心得ぬのか!」
ビッテンフェルト「失礼いたしました。私が求めておりますのは、時代の変化をお認めいただくことです。元帥閣下。」

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貴族の幾人かは取り押さえられましたが、ブラウンシュヴァイク公やリッテンハイム候には逃げられました。
主君に見捨てられたシュトライトは捕まってしまいます。

ラインハルト「確か……シュトライト准将であったな?卿は私を暗殺するようにブラウンシュヴァイク公に進言したそうだが事実か?」
シュトライト「事実です。我が主君にそれが容れられていれば、今頃手錠をかけられているのはあなただったはずです。残念なことをしました。」
ラインハルト「なぜそんなことを進言したのか?」
シュトライト「無用な戦乱で国を損ない、民衆を損なうより、たとえ一時の汚名を甘受することになってもそのほうがよいと考えたのです。」
ラインハルト「うむ。殺すには惜しい男だ。通行証を出してやるから主人の元に行って卿の忠誠を全うするがよい。」
シュトライト「……出来ますならオーディンに留まることをお許しください。」
ラインハルト「主人のもとには行かぬのか?」
シュトライト「このまま主人のもとに行っても、なぜ助かったのかを疑われるだけでしょう。ブラウンシュヴァイク公は、部下の忠誠というものをあまり信じないお方なので……。」
ラインハルト「なるほど。では、どうだ?いっそ私の部下にならぬか?」
シュトライト「ありがたい仰せですが、今日までの主人を明日から敵に回す気にはなれません。お許しください。」

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一方、フェルナーは自分で出頭してきました。ブラウンシュヴァイク公を見限ったので、ラインハルトの部下にしてほしいと。
シュトライトとの対比が面白いですね。ラインハルトは気に入って、オーベルシュタインの下につけます。オーベルシュタインの元でも萎縮しない貴重な存在に。

ラインハルト「すると、卿の忠誠心はどういう基準で左右されるのか?」
フェルナー「忠誠心などと言うものは、その価値のわかる人に捧げてこそ意味のあるもので、人を見る目のない主君に忠誠を尽くすなど、宝石を泥の中に放り込むようなものです。社会にとっての損失だとお思いになりませんか?」
ラインハルト「ヌケヌケと言うやつだな。……オーベルシュタイン!」
オーベルシュタイン「はっ!」
ラインハルト「この男、卿に預ける。使ってやれ。」

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ブラウンシュヴァイク公らはガイエスブルグ要塞に逃げ込みました。
ラインハルトは、帝国三長官を兼任して軍部を掌握、リップシュタット同盟討伐の勅令を受けます。

ラインハルト「公称?」
書記官「はぁ、公文書に載せる敵の公称を定めませんと。」
ラインハルト「ああ……。良い名がある、賊軍というのだ。」
書記官「賊軍、でございますか?」
ラインハルト「そうだ。そして帝国中に伝えろ、やつらにも聞こえるようにな。お前らは賊軍だと。」
書記官「はっ!」
ラインハルト「では征くぞ!賊軍の立てこもるガイエスブルグへ!」

これは門閥貴族たちを激怒させることになります。
ということで今回はここまで。次は同盟回ですね。

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帝国の内戦と時を同じくして、同盟では首都ハイネセンで軍事クーデターが起こった。
この事態を予見していたヤンは苦い想いを抱きつつ、首都奪回に向かべく艦隊に出動を命じた。

次回、銀河英雄伝説 第19話「ヤン艦隊出動」

銀河の歴史がまた1ページ……。


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