銀河英雄伝説第2期第42話「鎮魂曲への招待」: あああ

2021年10月01日

銀河英雄伝説第2期第42話「鎮魂曲への招待」

銀河英雄伝説第2期第42話「鎮魂曲への招待」を見ました。旧OVA版になります。

フェザーンに飛ばされたユリアン。孤軍奮闘、フェザーンでの工作を開始しますが既に時は遅く……。
一方、帝国では神々の黄昏が実行されて、まずイゼルローン回廊にロイエンタール率いる艦隊が攻め寄せますというお話。

着任時の挨拶をするユリアン。フェザーンの同盟事務所はトリューニヒト派の巣窟なので、嫌味で迎え入れられます。一応、ユリアン、本人の都合は置いとけばトリューニヒトの口利きでここに飛ばされたことになってたはずですが。同盟本部の人事課よりトリューニヒトに近いのでしょうかフェザーンの弁務官事務所は。

フェザーンを見て回るユリアンとマシュンゴ。本国との差は歴然です。ちょっと比較のレベルが低すぎて悲惨な感じ。

歓迎のパーティーが開かれます。これを機会に、フェザーン人の間に帝国のフェザーン回廊通過の可能性をちらつかせます。
ルパートが火消しにまわり、ヴィオラ大佐が取りなしてその場は収まります。

ユリアン「ところで、売ると言えばフェザーン回廊を、ひいてはフェザーンの自治権を帝国軍に売り渡そうとする動きがあると聞いて心配しているのですが……。」
フェザーン人「なんですって？」
ユリアン「フェザーンが回廊自体を商品として帝国軍に売り渡すのではないかと、心配しているのです。」
フェザーン人「これはこれは……少尉はなかなか想像力が豊かでいらっしゃる。帝国軍が、はっ、はっ、はっ。」
フェザーン人「帝国軍がフェザーン回廊を通過して同盟領に侵攻すると仰るのですか。いやぁ、なかなかおもしろいお話です。ですが、それは想像が少し過ぎませんかな？フェザーン回廊は平和の海です。通過するのは客船か貨物船のたぐいであって軍艦が通るなどありえんことです。」
ユリアン「誰が決めたのですか？」
フェザーン人「誰が？はっ、はっ、はっ、はっ、はっ……。」
ユリアン「人間が定めた規則なら人間の手で破ることもできると思います。特に帝国の、ラインハルト・フォン・ローエングラム公爵のやり方は万事古い習慣に則ったものとは思えません。あのローエングラム公なら勝つため、征服するために伝統や不文律など平然と破ってのけるのではないでしょうか。そうでないと保証できる方はいらっしゃらないと思います。
　……もっとも、ローエングラム公がそんな野望をいだいても、フェザーンの方たちがみすみす誇りを売り渡すとは思いませんけれど。」
ルパート「それにしても、フェザーンが帝国に身売りすると、大胆な推測ですなぁミンツ少尉。」
ユリアン「そうでしょうか？フェザーンにとって独立、それも形式的な独立は至高の価値を持たないと思うのですが。」
ルパート「しかし、至高に近いものですよ。その辺りを過小評価してはいけませんな、ミンツ少尉。」
ヴィオラ「ミンツ少尉！君は歓迎されるためにここに来ているんだ！議論するためではない。立場をわきまえんか！
　やあ、皆さん。失礼、若気のいたりでしてな。ご容赦ください。」

フェザーン回廊を帝国軍が通ることをヤンは見抜いているだろうとルビンスキーに報告するルパート。ルビンスキーはもう時間がないから国内では何もできない、心配するなと取り合いません。

ルパート「心配してるとしても、それはあんたのためじゃないさ。」

酒に薬に女を利用してデグスビーを堕落させて、弱みを握ったルパート。お互いにトップを蹴落として成り代わろうと提案しますが鼻で笑われます。すぐに地が出て脅しにかかります。

ルパート「笑うのはその程度にしてもらおうか司教殿。あんたの狂態はすべて録画してある。あんたが俺に協力しないなら、これをしかるべく利用させてもらうまでだ。陳腐な策だが、効果があるからこそ多用されるし、多用されるから陳腐になる。そろそろ決心してもらいたいな。」
デグスビー「ぐっ、犬め！」

ラグナロック作戦の陣容が麾下の提督たちに知らされます。
イゼルローン方面は、ロイエンタールの下にレンネンカンプ、ルッツをつけて3個艦隊で侵攻。後詰にアイゼナッハ。
フェザーン方面は、先鋒ミッターマイヤー、第2陣ミュラー、第3陣はラインハルトが直接指揮、第4陣シュタインメッツ、第5陣ワーレン。
予備兵力としてファーレンハイト、ビッテンフェルト。
ケスラー、メックリンガーはオーディンに待機。
イゼルローンのヤン艦隊と雑多な残存兵力の同盟とは雲泥の差です。
これらの情報のうち、イゼルローン方面遠征軍の情報のみフェザーン経由で同盟に流されます。

帝国軍侵攻の報は同盟にも届きますが、ヤンが守るイゼルローン要塞があるので真面目に議論も行われません。
ビュコック提督がフェザーン回廊からの侵攻の可能性を示唆しますが、常識にとらわれた面々は鼻で笑い飛ばします。フェザーンは同盟にも投資しているし、みすみす帝国に回廊を売り渡したりはしないだろうと。

ビュコック「なるほど、フェザーンは確かに同盟に対して資本を投下していますな。しかし、それは同盟の諸惑星の鉱山、土地や企業に対してであって、同盟政府それ自体にではありますまい。フェザーン人としては、投下した資本の安全さえ保証されるなら同盟の国家機構が崩壊したところで、さして痛痒を感じるとも思えませんな。
　それとも、フェザーンが同盟政府に対して資本投下を行っているという事実でもありますかな？」
議員「それは政府高官がフェザーンから賄賂を取っているとでもいいたいのかね！」
アイランズ「提督、少し口を謹んでもらいたいものですな。いずれにせよ、提督のご懸念は何か具体的な材料があってのことではない以上、机上の空論と言わざるを得ませんな。とりあえず、イゼルローン回廊の防衛の件だが……。」
ドーソン「そうですなぁ、ヤン提督には警戒強化命令を出しておくとして……。」
ロックウェル「それと要請があり次第、軍事物資の補給を行えるよう、準備だけはしておきましょう。」
アイランズ「そんなところでしょうな。他に特に意見がなければ本日の会議はここまでということで。」

ビュコック『すまんなぁ、ヤン。』

そんなこんなで前線では哨戒任務に出ていたユリシーズが、ロイエンタールの艦隊を発見します。
ガイエスブルグ要塞で攻めてきたときより大兵力での遠征です。

色々不満はありますが、とりあえず防戦の準備を整えるよう指示を出すヤン。

ヤン「大言壮語をするつもりはないが、どんな大兵力で攻められようとこの要塞は大丈夫だ。自給自足もできるし、いくらでも持ちこたえることができる。だが、帝国軍の狙いがやはりフェザーン回廊の突破にあり、ハイネセンなり他の同盟領が危機に陥った時、こちらの状況を無視して助けに来いと命ぜられたらどうしようかと思ってね。前面の敵より後背の味方のほうが、この際は頭痛の種さ。」
フレデリカ「もし、そう命令されたら助けに行かないわけにはいきませんわね。」
ヤン「そう。だが、うっかり撤退しようにも最悪の場合、イゼルローンを奪還された挙げ句、後ろから追いつかれて叩き潰されないとも限らない。」
フレデリカ「要塞から出ること自体が難しいですわね。」
ヤン「うん。それに運良くそれを逃れても、我々が出ていった頃には既に、ハイネセンが陥落しており、前後から敵に挟み撃ちってことにもなりかねない。まあ、ここで心配していても始まらない……。
　大尉、ハイネセンに敵襲の報を送ってくれ。それに加えて、この攻撃は単独のものではなく、フェザーン回廊への攻撃と連動したローエングラム公の戦略構想の一環であろうから、フェザーン方面の防衛を強化してくれるように。」
フレデリカ「はい。」
ヤン「どうせ、無駄だろうけど……。やるだけはやっておかないと、ハイネセンで孤軍奮闘しておられるビュコック司令官に少しでも援護射撃をしなければいけないからね。」

今回はここまで。いよいよ帝国の同盟領侵攻のスタートです。