銀河英雄伝説第3期第58話「訪問者」: あああ

2023年01月12日

銀河英雄伝説第3期第58話「訪問者」

銀河英雄伝説第3期第58話「訪問者」を観ました。旧OVA版になります。

少し繋ぎ回みたいな感じのお話ですね。キュンメル男爵の事件の後始末的な話とワーレンの地球遠征、メルカッツ提督生存の噂話とそれによるヤンへの疑惑、地球にたどり着いたユリアンたちみたいなところのお話がさらっと進む感じ。

オーベルシュタインからも婚姻を勧められて意外なラインハルト。些か危ないラインまで話が進みますがここはお互いに踏み込まず。
また、マリーンドルフ伯父娘の謹慎を解く命令を出します。

オーベルシュタイン「オーベルシュタイン家が断絶したところで世人は嘆きますまい。ですが、ローエングラム王家は差にあらず。王朝が公正と安定をもたらす限りにおいては、人民はその存続する保障を血統に求め、陛下のご成婚と世継ぎの誕生を祝福いたしましょう。ですが、皇妃の父兄、すなわち外戚がいたずらに栄誉を誇り、権力を振るうがごときは国家に多大なる害をもたらします。古代においては皇妃を娶る際し、その一族を尽く殺して将来の禍根を断った帝王の例もありますれば、ご留意頂けますよう……。」
ラインハルト「卿はだれか特定の人物が皇妃の宝冠をいただくことに反対しているように思えるな。皇妃の候補すら定まっておらぬのに、時期の上でも、また臣下の分から言っても不適当だとは思わぬか？」
オーベルシュタイン「差し出たまねと承知はしております。」
ラインハルト「皇妃が政治上、皇帝につぐナンバー2となっては、甚だまずいか。卿ならばそう思うだろうな。」
オーベルシュタイン「ご明察恐れ入ります。」
ラインハルト「ちっ！マリーンドルフ親子は未だ謹慎しているのだな。」
オーベルシュタイン「大逆犯の係累であれば致しかたございません。ゴールデンバウム王朝においては、一族尽くが死刑が慣行でございました。」
ラインハルト「つまり、地球教は余の命を狙ったにとどまらず、余の信頼する国務尚書と首席補佐官を余から奪おうとしているのだな。これ以上謹慎の必要を認めぬ！マリーンドルフ親子に明日から出仕するように伝えよ！」
オーベルシュタイン「御意。」
ラインハルト「今一つ！親子に対してこのくだらぬ事件の責任を問うことを禁ずる。その禁をあえて犯すものは、余の命令に従順ならざるものとして相応の処断を被るものと覚悟せよ！」

フェルナーから同盟でのレンネンカンプの差配の報告を受けるオーベルシュタイン。レンネンカンプが過度にヤンに干渉しようとしているというフェルナーからの危惧を退けます。
退出ご独りごちるフェルナー。

フェルナー『軍務尚書はヤン元帥の存在を利用するつもりかもしれん。ヤンの周りに反帝国の勢力を集中させてまとめて処断するか、あるいは同盟内部の分裂抗争を招かせるか……。しかし、果たして思うようにことが進むかな？窮鼠猫を噛むというではないか。もっともこの場合、真っ先に噛みつかれるのはレンネンカンプだが……。』

フェルナー「いずれにしてもこれは見ものだ。軍務尚書の思惑が通るかどうか。それによって現在の平和が一時代を築くか、動乱の間のささやかな休息時間に過ぎないのか。歴史の分かれ道ができそうだな。」

ミッターマイヤー家を訪問するロイエンタール。お土産の花束は黄色い薔薇というわけでもないのかな？
話は、地球教のテロを密告したトリューニヒトの話題となります。

ロイエンタール「卿の言うことは正論だがな、ミッターマイヤー。奴は生きるに際して他人の尊敬や愛情など必要とせぬのだ。そして、そういう輩ほど根の張りようは深く、茎は太い。寄生木とはそういうものだろう。」
ミッターマイヤー「なるほど、寄生木か。」
ロイエンタール「奴が寄生木だとすれば、次は新帝国を宿主にして、その養分を吸い取ろうとするかもしれん。実際、この前地球教のことを知らせてきたのも、その功で信任を得て何か官職に就こうという魂胆だろう。だとすれば、既にその蔓が新帝国の幹に絡みつき始めているのかもしれん。」
ミッターマイヤー「確かに、奴は単なる卑劣漢と言ってすまされぬものがある。悪い意味で凡人でないのは確かだな。監視するにしくはないが。」

そこに運悪く（笑）、噂話を肴に上官と談笑しようとしにバイエルラインが訪問。ロイエンタールとは違って気が利かないのか、夫人への手土産はありません。
ロイエンタールと同席しても気まずいだけなので、噂話を開陳してさっさと退散するバイエルライン。ミッターマイヤーも事情はわかっているので引き止めません。

バイエルライン「はい、同盟軍の捕虜から流れてきた話だということですが……。」
ミッターマイヤー「うん？」
バイエルライン「……メルカッツ提督が生きているという噂があるのです。」
ミッターマイヤー「あの、メルカッツか？ウィルバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツが生きていると、卿はそういうのか？」
バイエルライン「……噂です。」
ミッターマイヤー「メルカッツはバーミリオン会戦で戦没したはずだ！どこの誰が無責任にも故人の墓を暴くような噂を流すのか！」
バイエルライン「ですから小官は噂をお伝えしてるだけで……。」
ロイエンタール「ありうることだな。確かに遺体を確認したわけではないから、我々の目をくらましてどこかで生きているとしても不思議はない。」
ミッターマイヤー「だが、だとしたらそれをヤン・ウェンリーが知らぬはずがない。そうなると……。」
ロイエンタール「反逆の意思なしとはいえんな。」
ミッターマイヤー「しかし、単なる噂だ。」
ロイエンタール「そうだな、単なる噂だ。そんなもので軽挙妄動して罪人をでっち上げるような愚行は内国安全保障局に任せておこう。」
バイエルライン「では、私はこれで！」

二人の会話は続きます。ロイエンタールが女を変えたという話から、実はその女に生命を狙われて、正体はリヒテンラーデ候の血縁だという話に。

ロイエンタール「ついでに言えば、あの老人と一族の処刑を指揮したのも俺だ。いよいよこれは恨まれて当然というところだな。」
ミッターマイヤー「そこまで、その娘は事情を知っていたのか？」
ロイエンタール「その時は知らなかった、だが今は知っている……。」
ミッターマイヤー「まさか！？」
ロイエンタール「そうだ、俺が教えてた。」
ミッターマイヤー「無益なことではないか！？なぜ、そんなことまで言って誰よりも卿自身を貶める！？」
ロイエンタール「俺もそう思う。無益だとわかるところまでは俺もまともだ。だが、その後がどうも歪んでいる。……歪んでいる、わかっているのだ。」

帰宅したロイエンタール。まだ女は家に残っていました。

ロイエンタール「俺には理解できんな。親の代まで持っていた特権を失ったのがそれほど悔しいか？お前の父親や祖父は、自分の労働の成果でもないのに毎日暮らしていたわけだろう？そんな生活のどこに正義がある！貴族とは制度化された盗賊のことだと、まだ気づかないのか。暴力で奪うのは悪だが、権力で奪うのはそうではないとでも思うのか？もう少しましな女かと思ったが興味が失せた。さっさと出ていてお前にふさわしい男を探せ。権力と法律が甘い生活を保障してくれた時代を懐かしむだけの能無しをな。だが、その前に一言言っておく！この世でもっとも卑劣で醜悪なことはな、実力も才能もないくせに相続によって政治権力を手にすることだ。それに比べれば簒奪は1万倍もましな行為だ！少なくとも権力を手に入れるための努力はしているし、本来それが自分のものでないことも知っているのだからな。」
エルフリーデ「よくわかったわ。お前は骨の髄からの反逆者だということがよ！自分にそれほどの実力と才能があると思うならなんだってやってみるといい！そのうち、思い上がったあげくに今の主君にだって背きたくなってくるでしょうよ！」
ロイエンタール「皇帝は俺より9歳も若いのに水浸からの力で全宇宙を手に入れた。俺はゴールデンバウムの皇室や大貴族共に反感はいだきながら王朝それ自体を覆そうという気概を持つことはできなかった。あの方に俺が及ばぬ所以だ。」

ワーレンの地球遠征の出発を見送るラインハルトたち。
バーミリオン会戦の活躍により、戦後初めて完成した戦艦を下賜されたのはミュラーでした。ゲームだと大体バーミリオン会戦までなので、ミュラーの旗艦の絵って初めてみたかも。

ミッターマイヤー「新旗艦の初陣に卿も今回の任務を賜りたかったのではないか？」
ミュラー「そうですね。もう出陣する機会そのものがないかもしれませんから。」
ミッターマイヤー「そうだな、そうであればそれに越したことはないが。」
ミュラー「なにか？」
ミッターマイヤー「いや、それだけに先のバーミリオン会戦でヤン・ウェンリーに苦杯をなめされられたワーレンに名誉回復の機会として今回の任務を下されたのだろう。その意味では同盟領に駐在しているシュタインメッツやレンネンカンプも同様だがな。」
ミュラー「なるほど。」

地球教の内部には侵入できたユリアンたち。とありえず、狙いは地球教に関する資料になります。

マシュンゴ「資料室というのは見つからないですね。」
ユリアン「一般向けの資料に教団の全てが記載されてるはずがないさ。」
ポプラン「おい、尼さんの宿舎ってのはないか？」
ユリアン「さあ？ないようですね。」
ポプラン「すると、男女は雑居しているのかな？」
ユリアン「……そういう見解ができるのって、羨ましいです。」
ポプラン「そうか？」