小説:久遠の檻―天久鷹央の事件カルテ―

久遠の檻―天久鷹央の事件カルテ―を読みました。知念実希人さんの新刊になります。

今回は歳を取らない少女の事件になります。
プロローグでは、タイムカプセルとして埋められていた箱の中に死体が入っていたところから始まります。
それとは別に、精神科で診ていた患者の診察依頼が統括診断部に来きます。患者はどう見ても10代くらいなのですが、32歳で、以前精神科の先生がみたときと容姿がほとんど代わっていませんでした。その患者を鷹央診ることになるのですが、ろくに診断する暇もなく父親に連れ戻されてしまって……というお話。
2つのお話が繋がっていて、本当に少女は歳を取っていないのか?みたいなのを軸に進んでいきます。

最近よく聞く(良い噂はあまり聞かない)オンラインサロンなんかが出てきたり、今風なところは少しあったかも。

このシリーズの一番の難点というか、分かってる人にはいいのかも?だけど、タネ明かしのトリックが医学的に過ぎて、明かされてもそういうものなの?って感じで今ひとつ腑に落ちないところがあるのかもですね。そういうものだと言われてしまうとそういうものだとして納得するしかないというか。

ラストは少し強引というか、探偵もののこういう展開にケチつけてもしかたないかもですが(刑事ドラマとかも)、こういうのの自白ってなんか法的に価値があったりするものなんですかね。なんというかもっと物的証拠で固めるみたいな展開の方が個人的には好きですが。

知念さん、どこかの出版社で出してた作品はもう出さなくするとかおっしゃってましたね。読んでるシリーズとかなのかよくわかりませんが。作者は誰か気にするけど、出版社はどこかを気にして読んだりしないので。
ただ、どこの出版社でも右手と左手で同じ精神性で仕事したりはしなさそうですが、書ける出版社がなくなっちゃたりはしないのかなぁ。文芸部(になるのかな?)にとっては自分にはどうにもできないところでご破産になったのでしょうからかわいそうな話ですが、売れ筋商品だったなら。

久遠の檻―天久鷹央の事件カルテ―(新潮文庫nex) - 知念実希人
久遠の檻―天久鷹央の事件カルテ―(新潮文庫nex) - 知念実希人

天久鷹央の推理カルテ
天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟
天久鷹央の推理カルテIII: 密室のパラノイア
スフィアの死天使: 天久鷹央の事件カルテ
天久鷹央の推理カルテIV: 悲恋のシンドローム
改貌屋 天才美容外科医・柊貴之の事件カルテ
神酒クリニックで乾杯を
神酒クリニックで乾杯を 淡雪の記憶
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幻影の手術室: 天久鷹央の事件カルテ
天久鷹央の推理カルテV: 神秘のセラピスト
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螺旋の手術室
甦る殺人者: 天久鷹央の事件カルテ
火焔の凶器: 天久鷹央の事件カルテ
黒猫の小夜曲
レゾンデートル
魔弾の射手: 天久鷹央の事件カルテ
神話の密室―天久鷹央の事件カルテ―

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