銀河英雄伝説第2期第48話「双頭の蛇～ランテマリオの決戦～」: あああ

2021年10月13日

銀河英雄伝説第2期第48話「双頭の蛇～ランテマリオの決戦～」

銀河英雄伝説第2期第48話「双頭の蛇～ランテマリオの決戦～」を見ました。旧OVA版になります。

ランテマリオ会戦のお話。双頭の蛇の陣形で来る帝国軍に対して、胴体の部分を攻めて中央突破、各個撃破を狙う同盟軍。
序盤こそ優勢に進めますが、徐々に形勢は逆転。帝国は各艦隊が反撃を開始。
同盟は負けない戦いに作戦を変更し、ヤンの救援に期待しますが……。

帝国軍の位置情報がもたらされて、恐らく双頭の蛇であろうことが同盟にもわかりました。

スール「帝国軍の陣形から見て、その狙いは所謂、双頭の蛇ではありませんか？だとすれば、中央突破を図るのは敵の思う壺。危険が大き過ぎると小官には思われます。」
ビュコック「恐らく……いや、疑いなく貴官の言う通りだ。だが、もはや他に採るべき戦法はない。敵の陣形を逆用して中央を突破し、各個に撃破するしかあるまい。」
スール「……仰るとおりです。それにしてもローエングラム公は天才の名に恥じませんな。常に我々の先手を取り、戦略的に追い詰めてから実戦を仕掛けてくるのですから。」
ビュコック「だから、ヤン・ウェンリーなどが彼の天才を高く評価するのじゃ。知っとるかね？スール少佐。わしはヤンから聞いたことがある。自分が帝国に生まれておったら、喜んで彼の旗のもとへ駆けつけたろうとな。」
スール「それは少し危険な発言ではありませんか？」
ビュコック「どうしてかね、わしもまったく同感じゃよ。この通りの老いぼれで大して才能もないから、先方が使ってくれるとは限らんがな。」

ミッターマイヤーが指揮する胴体部の布陣の厚さをみて中央突破を躊躇するビュコック提督でしたが、味方が暴発して戦端が開かれてしまいました。狂騒する味方の攻勢により一時的にミッターマイヤーの艦隊を押し込むことに成功します。

戦況を見守っていたラインハルトも行動を起こします。他の艦隊も動き出し、包囲戦へ展開。

ラインハルト「同盟軍のあれは勇猛ではなく狂騒というのだ。ミッターマイヤーは闘牛士だ。猛牛に押しまくられてるかに見えて、実はその力を温存し、勝機を狙っている。だが……案外、本気で攻勢に辟易しているのかもしれんな。そろそろ私も動くことにしようか。」

地の利を生かしてなんとかしのぎますが、同盟は防戦一方に。

チェン「どうやら、背後に回り込まれるのは避けられたようです。」
ビュコック「この兵力差だ。地の利だけでも得られなければ対抗のしようもない。じゃが、敵を分断して各個撃破するという当初の目論見は崩れてしまったなぁ……。」
チェン「あとはなんとか持ちこたえてヤン艦隊の到着に望みを繋ぐしかありません。」
ビュコック「そうじゃなぁ。勝つのは無理でも、負けないことに専念するなら、まだやりようはあるじゃろう。」

膠着状態を打破すべく、ビッテンフェルトを呼び出すラインハルト。これを契機に帝国軍の各艦隊が全面攻勢に出ます。

ラインハルト「やはり使わざるを得ないか……。ビッテンフェルトに連絡せよ！卿の出番だ。シュワルツ・ランツェンレイターの槍先に、敵の総司令官の軍用ベレーを引っ掛けて、私のところへ持ってこいとな。」

ビッテンフェルト「わが艦隊の辞書には、後退とか迂回とか、まどろっこしいことは載っておらん。」

均衡を破られた同盟軍。ビュコック提督は責任を取って自害を選びますが、チェンに止められます。
しかし、理由はとてもリアリストなものでした。

チェン「自殺はいけません、司令長官閣下。メルカッツ提督も敗戦の後、命永らえたではありませんか。」
ビュコック「宇宙艦隊が喪失した以上、司令長官だけが生きていても詮無きことだ。そうは思わんかね？貴官は。」
チェン「まだ、宇宙艦隊は消失してしまってはおりません。ヤン艦隊はなお健在です。1隻でも艦艇が残っている限り、司令長官には生きてこそ責任をとって頂かねばならんのです。」
ビュコック「わしの指揮の元、多くの戦死者を出してしまった……。孤児や未亡人もな。彼らに対し、死ぬ以外に責任を取る道があると貴官はいうのかね？」
チェン「自殺なさるのは味方に対する責任をとることにしかなりません。私が問題にしているのは敵に、そう勝利した敵に対しての責任の取りようです。
ビュコック「……。」
チェン「私がこれから申し上げるのは、極めて非人道的なことです。もし、お気に召さなければ、その銃を私に対してお使いください。
　この戦争の終結後、帝国は戦争犯罪人の裁判を要求することになるでしょう。その時、軍の最高幹部が戦死であれ、自殺であれ、この世に居なければ、その下で働いていたものが代わりにスケープゴートとして被告席に立たされるでしょう。」
ビュコック「うむ、なるほど。わかった、わしは敵の銃口のためにこの老体を残しておかねばならない、というわけじゃな。」
チェン「閣下と私、それにドーソン本部長、制服組から3名ぐらいは軍事法廷の被告が必要でしょう。この辺りで他に累が及ぶのを防がねばなりません。同盟の未来のために、ヤン・ウェンリーなどには生き延びてもらわねばならんのです。」

しかし、ここで帝国の後背から同盟の艦隊が現れました。故郷に帰れなくなると、動揺する帝国軍。

ミッターマイヤー「進撃中止！陣形を立て直して、後背の敵に備えよ！」
ワーレン『同盟軍の兵力は、予想以上に豊富なのではないか？』
ファーレンハイト『正面の敵は陽動で、真の狙いは我々の退路を断つことにあるのか？』
ミュラー『敵の領土深く侵攻すること、2千8百光年。う～ん、兵士たちの不安と望郷の念は勝利の高揚感の中で覆い隠されてはいるが……』
シュタインメッツ『一度それに火が付けば、浮足立つのは必然。そこまで見越して後方を遮断するつもりか！』

この混乱に乗じて同盟軍が最後の反撃。
狼狽える帝国軍でしたがラインハルトの激でなんとか体制を立て直します。

ラインハルト「何を恐れるか！この期に及んで同盟の新規兵力が出てきたところで、各個撃破するだけのことだ！狼狽えるな！秩序を持って後退せよ！」

ミッターマイヤー「醜態をお見せしました。面目ございません。勝ちながらこうも乱れるとは。いささか勝ち慣れて逆境に弱くなりましたようで……。」
ラインハルト「無理もない。まさか敵にああいう小細工をする余裕があるとは私も予想しなかった。いずれ陽動に過ぎぬであろうが、この際は用心するに如くはない。」
ミッターマイヤー「御意。それにしても、これはやはりヤン・ウェンリーの仕業でありましょうか？」
ラインハルト「このような小細工を効果的にやってのけるのは、あのペテン師以外におるまい。」

当然、後背から襲ってきた同盟軍はヤン艦隊でした。とりあえず、急場はしのいだのでロイエンタールの部隊に備えてハイネセンへ急行します。

ビュコック「むざむざ生き残ってしまったよ。部下を死なせて不甲斐ないことだ……。」
ヤン「何をおっしゃいます。生きて復讐戦の指揮を採っていただかなければ困ります。」

帝国軍の駆逐艦が1隻だけで近づいてきました。駆逐艦を奪ったユリアンが合流してきました。

ユリアン『攻撃なさらぬように願います。こちらは、自由惑星同盟、フェザーン駐在武官ユリアン・ミンツ少尉です。この艦は帝国軍より奪取したもので、搭乗者は全て帝国軍と反対の立場に立つものです。ハイネセンへの同行を許可願います。』
フィッシャー「こいつは驚いたな、ユリアン・ミンツか！無事だったんだな。念の為、陸戦要員を移乗させて調べさせろ！それとヒューベリオンに連絡するだ！」

ラインハルト「どうも天敵というものがいるらしいな。ティアマト、アスターテ、アムリッツァ、そしてランテマリオか……。なぜやつはいつも俺が完全に勝とうするときに現れては邪魔をするのか……。キルヒアイス……！お前が居てくれたらヤン・ウェンリーなどに白昼の横行などさせぬものを……！」

今回はここまで。帝国軍は後退し、惑星ウルヴァシーを占領し、軍事拠点とします。