銀河英雄伝説第2期第28話「肖像」: あああ

2021年08月11日

銀河英雄伝説第2期第28話「肖像」

銀河英雄伝説第2期第28話「肖像」を観ました。旧OVA版になります。

今回も繋ぎ回みたいな感じですね。前半がミッターマイヤー、ロイエンタールの馴れ初めとかの回想シーンで、後半が前回の遭遇戦も一因となるイゼルローン要塞の攻略作戦のお話になります。

政務に励むラインハルトでしたが、キルヒアイスのような理解者は周りにおらず、イライラを募らせる毎日。

ラインハルト「私は絵はわからぬ。メックリンガーにでもいって、しかるべき美術館に収納せよ。」
オッペンハイマー「閣下！？いや、その……この絵は閣下ご自身に……。」
ラインハルト「オッペンハイマー伯、卿は憲兵総監の地位にありながら自らの行為が法的にいかなるものか理解しておらぬようだな。」
オッペンハイマー「いや……。」
ラインハルト「キスリング大佐！」
キスリング「はっ！」
ラインハルト「キスリング！オッペンハイマー大将を拘禁しろ！贈賄の現行犯だ。」
キスリング「はっ！」
オッペンハイマー「ば、ばかな！シュトライトも許されたというではないか！」
ラインハルト「シュトライトは智謀に優れ、冷静沈着。なれどかの者を麾下に加えたるは、その誠実さを惜しいと思えばこそ。卿には惜しむべき何物もない！連れて行け！」

事後の処理も満足にできない副官にも怒りをぶつけるラインハルト。最終的には前話で徴用したシュトライトを副官として任命することになります。

ラインハルト『権力を握るとはこういうことか……。俺の周りには俺を理解しないやつばかりだ！……そうだな、そうしようかキルヒアイス。』

ここで、前話の敗戦の報告の話からラインハルト麾下の提督たちの話へ。まずは双璧の二人。回想シーン（ろくに家に帰ってこなかった息子が頻繁に帰ってくるようになった）から二人の馴れ初め（こう書くとエヴァンゼリンとのことみたいになりますね）、その後育まれれる友情やロイエンタールのいささか深刻な内面の話などなど。
趣旨としては、キルヒアイス亡き後の陣営ではこの二人が2トップという説明になるのですかね。功績うんぬんの内部事情から次のイゼルローン要塞攻略は、次席的な立場で敗戦の雪辱を晴らしたいケンプと副官的立場でミュラーが専任されることの前振りみたいな感じ。

ここでシャフトが登場。技術的な成果（既存技術の応用ではなるけど）を背景にイゼルローン要塞の攻略を進言してきます。裏でフェザーンに操られているという事情もあるのですが、本人も手柄をあげる必要があったので。
その作戦は、要塞にワープ装置を取り付けてイゼルローン要塞まで移動させようというものでした。

ラインハルト「……すると卿は、イゼルローン要塞を攻略するに、それに対抗するための拠点となる要塞をもってせよというのか？」
シャフト「然様です閣下。」
ラインハルト「構想としては悪くないが成功するには一つ条件が必要だな。」
シャフト「と、申しますと？」
ラインハルト「我らがそれを構築する間、同盟のやつらが黙ってそれを見物し、決して妨害しないという条件だ。」
シャフト「あっ！お待ち下さい閣下！その条件は不要です。なぜなら私の提案は、既にあるガイエスブルグ要塞をイゼルローン回廊に移動させようというものです。」

裏で手を引いているフェザーン。もう同盟は見限っているので、イゼルローン要塞攻略を手助けするために、要塞からヤンを引き離す手を打ちます。

ルパート「イゼルローンさえ落ちれば絶対兵力で遥かに帝国が有利に。ここで一気に銀河系に統一国家を作らせ、我らがそれを乗っ取る……。」
ルビンスキー「だが、これだけでは不足だ。」
ルパート「はぁ。」
ルビンスキー「イゼルローン要塞の陥落をより確実にする必要がある。」
ルパート「はい。それには？」
ルビンスキー「そう、ヤン・ウェンリーを一時的にでもよい、イゼルローンから遠ざけるのだ。」
ルパート「はい。」
ルビンスキー「あとは、指揮するものの能力次第だ。」

というわけで、ケンプ司令官、ミュラーが副司令官でイゼルローン要塞攻略の作戦が実行されることになりました。

海鷲で盛り上がる提督たち。

ミュラー「実際驚きましたが、出陣は武人の本懐ですから……。」
ビッテンフェルト「だが、なんでケンプ大将と卿なのだ？別に俺に行かせろとは言わんが（言ってる）、本来ならこれほどの大作戦、上級大将たる両提督にご下命あって然るべきではないか。」
ミッターマイヤー「どうせ、オーベルシュタイン総参謀長殿のご意向だろうが、俺やロイエンタールに武勲を建てさせたくないのさ。」
ロイエンタール「キルヒアイスに代わって、俺たちがNo.2になっては元も子もないからな。」
ミッターマイヤー「そこで大将の中から先日の小競り合いの雪辱をしたがっていたケンプを司令官、一番若いミュラー、卿を副司令官にとなったのだろう。」

うわさ話をもう一つ。ビッテンフェルトは家訓に従います。一応これラストへの伏線ですかね。

ミュラー「総参謀長殿といえば、ご存知ですか？昨年のことらしいのですが、元帥府の前で犬を拾われましてね。」
ビッテンフェルト「げっふっ！犬！？オーベルシュタインがか？」
ミュラー「ええ。年老いたダルマチアンだという話なのですが、この犬が、生意気にも柔らかく煮た鶏肉しか食べないとかで、総参謀長殿自ら夜中に肉屋に買い物に行かれるとか……。」
ビッテンフェルト「ふん！我らが総参謀長殿は、人間には嫌われても犬には好かれるわけか。犬同士、気が合うのだろう。」

今回の出征には反対のヒルダ。無名の師だろうと。

ラインハルト「……するとフロイラインはこの出兵に賛成してはくれぬと？」
ヒルダ「私にわからないのは、この時期に兵を動かす必要性です。昨年の内乱から経済的には立ち直っているかもしれませんが、民衆は未だに安定してはいません。今は国内の整備にこそ、お力を注ぐべきではありませんか？」
ラインハルト「……だから今回は部下に任せて私はオーディンを離れない。」
ヒルダ「ですが、閣下……。」
ラインハルト「フロイライン、私には立ち止まることは許されないのだ。」

飲み続ける双璧。二人だけの時はミッターマイヤーも本音で話します。自分も今回の出兵には反対だと。ここのオチも伏線といえば伏線でしょうか。

ロイエンタール「ビッテンフェルトは確かに強い。もし、やつと俺が戦うことがあれば最初に優位に立つのはやつの方だろう。だが、最後に勝つのはこの俺さ。」
ミッターマイヤー「話を逸らすな！問題は今回の出兵自体だ。戦術上の新発見や新兵器の発明があったからといって、それを口実に出兵を進めるなど、シャフトのやつ、本末転倒も甚だしい。」
ロイエンタール「だが、出兵を決定されたのはローエングラム公ご自身だ。」
ミッターマイヤー「だから心配しているのだ。同盟はいずれ滅ぼさねばならんとしても、今度の出兵は無益で無用なものだ。いたずらに兵を動かし、武力に奢るのは国家として健全なありようじゃない。」
ロイエンタール「ふん……相変わらず正論家だな。」
ミッターマイヤー「当たり前だ、以前にもまして正論を吐かねばならん立場にある。そっちこそ、相変わらずの露悪趣味もいい加減にしたらどうだ。」
ロイエンタール「そうだな……。俺自信もそう思わないでもないのだがな……。」