銀河英雄伝説第2期第45話「寒波至る」: あああ

2021年10月07日

銀河英雄伝説第2期第45話「寒波至る」

銀河英雄伝説第2期第45話「寒波至る」を見ました。旧OVA版になります。

フェザーン占領の報は、同盟にも届きました。ここに来てやっと同盟にも人材が出てきました。
急病の代理で参謀長に就任したチェンの提案で、ヤンの足かせが外されました。
同盟軍は、ビュコック提督の指揮で第1艦隊と残りの戦力をかき集めて、対帝国との防衛戦に挑みますというお話。

フェザーンにて、同盟領侵攻を前に新年を祝うパーティーが開かれていました。
帝国軍としてもこれが最後の戦になるので、軍功をあげるための機会が少なくなると、若い将官たちは少し焦り気味です。

トゥルナイゼン「フェザーン方面の先陣はミッターマイヤー提督で、イゼルローン方面の責任者はロイエンタール提督。帝国軍の双璧の令名がいやますばかりというわけだ。」
ゾンバルト「ご不満ですかな？」
トゥルナイゼン「不満？まさか。ただ、元々実績のあるところに更に武勲をたてる機会が回ってくる……差が開くばかりではないか。」
ゾンバルト「門閥貴族の支配下では武勲をたてたからといって、そればかりでは昇進もかないませんでしたから……。その意味では良い世の中にして頂いたものです。」
トゥルナイゼン「ああ、数年前なら如何にミッターマイヤー提督と言えども30歳そこそこで軍の重鎮とはなられなかったろう。」
ゾンバルト「ミュラー提督など、今年で29歳でしょう？先の戦いでは破れておられるし、それほどの武勲をたてられたという印象はないのですが、それでも今の地位におられるのはやはり、戦乱の時代だからでしょうな。」
トゥルナイゼン「だが、その戦乱も収束に向かっている。武勲をたってる機会も少なく、いや、まったくなくなるかもしれない。」
ゾンバルト「やはり、このラグナロック作戦が最後の機会かもしれませんな。」

フェザーン陥落の報は同盟にも届きました。トリューニヒトはさっさと行方をくらまし、アイランズが評議会を取りまとめることに。この危機に際して、守護天使が目覚めたのやっと政治家らしい働きをします。
講和のための武力行使という結論をまとめて軍部に協力を求めます。

ビュコック「国防委員長の守護天使が突然勤労意欲に目覚めたらしいな。ま、そうならないよりは結構なことじゃて。」
ファイフェル「しかし、どうせならなぜもっと早く目覚めなかったのでしょう。私は時々思います。いっそ、一昨年のクーデターが成功していればよかったかもしれないと……。そうすれば、国防体制の強化も効率的に実行されていたかもしれません。」
ビュコック「そして帝国の専制主義と同盟の軍事独裁政権とが覇を争うのかね？救いがないとは思わんか。」
ファイフェル「はあ、それは確かに。」
ビュコック「わしは、帝国の非民主的な政治体制に対抗するという口実で、同盟の体制まで非民主化するのを容認することは出来ない。同盟は独裁国となって存続するより、民主国家として滅びるべきだろう。」
ファイフェル「あっ！」
ビュコック「わしは、かなり過激なことを言っておるようだな。だが実際、建国の理念と市民の生命とが守られないなら国家が存続するべき理由などありはせんのだよ。で、わしとしてはその理念と市民の生命を守るために戦おうと思っておるのさ。」
ファイフェル「はあ。」
ビュコック「さて、それでは早速出かけるとするか。」
ファイフェル「どちらへ？」
ビュコック「統合作戦本部へさ。決済権は作戦本部長たるドーソン大将にあって、わしの勝手にはならんのじゃよ。それが民主共和制の軍隊というもんだて。」

同盟軍はクブルスリー本部長がみていた第1艦隊（現在はパエッタ提督が指揮）、残存力を集めて14艦隊モートン提督、15艦隊カールセン提督を編成し2万の艦艇をあつめて帝国軍に対抗します。

内実のない銀河帝国正統政府も内実がないなりに内輪もめを始めます。幼い皇帝の心配をしてるのはメルカッツ提督とランズベルク伯くらいなのかな？こいつらが誘拐してこなければよかった話ですが。レオポルドはフェザーンに残してきた部下たちを心配しています。

同盟では過労で参謀長が倒れて代わりがたてられます。パン屋の二代目。急遽、会議に呼び出されます。
頭は回るので、ヤンをこき使うよう提案します。ただし、責任は司令部全体でとると。

チェン「ああ、気になさらないでください。多少時間がたったパンでもちょっと湯気に当てると……結構惜しく食べられるものです。」
ビュコック「チュン少将が加わったところだが、もう結論は出ておる。今の我々にはフェザーン回廊の出口で正面決戦を挑むだけの戦力はない。そこで敵の補給線が限界に達するのを待って、その側背を突き、侵攻を続けるのが不可能なだけの損害を与えて撤退に至らしめる。これが基本構想だ。」
チェン「イゼルローン要塞にいるヤン・ウェンリー提督を呼び戻してはいかがでしょうか？」
一同「うん！？」
チェン「ヤン提督の知略と彼の艦隊の兵力とは我軍にとって極めて貴重なものですが、このような状況下でイゼルローンにとどめておくのは、焼きたてのパンを冷蔵庫の中で固くしてしまうようなものです。何しろ敵がフェザーン回廊を突破してきた以上、イゼルローン要塞の戦略的な価値は失われたと言っていいでしょう。であれば、これを確保しておいても意味がありません。」
パエッタ「それは貴官の言う通りかもしれなが、ヤン提督は現実にイゼルローンで敵と対峙しておる。迂闊に動ける状態ではないぞ？」
チェン「ヤン提督ならなんとかするでしょう。それに彼がいなければ、純軍事的に我々は極めて不利で、講和に持ち込むのもおぼつかないでしょう。同盟が滅亡して、イゼルローンだけが残った、ということにもなりかねません。
　また、仮に講和に持ち込んだとしても、その条件として帝国軍はイゼルローン要塞の返還を要求してくるでしょう。だとすれば、ここでヤン提督に要塞を死守させたところで意味はありませんし、彼の知略も兵力も同盟全体になんら益をもたらしません。所謂、遊兵を作るだけです。今の我軍には唯でさえ余裕がないのですから彼には最大限働いてもらったほうがいいでしょう。」
ビュコック「ヤンにイゼルローンを放棄するよう命令しろ、というわけかね？」
チェン「いいえ、具体的な命令は必要ありません。ヤン提督に訓令すればよいのです。責任は司令部が取るから最善と信じる方法を採るようにとね。恐らく、彼はイゼルローン要塞を守ることに拘らないでしょうよ。」

同盟のフェザーン弁務官事務所も大あらわです。帝国に渡ったらまず書類とかあるんですかね。金目のものを引き上げてるだけか。

コーネフ「やれやれ……。俺の船、どうなってるかなぁ。こうなりゃ、同盟にさっさと負けてもらうしかフェザーンに帰れる見込みはないな。ヤンのやつが余計なことをしなきゃいいが……。」

そして、イゼルローンにはビュコック提督から訓令文が届きます。自由な裁量権を認められて一瞬喜ぶヤンでしたが……。

フレデリカ「まあ！それでは戦局全体に自由な裁量を委ねられたと考えてよろしいのですね？」
ヤン「うん。……うん？待てよ、ということは……食えない親父さんだ。給料分以上に働かせようっていうんだな。やれやれ、敵の戦艦1隻が年金何年分になるか……。」