銀河英雄伝説 第1期 第25話「運命の前日」
銀河英雄伝説 第1期 第25話「運命の前日」を観ました。旧OVA版になります。
DVD-BOX、7巻目は2話だけなんですね。あと、2話分もエピソードあったかなぁと思ったけど、回想シーンが多めでした。ラストがアレにつながるのは覚えてたんですが……。
初見は、深夜にやってたTV放送だったのですが、中学生だった自分にはなかなか衝撃的な展開でした。
結構、新規作が多めですね。この回。
辺境を平定して回ったキルヒアイスがラインハルトの待つガイエスブルグ要塞に帰還するところから始まります。キルヒアイスの労をねぎらうラインハルトでしたが、キルヒアイスはヴェスターラントの虐殺についてラインハルトに問いただすことに。
ラインハルトにも言い分はあったのですが、キルヒアイスならわかってくれてもいいのにという甘えとキルヒアイスのラインハルトへのいつかわかってくれるという信頼との間ですれ違ってしまい……。
そして、運命の捕虜引見が始まってしまいましたというところで次回に続くとなります。
キルヒアイスの合流を歓待するラインハルト。オーベルシュタインは不満顔。
フェルナー「……キルヒアイス提督の武勲は巨大すぎますな。」
オーベルシュタイン「覇者に私情は禁物なのだがな……。」
キルヒアイスの労をねぎらうラインハルトでしたが、キルヒアイスには確認しなければならないことがありました。
キルヒアイス「ラインハルト様、お話があります。」
ラインハルト「なんだ?」
キルヒアイス「惑星ヴェスターラントで200万の住民が虐殺された件です。」
ラインハルト「それが、どうした?」
キルヒアイス「ラインハルト様がその計画を知りながら政略的な目的で黙認した、と申す者がおります。……事実でしょうか?」
ラインハルト「……事実だ。」
事情を話してすまなかったと謝ればすんだ話、もしくはもう二度としないと誓えばよい話ではあったのかもですが、キルヒアイスの正論にラインハルトも甘えて素直にはなれず行き違ってしまいます。
キルヒアイス「ラインハルト様……。私はラインハルト様が覇権をお求めになるのは、現在の帝国、ゴールデンバウム王朝に存在しえない公正さによってこそ、意味があると考えておりました。」
ラインハルト「そんなことは言われるまでもない。」
キルヒアイス「大貴族たちが500年にも及ぶ不等な特権のつけを払って滅亡するのは、いわば歴史の必然、そこに流血が伴うのも致し方ないでしょう。ですが、民衆を犠牲になさってはいけません。ラインハルト様がお作りになるべき新しい体制は、今まで不等に抑圧されてきた民衆を解放し、それを基盤として確立されるのです。その民衆を犠牲になさるのは、ご自分の足元を掘り崩すようなものではありませんか!」
ラインハルト「わかっていると言っただろう!現に内戦は予定より遥かに早く終結し、結果的に犠牲は少なくなっている。戦略的にも政略的にもやむを得ない手段だったのだ。」
キルヒアイス「ラインハルト様……、相手が大貴族なら、事は対等な権力闘争です。いかなる手段をお使いになっても恥じることはないでしょう。しかし、民衆を犠牲になされば手は血に汚れ、どのように正当化しようとも、その汚れを洗い落とすことはできません。ラインハルト様ともあろう方が、一時の利益のためになぜご自分を貶められますか!」
痛いところを突かれて暴発してしまうラインハルト。言ってしまってから後悔するも、一度口から出てしまった言葉は取り消せません。自分が悪いのはわかっているので、キルヒアイスもわかってくれればいいのにと後悔はするのですが……。
ラインハルト「お説教はたくさんだ!……第一、キルヒアイス!この件に関して俺がいつお前に意見を求めた?……いつお前に意見を求めたと聞いている!」
キルヒアイス「……いえ、お求めになっていません。」
ラインハルト「……そうだろう。お前は俺が求めたときに意見を言えばいいんだ。……済んだことだ、もう言うな。」
キルヒアイス「ですがラインハルト様!政略のために、民衆の犠牲を厭わないというのなら、あのルドルフ・ゴールデンバウムと何ら変わるところがないではありませんか!」
ラインハルト「キルヒアイス!」
キルヒアイス「……はい。」
ラインハルト「お前は、一体俺のなんだ?」
キルヒアイス「……私は閣下の忠実な部下です。ローエングラム候……。」
決定的に道が分かたれてしまいました。
ラインハルト「キルヒアイスも分かってくれても良さそうなものなのに……。」
キルヒアイス「……ラインハルト様なら、いずれ分かってくださる。そうですよね、アンネローゼ様……。」
一方、オーディンではヒルダからの連絡で、リヒテンラーデ候がラインハルトを排除するための工作に乗り出していることが知らされます。
オーベルシュタインに対策を命じますが、そのオーベルシュタインから正論で苦言を述べられて渋々受け入れます。これがなければまだ……だったんですが。
オーベルシュタイン「御意。それはよろしいのですが、一つ申し上げたい儀がございます。」
ラインハルト「なにか?」
オーベルシュタイン「キルヒアイス上級大将のことです。」
ラインハルト「また、私がキルヒアイスを重用しすぎるということか?」
オーベルシュタイン「然様です。先程のように、他の将兵の前で特別扱いをなさるのは、望ましくないと申し上げたはずです。」
ラインハルト「私も言ったはずだ!キルヒアイスは私自身も同様だと。例え全宇宙が私の敵になろうとも、キルヒアイスは私に味方するだろう。実際、今までずっとそうだった。だから私も彼に報いてきたのだ。そのどこが悪いのだ!」
オーベルシュタイン「閣下!私はなにもキルヒアイス提督を粛清しろとか追放しろとか申し上げているのではありません。ロイエンタール、ミッターマイヤーらと同列に置き、部下の一員として待遇されるようにとご忠告申し上げているのです。
組織にNo.2は必要ありません。部下の忠誠心は代替の効くものであってはならないのです。閣下が唯一の絶対者として君臨するのでなければ、強固な社会体制は望むべくもありません!」
ラインハルト「……わかった、もういい。くどくど言うな。」
二人に隙きができたことは双璧の耳にも入りました。
ロイエンタール「それにしても、どうせまた、我が参謀長殿が余計な口を挟んだんだろう。」
ミッターマイヤー「オーベルシュタインかぁ。頭の切れる男だ、それは認める。しかし、どうも平地に乱を起こすきらいがあるな。」
ロイエンタール「例のNo.2不要論か?論としては一理あるがな。」
ミッターマイヤー「だが、今までうまく運んでいたものを理屈にあわないからといって無理に改めることもあるまい。事にそれが人間同士の関係ならばな。」
ガイエスブルグ要塞で戦勝記念式典が行われますが、今まで許されていたキルヒアイスの銃の携帯も、例外はなしと認められなくなってしまいました……。
キルヒアイス『……ラインハルト様ならいずれ分かってくださる。今までの11年間、ずっとそうだったではないか。今までは……。』
捕虜の引見が開始されました。ファーレンは許されてラインハルトの麾下に入ることに。
そして、アンスバッハが主君ブラウンシュバイク公の遺体を入れたケースを共にしながら入場してきます。
家訓に従うビッテンフェルト。
ビッテンフェルト「ふん!主君の遺体とは、結構な手土産だな!」
しかし、アンスバッハは主君を手土産に、ラインハルトに取り入ろうというのではありませんでした。
ブラウンシュバイク公の遺体の中に隠したロケットランチャーを取り出し、ラインハルトに向けてその引き金を引く!というところで次回に続くとなります……。次回予告でネタバレされますが……。
アンスバッハの放った砲弾は、ラインハルトの半身を打ち砕いた。
人は、失ってはならぬ者を失ったとき、どう変わっていくのか……。
次回、銀河英雄伝説 第26話「さらば、遠き日」
銀河の歴史が、また1ページ……。
銀河英雄伝説 Blu-ray BOX スタンダードエディション 1 - 堀川亮, 広中雅志, 勝生真沙子, 潘恵子, 森功至, 若本規夫, 塩沢兼人, 富山敬, 郷田ほづみ, 石黒昇
今更DVDのやつのっけてもアレなのでBlu-rayのです。
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮1 第1話「エル・ファシルの英雄」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮1 第2話「英雄の新しい仕事」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮1 第3話「英雄たちの横顔」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮1 第4話「過去へのささやかな旅」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮2 第5話「時の女神に愛された男 〜第二次ティアマト会戦記I〜」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮2 第6話「英雄の死 〜第二次ティアマト会戦記II〜」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮2 第7話「喪服と軍服の間」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮2 第8話「収容所惑星」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮3 第9話「捕虜と人質」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮3 第10話「顕微鏡サイズの反乱」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮3 第11話「エコニアの英雄」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮3 第12話「過去からの糸」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮4 第13話「ひとつの旅の終わり」
・銀河英雄伝説外伝 螺旋迷宮4 第14話「出口をさがす旅」
・銀河英雄伝説外伝 白銀の谷 Kap.I
・銀河英雄伝説外伝 白銀の谷 Kap.II
・銀河英雄伝説外伝 白銀の谷 Kap.III
・銀河英雄伝説外伝 白銀の谷 Kap.IV
・銀河英雄伝説外伝 叛逆者 Kap.I
・銀河英雄伝説外伝 叛逆者 Kap.II
・銀河英雄伝説外伝 叛逆者 Kap.III
・銀河英雄伝説外伝 叛逆者 Kap.IV
・銀河英雄伝説外伝 決闘者 Kap.I
・銀河英雄伝説外伝 決闘者 Kap.II
・銀河英雄伝説外伝 決闘者 Kap.III
・銀河英雄伝説外伝 決闘者 Kap.IV
・銀河英雄伝説外伝 黄金の翼
・銀河英雄伝説外伝 奪還者 Kap.I
・銀河英雄伝説外伝 奪還者 Kap.II
・銀河英雄伝説外伝 奪還者 Kap.III
・銀河英雄伝説外伝 奪還者 Kap.IV
・銀河英雄伝説外伝 朝の夢、夜の歌 Kap.I
・銀河英雄伝説外伝 朝の夢、夜の歌 Kap.II
・銀河英雄伝説外伝 朝の夢、夜の歌 Kap.III
・銀河英雄伝説外伝 朝の夢、夜の歌 Kap.IV
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光1 第1話「ヴァンフリート星域の会戦」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光1 第2話「三つの赤」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光1 第3話「亡命者たち」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光1 第4話「流血の四月」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光2 第5話「危険な男」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光2 第6話「混戦始末記」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光2 第7話「初夏、風強し」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光2 第8話「伯爵家後継候補」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光3 第9話「パーティーの夜」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光3 第10話「真実は時の娘」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光3 第11話「第六次イゼルローン攻防戦」
・銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光3 第12話「千億の星、ひとつの野心」
・銀河英雄伝説外伝 第三次ティアマト会戦 前編
・銀河英雄伝説外伝 第三次ティアマト会戦 後編
・銀河英雄伝説外伝 汚名 Kap.I
・銀河英雄伝説外伝 汚名 Kap.II
・銀河英雄伝説外伝 汚名 Kap.III
・銀河英雄伝説外伝 汚名 Kap.IV
・銀河英雄伝説外伝 わが征くは星の大海
・銀河英雄伝説外伝 新たなる戦いの序曲
・銀河英雄伝説 第1期 第1話「永遠の夜の中で」
・銀河英雄伝説 第1期 第2話「アスターテ会戦」
・銀河英雄伝説 第1期 第3話「第十三艦隊誕生」
・銀河英雄伝説 第1期 第4話「帝国の残照」
・銀河英雄伝説 第1期 第5話「カストロプ動乱」
・銀河英雄伝説 第1期 第6話「薔薇の騎士」
・銀河英雄伝説 第1期 第7話「イゼルローン攻略!」
・銀河英雄伝説 第1期 第8話「冷徹なる義眼」
・銀河英雄伝説 第1期 第9話「クロプシュトック事件」
・銀河英雄伝説 第1期 第10話「ジェシカの戦い」
・銀河英雄伝説 第1期 第11話「女優退場」
・銀河英雄伝説 第1期 第12話「帝国領侵攻」
・銀河英雄伝説 第1期 第13話「愁雨来たりなば…」
・銀河英雄伝説 第1期 第14話「辺境の開放」
・銀河英雄伝説 第1期 第15話「アムリッツァ星域会戦」
・銀河英雄伝説 第1期 第16話「新たなる潮流」
・銀河英雄伝説 第1期 第17話「嵐の前」
・銀河英雄伝説 第1期 第18話「リップシュタットの密約」
・銀河英雄伝説 第1期 第19話「ヤン艦隊出動」
・銀河英雄伝説 第1期 第20話「流血の宇宙」
・銀河英雄伝説 第1期 第21話「ドーリア星域会戦、そして…」
・銀河英雄伝説 第1期 第22話「勇気と忠誠」
・銀河英雄伝説 第1期 第23話「黄金樹は倒れた」
・銀河英雄伝説 第1期 第24話「誰がための勝利」
・銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第一章
・銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第二章
・銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱 第三章
・ラインの虜囚
・月蝕島の魔物 (Victorian Horror Adventures)
・髑髏城の花嫁 (Victorian Horror Adventures 2)
・水晶宮の死神 (Victorian Horror Adventures 3)
・蘭陵王
・アルスラーン戦記〈1〉王都炎上
・アルスラーン戦記〈2〉王子二人
・アルスラーン戦記〈3〉落日悲歌
・アルスラーン戦記〈4〉汗血公路
・アルスラーン戦記〈5〉征馬孤影
・アルスラーン戦記〈6〉風塵乱舞
・アルスラーン戦記〈7〉王都奪還
・アルスラーン戦記〈8〉仮面兵団
・アルスラーン戦記〈9〉旌旗流転
・アルスラーン戦記〈10〉妖雲群行
・アルスラーン戦記読本
・アルスラーン戦記〈11〉魔軍襲来
・アルスラーン戦記〈12〉暗黒神殿
・アルスラーン戦記〈13〉蛇王再臨
・アルスラーン戦記〈14〉天鳴地動
・アルスラーン戦記〈15〉戦旗不倒
・アルスラーン戦記〈16〉天涯無限
・魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿
・薬師寺涼子の怪奇事件簿 海から何かがやってくる
・薬師寺涼子の怪奇事件簿 白魔のクリスマス
・タイタニア〈1〉疾風篇
・タイタニア〈2〉暴風篇
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・タイタニア4<烈風篇>
・タイタニア5 <凄風篇>
・新・水滸後伝 上巻
・新・水滸後伝 下巻
・創竜伝1超能力四兄弟
・創竜伝2摩天楼の四兄弟
・創竜伝3逆襲の四兄弟
・創竜伝4四兄弟脱出行
・創竜伝5蜃気楼都市
・創竜伝6染血の夢
・創竜伝7黄土のドラゴン
・創竜伝8仙境のドラゴン
・創竜伝9妖世紀のドラゴン
・創竜伝10大英帝国最後の日
・創竜伝11銀月王伝奇
・創竜伝12竜王風雲録
・創竜伝13噴火列島
・創竜伝14<月への門>
・創竜伝15 <旅立つ日まで>
DVD-BOX、7巻目は2話だけなんですね。あと、2話分もエピソードあったかなぁと思ったけど、回想シーンが多めでした。ラストがアレにつながるのは覚えてたんですが……。
初見は、深夜にやってたTV放送だったのですが、中学生だった自分にはなかなか衝撃的な展開でした。
結構、新規作が多めですね。この回。
辺境を平定して回ったキルヒアイスがラインハルトの待つガイエスブルグ要塞に帰還するところから始まります。キルヒアイスの労をねぎらうラインハルトでしたが、キルヒアイスはヴェスターラントの虐殺についてラインハルトに問いただすことに。
ラインハルトにも言い分はあったのですが、キルヒアイスならわかってくれてもいいのにという甘えとキルヒアイスのラインハルトへのいつかわかってくれるという信頼との間ですれ違ってしまい……。
そして、運命の捕虜引見が始まってしまいましたというところで次回に続くとなります。
キルヒアイスの合流を歓待するラインハルト。オーベルシュタインは不満顔。
フェルナー「……キルヒアイス提督の武勲は巨大すぎますな。」
オーベルシュタイン「覇者に私情は禁物なのだがな……。」
キルヒアイスの労をねぎらうラインハルトでしたが、キルヒアイスには確認しなければならないことがありました。
キルヒアイス「ラインハルト様、お話があります。」
ラインハルト「なんだ?」
キルヒアイス「惑星ヴェスターラントで200万の住民が虐殺された件です。」
ラインハルト「それが、どうした?」
キルヒアイス「ラインハルト様がその計画を知りながら政略的な目的で黙認した、と申す者がおります。……事実でしょうか?」
ラインハルト「……事実だ。」
事情を話してすまなかったと謝ればすんだ話、もしくはもう二度としないと誓えばよい話ではあったのかもですが、キルヒアイスの正論にラインハルトも甘えて素直にはなれず行き違ってしまいます。
キルヒアイス「ラインハルト様……。私はラインハルト様が覇権をお求めになるのは、現在の帝国、ゴールデンバウム王朝に存在しえない公正さによってこそ、意味があると考えておりました。」
ラインハルト「そんなことは言われるまでもない。」
キルヒアイス「大貴族たちが500年にも及ぶ不等な特権のつけを払って滅亡するのは、いわば歴史の必然、そこに流血が伴うのも致し方ないでしょう。ですが、民衆を犠牲になさってはいけません。ラインハルト様がお作りになるべき新しい体制は、今まで不等に抑圧されてきた民衆を解放し、それを基盤として確立されるのです。その民衆を犠牲になさるのは、ご自分の足元を掘り崩すようなものではありませんか!」
ラインハルト「わかっていると言っただろう!現に内戦は予定より遥かに早く終結し、結果的に犠牲は少なくなっている。戦略的にも政略的にもやむを得ない手段だったのだ。」
キルヒアイス「ラインハルト様……、相手が大貴族なら、事は対等な権力闘争です。いかなる手段をお使いになっても恥じることはないでしょう。しかし、民衆を犠牲になされば手は血に汚れ、どのように正当化しようとも、その汚れを洗い落とすことはできません。ラインハルト様ともあろう方が、一時の利益のためになぜご自分を貶められますか!」
痛いところを突かれて暴発してしまうラインハルト。言ってしまってから後悔するも、一度口から出てしまった言葉は取り消せません。自分が悪いのはわかっているので、キルヒアイスもわかってくれればいいのにと後悔はするのですが……。
ラインハルト「お説教はたくさんだ!……第一、キルヒアイス!この件に関して俺がいつお前に意見を求めた?……いつお前に意見を求めたと聞いている!」
キルヒアイス「……いえ、お求めになっていません。」
ラインハルト「……そうだろう。お前は俺が求めたときに意見を言えばいいんだ。……済んだことだ、もう言うな。」
キルヒアイス「ですがラインハルト様!政略のために、民衆の犠牲を厭わないというのなら、あのルドルフ・ゴールデンバウムと何ら変わるところがないではありませんか!」
ラインハルト「キルヒアイス!」
キルヒアイス「……はい。」
ラインハルト「お前は、一体俺のなんだ?」
キルヒアイス「……私は閣下の忠実な部下です。ローエングラム候……。」
決定的に道が分かたれてしまいました。
ラインハルト「キルヒアイスも分かってくれても良さそうなものなのに……。」
キルヒアイス「……ラインハルト様なら、いずれ分かってくださる。そうですよね、アンネローゼ様……。」
一方、オーディンではヒルダからの連絡で、リヒテンラーデ候がラインハルトを排除するための工作に乗り出していることが知らされます。
オーベルシュタインに対策を命じますが、そのオーベルシュタインから正論で苦言を述べられて渋々受け入れます。これがなければまだ……だったんですが。
オーベルシュタイン「御意。それはよろしいのですが、一つ申し上げたい儀がございます。」
ラインハルト「なにか?」
オーベルシュタイン「キルヒアイス上級大将のことです。」
ラインハルト「また、私がキルヒアイスを重用しすぎるということか?」
オーベルシュタイン「然様です。先程のように、他の将兵の前で特別扱いをなさるのは、望ましくないと申し上げたはずです。」
ラインハルト「私も言ったはずだ!キルヒアイスは私自身も同様だと。例え全宇宙が私の敵になろうとも、キルヒアイスは私に味方するだろう。実際、今までずっとそうだった。だから私も彼に報いてきたのだ。そのどこが悪いのだ!」
オーベルシュタイン「閣下!私はなにもキルヒアイス提督を粛清しろとか追放しろとか申し上げているのではありません。ロイエンタール、ミッターマイヤーらと同列に置き、部下の一員として待遇されるようにとご忠告申し上げているのです。
組織にNo.2は必要ありません。部下の忠誠心は代替の効くものであってはならないのです。閣下が唯一の絶対者として君臨するのでなければ、強固な社会体制は望むべくもありません!」
ラインハルト「……わかった、もういい。くどくど言うな。」
二人に隙きができたことは双璧の耳にも入りました。
ロイエンタール「それにしても、どうせまた、我が参謀長殿が余計な口を挟んだんだろう。」
ミッターマイヤー「オーベルシュタインかぁ。頭の切れる男だ、それは認める。しかし、どうも平地に乱を起こすきらいがあるな。」
ロイエンタール「例のNo.2不要論か?論としては一理あるがな。」
ミッターマイヤー「だが、今までうまく運んでいたものを理屈にあわないからといって無理に改めることもあるまい。事にそれが人間同士の関係ならばな。」
ガイエスブルグ要塞で戦勝記念式典が行われますが、今まで許されていたキルヒアイスの銃の携帯も、例外はなしと認められなくなってしまいました……。
キルヒアイス『……ラインハルト様ならいずれ分かってくださる。今までの11年間、ずっとそうだったではないか。今までは……。』
捕虜の引見が開始されました。ファーレンは許されてラインハルトの麾下に入ることに。
そして、アンスバッハが主君ブラウンシュバイク公の遺体を入れたケースを共にしながら入場してきます。
家訓に従うビッテンフェルト。
ビッテンフェルト「ふん!主君の遺体とは、結構な手土産だな!」
しかし、アンスバッハは主君を手土産に、ラインハルトに取り入ろうというのではありませんでした。
ブラウンシュバイク公の遺体の中に隠したロケットランチャーを取り出し、ラインハルトに向けてその引き金を引く!というところで次回に続くとなります……。次回予告でネタバレされますが……。
アンスバッハの放った砲弾は、ラインハルトの半身を打ち砕いた。
人は、失ってはならぬ者を失ったとき、どう変わっていくのか……。
次回、銀河英雄伝説 第26話「さらば、遠き日」
銀河の歴史が、また1ページ……。
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・アルスラーン戦記〈12〉暗黒神殿
・アルスラーン戦記〈13〉蛇王再臨
・アルスラーン戦記〈14〉天鳴地動
・アルスラーン戦記〈15〉戦旗不倒
・アルスラーン戦記〈16〉天涯無限
・魔境の女王陛下 薬師寺涼子の怪奇事件簿
・薬師寺涼子の怪奇事件簿 海から何かがやってくる
・薬師寺涼子の怪奇事件簿 白魔のクリスマス
・タイタニア〈1〉疾風篇
・タイタニア〈2〉暴風篇
・タイタニア〈3〉 旋風篇
・タイタニア4<烈風篇>
・タイタニア5 <凄風篇>
・新・水滸後伝 上巻
・新・水滸後伝 下巻
・創竜伝1超能力四兄弟
・創竜伝2摩天楼の四兄弟
・創竜伝3逆襲の四兄弟
・創竜伝4四兄弟脱出行
・創竜伝5蜃気楼都市
・創竜伝6染血の夢
・創竜伝7黄土のドラゴン
・創竜伝8仙境のドラゴン
・創竜伝9妖世紀のドラゴン
・創竜伝10大英帝国最後の日
・創竜伝11銀月王伝奇
・創竜伝12竜王風雲録
・創竜伝13噴火列島
・創竜伝14<月への門>
・創竜伝15 <旅立つ日まで>
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